神奈川県は東京都に次ぐ、全国第2位の人口を誇る都道府県です。
山あり、海あり、温泉ありの自然豊かな土地である上、都心へのアクセスがしやすく、県民愛の強い地域だと言えます。
田舎すぎず都会すぎない、というのが神奈川県の大きな魅力なのだとか。
そんな神奈川県に住みたいと考える方はもちろん、神奈川県で創業したいと考える方も少なくないのでは。
創業には高額な資金を必要とするケースが多く、創業融資を利用する方が多いのが現状です。
せっかく創業融資を利用するなら、少しでも返済負担の軽い制度を利用したいと考えるのは普通でしょう。
嬉しいことに神奈川県には、創業融資の返済負担が軽くなる制度が存在しています。
特例や要件を満たす必要はありますが、誰でも該当の可能性があるものですのでぜひチェックしてみましょう!
憧れの神奈川県での創業を叶えるために一歩前進しましょう。
関連記事:横浜市で起業応援!ハマっ子におすすめの創業融資TOP3
創業融資は神奈川で!創業支援融資の特徴を知ろう
神奈川県の用意している創業融資は「創業支援融資」というものになります。
融資を利用して創業しようと検討しているなら、さまざまな創業融資を調べて比較しますよね。
ここでは創業支援融資の特徴について詳しくご紹介していきますので、ぜひ神奈川県ではどんな創業融資を受けられるのか、確認してみましょう。
【一覧】融資条件を確認。限度額は3,500万円と高額
まずは気になる融資条件から確認してみましょう。
【融資の条件】 | |
使い道 | 運転資金・設備資金 |
限度額 | 3,500万円 |
利率 | 年1.8%以内 ※創業特例なら年1.6%以内 |
融資期間 | 1年超10年以内 |
返済方法 | 分割返済 ※1年以内の据置可能 |
担保 | 不要 |
保証人 | 原則、法人代表者以外の連帯保証人は不要 ※経営者保証の不要も可能 |
信用保証料率 | 0.40% ※経営者保証不要なら0.60% 創業特例のとき0.00% ※経営者保証不要なら0.20% |
注目すべきは限度額3,500万円という点ではないでしょうか。
自治体の用意する創業融資のなかでは高額なほうだと言えます。
担保も不要ですし、保証人に関しても連帯保証人は不要と、借りやすいです。
創業特例に該当すれば利率や信用保証料率がお得に。
創業特例については次項で詳しく見ていきましょう。
関連記事:【決定版】創業融資で資金不足を一発解決!最大3000万円融資も
融資利率の優遇を受けられる創業特例アリ
創業支援融資には創業特例が用意されています。
創業特例は定められた要件に該当する方に適用されます。
まず、大前提として創業支援融資を利用できる方を見てみましょう。
創業支援融資を利用できる方 | 備考 | |
1 | 創業前の個人 | 新たに1か月以内に個人事業を始める方 |
新たに2か月以内に法人事業を始める方 ※NPO法人、医療法人除く | ||
2 | 創業後5年以内の中小企業者 | – |
3 | 分社化を予定、もしくは分社化してから5年以内の中小企業者 | – |
創業特例に該当するには、加えて下記2つの要件に該当する必要があります。
創業特例の要件 | 備考 | |
1 | 融資申込前に創業支援機関(※)の経営指導を受け、融資実行後にも2回以上の経営指導を受ける方 | ※KIP・商工会・商工会議所など |
2 | 特定創業支援等事業(※)を利用した方 | ※法人成りした中小企業者は融資対象外 創業前なら創業6か月前から利用可能 |
創業特例が適用されると創業支援融資にかかる利率が通常1.8%以内のところ、1.6%以内とお得になります。
また、信用保証料率は通常0.40%のところ、0.00%と、一切かからないことに。
利率が下がると返済負担がかなり軽くなりますので、ぜひ創業特例への該当を検討することをおすすめします。
関連記事:創業時の融資は低金利がいい!利率を下げる3つの方法
要件を満たすと経営者保証が不要になる!
経営者個人が法人の連帯保証人となり保証債務を負うことを経営者保証と言いますが、これから述べる3つの要件を満たした法人に関しては、経営者保証を不要とすることができます。
- 融資申込受付時点で税務申告1期未満の場合、自己資金を創業資金総額の10分の1有している
- 所定の創業計画書を作成する
- 創業3・5年目に専門家より、経営者保証ガイドラインを満たせているか確認と助言を受ける
経営者保証が不要になると個人による法人への保証債務がなくなるほか、返済の据置期間が通常だと1年以内のところ3年以内になります。
個人への保証債務がなくなるということは、信用保証協会の負担が大きくなるということ。そのため信用保証料率が通常0.40%のところ0.60%に、創業特例が適用されている場合は0.00%のところ0.20%と、少し負担が増えることにはなります。
関連記事:創業時の救世主!2023年から創業融資で個人保証が不要な制度
創業融資を神奈川で利用するときのポイント
創業融資を神奈川で利用するとき、何を意識して行なえばよいでしょうか。
事前にポイントを把握しておき、スムーズに申し込めるようにしておきましょう。
申込から融資実行までの流れを掴んでおこう
神奈川の創業支援融資の仕組みとしては、中小企業者-金融機関-神奈川県信用保証協会と、金融機関が中小企業者と信用保証協会の間に入る形で連携が取られています。
申込から融資実行までの流れは次の通り。
- 申込:取扱金融機関へ融資を申込。取扱金融機関はこちら
- 保証依頼:取扱金融機関を介して信用保証協会へ保証を依頼
- 信用保証書発行:信用保証協会の審査に通過すれば信用保証書が発行される
- 融資実行:金融機関より融資が実行される
また、申込から融資実行までの流れのなかで、何か不明点があれば信用保証協会や相談窓口まで気軽に金融相談できます。
相談窓口はこちら
関連記事:起業の悩みは無料で相談しよう!0円で賢くお悩み解決、賢く起業!
【一覧】必要書類を徹底解説
融資への申込は少なからず書類の提出が必要となります。
必要書類は種類が多い上、状況によっては必要なものが異なってきます。
創業支援融資に申込むときの必要書類を状況別に一覧としてまとめてみましたので、詳しく見ていきましょう。
【状況別必要書類】 | |
共通 | ・神奈川県中小企業制度融資申込書(ダウンロード) ・事業開始の証明となる書類の写し ※創業後の個人事業者は個人事業開業届出書の写し ■創業特例を受ける場合 →「ライフステージ別資金(創業期)」創業支援融資【創業特例】確認(申請)書(ダウンロード) →特定創業支援等事業により支援を受けたことについての市町村長の証明書の写し |
創業前or創業後1年未満 | 創業・再挑戦計画書(ダウンロード) |
経営者保証不要の要件を満たしている | 創業計画書(ダウンロード) |
決算を迎えている | 財務書類 ※直近2期分の決算書または確定申告書の控え等 |
神奈川県信用保証協会の利用が初めて | ・申込者及び連帯保証人の印鑑証明書 ・法人の場合、定款の写し及び商業登記簿謄本(履歴事項全部証明書) ・必要に応じて、住民票抄本(本籍地は不要) |
事業に許認可等が必要 | 許認可証等の写し |
設備資金のとき | 見積書の写し |
その他(創業支援機関用) | ・「ライフステージ別資金(創業期)」創業支援融資【創業特例】サポート記録(ダウンロード) ・創業支援融資(創業特例)の取扱い等に関する同意書(ダウンロード) |
すべて見ると多く感じますが、状況によってはいらない書類もあります。
自身の状況を確認し、該当する書類だけを適切に準備しましょうね。
関連記事:創業融資の必要書類は自分で作成するな!最大10種を専門家に丸投げ
市ごとに用意された創業支援を活用するのもおすすめ
神奈川では県としてでなく、市としてもさまざまな創業支援が用意されています。
市によって支援内容が異なり、市の特徴を捉えた支援が行われることに。
市ならではの手厚い支援を受けられるのは創業時の大きな支えとなりますので、ぜひチェックしてみましょう。
起業知識+金銭面が不安なら特定創業支援等事業をチェック
そもそも特定創業支援等事業とは、国が産業競争力強化法により、創業支援等事業計画として準備したものです。
具体的には経営/財務/人材育成/販路開拓という事業経営に必要とされる4つの知識習得を目的とした、セミナー・窓口相談・専門家派遣などのこと。
これから創業の方や創業したての方が受けられる、1か月以上+4回以上という継続的な支援であることがポイントです。
例として、横浜市の特定創業支援等事業の特徴を見てみましょう。
- セミナーの受講等を行なう
- セミナー受講完了の証明書を受け取る
- 証明書を活用して優遇措置を受ける
大まかな流れとしては以上の通りで、セミナーを受講し証明書が発行できればさまざまな優遇措置が受けられるという魅力があります。
横浜市で受けられる優遇措置としては大きく4つ。
優遇措置1 | 登録免許税の減免 ■株式会社、合同会社・・・資本金の0.7%であるのが0.35%に ■合同会社、合資会社・・・1件につき6万円であるのが3万円に |
優遇措置2 | 横浜市中小企業融資制度「創業おうえん資金」の融資利率が優遇される ※1.9%以内→1.5%以内 |
優遇措置3 | 日本政策金融公庫における2つの優遇措置 ①「新規開業資金」貸付利率引き下げ ②「新創業融資制度」自己資金要件などの緩和 ※新創業融資制度は2024年3月31日をもって終了しました。 |
優遇措置4 | 限定的な補助金・助成金への申請が可能になる ①空き店舗開業助成事業に申請可能 ②小規模事業者持続化補助金「創業枠(上限200万円)」に申請可能 |
経営/財務/人材育成/販路開拓といった必要知識が学べる上、返済負担が軽くなるなど金銭的にお得な優遇措置が受けられるというのは、大変魅力的な制度だと言えるでしょう。
市によって受けられるセミナーの内容や優遇措置に若干の違いがありますので、ぜひ創業予定の市の情報をチェックしてみましょうね。
関連記事:起業するなら地方で!都会より手厚い補助金・助成金で100万円起業
補助金や助成金、給付金についても確認してみよう
2023年8月末現在ですが、補助金・助成金・給付金を地域ごとに検索できる日本最大級のポータルサイト「スマート補助金」にて、神奈川の補助金・助成金・給付金について調べたところ997件がヒットしました。
驚く数字ですが、その地域らしいさまざまな補助金・助成金・給付金が用意されている証ですね。
ざっと確認すると以下のような補助金・助成金・給付金が確認できました。
- 藤沢市電気自動車導入補助金・・・上限5万円
- 医療従事者勤務環境改善等支援事業・・・上限200万円
- 小規模事業者設備投資助成金・・・上限10万円
- 再エネ・省エネ設備等の導入支援・・・上限50万円
電気自動車導入におけるものや医療従事者向け、設備投資用、再エネ・省エネ設備の導入におけるものなど、実に幅広い観点から支援の用意があると分かります。
ほかにも中小機構の運営するJ-Net21「支援情報ヘッドライン」より地域別に検索ができますので、ぜひ活用してみてくださいね。
関連記事:創業融資だけではもったいない!補助金で2千万円お得に開業しよう
神奈川はベンチャー支援も充実している
創業支援融資や特定創業支援等事業など、創業におけるサポート体制の大変整っていると言える神奈川ですが、実はベンチャー企業への支援もかなり充実していると言えます。
横浜のようにおしゃれなイメージのある神奈川で、ベンチャー企業を立ち上げたいと考える起業家の方も少なくないのではないでしょうか。
神奈川の充実したベンチャー支援の特徴に迫りましょう。
ベンチャー支援のかながわモデル「HATSU-SHIN KANAGAWA」
神奈川では、神奈川の経済を引っ張る役割を持つベンチャー企業が生まれ、成長することを応援すべく、起業や成長といったステージに合わせてベンチャー支援のかながわモデル「HATSU-SHIN KANAGAWA」を展開しています。
リンク先URL:神奈川県のベンチャー支援
“起業家の創出”と“ベンチャー企業の成長促進”の2段階に分けて支援プログラムが組まれており、起業前から起業・育成・成長と順を追ってサポートを行なっています。
「HATSU」には神奈川発の起業家やベンチャー企業がたくさん生まれる場所でありたいという想い、さらに「SHIN」には成長期であるベンチャーと大企業の協業を通じ、新しい一歩を進めて成長する場所といった想いが込められています。
「HATSU」の活動拠点としてはHATSU鎌倉、AGORA Hon-atsugi、ARUYO ODAWARAが、そして「SHIN」の活動拠点としてはSHINみなとみらいが用意されています。
関連記事:『夢を形に!』起業するならベンチャー企業から始めよう!
主に6つのサポートプログラムにより構成されている
ベンチャー支援のかながわモデル「HATSU-SHIN KANAGAWA」を構成している6つのプログラムについて特徴を見ていきましょう。
プログラム名 | 特徴 | |
1 | HATSU起業家支援プログラム | 起業準備者や起業家、地域企業が集まって交流や相互支援を行ない、地域“発”の起業家を生み出すコミュニティ。 専門家による各種相談対応や起業家同士の交流機会の提供が行なわれる。 |
2 | SHINみなとみらい | 県内の起業家にとって事業拠点となり、相互に交流できるコミュニティが形成されている。 大企業や支援機関が来訪し起業家と交流することも。 |
3 | かながわスタートアップアクセラレーションプログラム(KSAP) | 社会課題解決型スタートアップに特化したプログラム。 ビジネスモデルの磨き上げ及び事業拡大のために、行政との連携や相談、メンタリング、投資家とのネットワークによる支援が行なわれている。 また、資金調達や事業計画について無料相談ができる。 |
4 | ビジネスアクセラレーターかながわ(BAK) | オープンイノベーションに取り組みたい方向けのプログラム。 大企業/ベンチャー企業/研究機関/支援機関等による協議会を展開し、参加企業でオープンイノベーションを実現させている。 いつでも無料で参加可能。 |
5 | かなエール | かなエールを通してクラウドファンディングサービスに申込すると、手数料の割引や県からの広報支援などが受けられる。 |
6 | 若年層の起業支援 | ■若年層の起業支援プログラム 大学生など若年層に向けて、起業家との交流機会やビジネスプラン作成支援プログラムの提供、ビジネスプランコンテストの開催を行なっている。 ■かながわ起業家教育推進協議会 県の大学や支援機関と連携して起業家教育の取り組みを行なったり、起業を志す大学生へお役立ち情報を共有したりしている。 |
こうした手厚いプログラムから構成されているのが、ベンチャー支援のかながわモデル「HATSU-SHIN KANAGAWA」なのです。
個人的には起業家同士の交流機会の多い点がありがたいと感じたのと、オープンイノベーションに無料で参加できるのが興味深いと感じました。
ベンチャー企業は横のつながりがなければなかなか事業が成り立たないと考えられます。
なぜなら世間からの認知度の低い小さな企業であることが多く、どのような人脈を持っているかが仕事の獲得に直接的な影響を与えると言えるからです。
交流を大切にしつつ人脈を築き、さらにオープンイノベーションへの参画により自身だけでは成し得なかったサービスや商品を創出できるというのは、県が独自に展開しているサポートプログラムにしてはかなり充実度の高いものだと言えるのではないでしょうか。
関連記事:起業コミュニティは成功の近道|見つけ方とおすすめコミュニティ9選
まとめ
創業融資を神奈川で受けるには、限度額3,500万円の創業支援融資の活用がおすすめです。
創業特例に適用されれば利率がお得になる上、要件をクリアすれば経営者保証を不要にできるという、情報を持っているか否かではかなり差が生まれそうな融資制度ですね。
ぜひ本記事の一覧をよく確認いただき、活用できるものはどんどん自分のものにしていきましょう。
また融資だけでなく、特定創業支援等事業や補助金・助成金・給付金、さらには神奈川の独自色の強いベンチャー支援など充実したサポート内容満載です。
神奈川で創業するという夢をお得に叶えるために、どの制度を活用するかはぜひ本記事を指標にご自身でもあれこれ検討してみてくださいね。
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