2023年度新規開業実態調査で開業時最も苦労したことは資金繰りとされています。
開業をする上でこの資金繰りは最も大きな壁とも言えるでしょう。
貯金があれば全く問題はないのですが、そうではない方も多くいらっしゃるはず。
とは言え誰かから借りるのはなんだか違うし。
融資も審査が厳しいと聞くしどうすればいいんだろう・・・。
と悩まれる方が多くいらっしゃいます。
そんな方に私がおすすめするのは「補助金」です。
「補助金」と見るとなんだか助けてくれそうな、そんな雰囲気がありますよね。
本記事では開業をする上で強力な助っ人となる「補助金」についてご紹介していきます。
補助金を利用するメリットやデメリットはもちろんのこと、申請の仕方や注意点なども詳しく解説していきますので開業の資金でお悩みの方はぜひチェックしてみてください!
補助金とはなにか
では早速、補助金について解説を行っていきます。
補助金とはなんなのか、詳しく見ていきましょう。
補助金とは?
政府が公益上必要があると判断した際に事業者に交付するものが補助金です。
融資とは異なり、原則的には返済不要という点が大きなメリットといえます。
主に政府や自治体、一般企業が支出しており、種類もそれぞれ異なるので自身の事業に合う補助金を選択することが大事です。
また、補助金を受けるにはそれぞれ審査や条件をクリアする必要があるということも覚えておきましょう。
助成金との違い
補助金と似た言葉で助成金という制度もあります。
この二つの大きな違いは、受給するための条件や難易度です。
助成金は定められている条件さえ満たしていれば、原則誰でも受け取れます。
しかし、補助金は条件を満たした上で支出先から採択されなければなりません。
また、受給金額や対象となる経費の範囲も違いがあり、雇用関係が多いのが助成金でそれ以外は補助金と区別されていることがほとんどです。
そのほかにも、
- 支給金額は補助金の方が大きい
- 申請期間は補助金の方が短い
- 財源については助成金が雇用保険料、補助金は税金
という違いもあります。
補助金のメリット
最大のメリットは、返済不要のお金が手に入るということでしょう。
まとまったお金が入ることで、店舗代や場所代といった大きな費用にも活用できます。
また、補助金の申請には審査が必要です。
そのための必要書類の作成を通して、自分自身の事業を客観的にとらえることもメリットといえます。
つまり、補助金を申請することで事業の不足部分に気づくことができ、より良い事業計画を作ることが可能になるのです。
補助金のデメリット
一方で、補助金が持つデメリットの一つに手続きの煩雑さがあります。
説明会への参加や書類作成、面談等を経て審査に通過しなければお金を受け取ることはできません。
時間もかかるので、すぐにお金が必要という方には現実的な制度ではないでしょう。
さらに補助金の申請期間は短く、1ヶ月程度しかない場合もあります。
メディアで取り上げたり広告を打ったりしているわけでもないので、各自治体のHPなどで探した上で迅速な手続きをしなければならないというハードルの高さは避けては通れないでしょう。
開業時におすすめする補助金5選
続いては、補助金にはどんな種類があるのかについて解説していきます。
今回は数ある補助金の中でもおすすめするものを5つ選出いたしました。
参考にしていただければ幸いです!
ものづくり補助金
正式名称を「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」といい、中小企業者や小規模事業者を支援するために作られた制度です。
・申請方法:電子申請(事前にGビズIDプライムアカウントの取得が必要)
・補助上限額:750万円~1億円(支援類型などによって異なる)
・補助対象経費:機械装置・システム構築費、技術導入費、運搬費、原材料費、外注費等
「通常枠」「回復型賃上げ・雇用拡大枠」「デジタル枠」「グリーン枠」の4つの枠が設定されているので、目的や方向性に応じて選択してみましょう。
事業再構築補助金
事業再構築補助金はポストコロナやウィズコロナといった激しい社会変化を耐え抜く中小企業を支援するための制度で、事業再構築をサポートします。
・申請方法:電子申請(事前にGビズIDプライムアカウントの取得が必要)
・補助上限額:500万円~1.5億円(支援類型などによって異なる)
・補助対象経費:建物費、機械装置・システム構築費、技術導入費、運搬費、原材料費、外注費等
「通常枠」「大規模賃金引上枠」「回復・再生応援枠」「最低賃金枠」「グリーン成長枠」の5つがあり、それぞれ従業員数によって補助金の上限が決定するというのも特徴です。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は、持続的な経営に向けた経営計画に基づく、小規模事業者等の地道な販路開拓等の取り組みや業務効率化の取り組みを支援しています。
商工会議所の管轄地域であることが補助金を受けるための要件です。
・申請方法:原則電子申請(GビスIDプライムまたはGビスIDメンバーのアカウントが必要)
・補助上限額:50万円~250万円(支援類型などによって異なる)
・補助対象経費:機械装置・システム構築費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費、借料等
商工会議所は起業や開業に関する支援を行っているので補助金以外でも何か困っていることがあればぜひ活用してみてください。
IT導入補助金
IT導入補助金は様々な経営課題を解決するためのITツール導入を支援するための補助金です。
対象者は中小企業や小規模事業者、個人事業主などになります。
・申請方法:電子申請(事前にGビズIDプライムアカウントの取得が必要)
・補助上限額:5万円~3000万円(支援類型などによって異なる)
・補助対象経費:基盤導入経費、消費動向等分析経費、その他経費等
インボイス制度など複雑な制度が増え、管理が以前より難しくなっているのが現状です。
そういったものを簡潔にするためにもIT導入補助金を活用してITツールを導入しようとする方は増えています。
創業補助金
全国の地方自治体が実施している創業者向けの補助金のことを創業補助金といいます。
都市部以外にも、石川県のいしかわ移住支援事業や愛媛県松山市の松山市個人事業主等活動支援補助金など各都道府県で特色豊かな補助金が用意されています。
各自治体で要項や申請方法、補助上限額、対象経費などが異なってきます。
ぜひお住まいの自治体をチェックしてみてください。
参考記事:創業融資・補助金活用術!違いの解説と創業時におすすめの補助金5選
その他、特定業種向けの補助金
今回ご紹介した補助金以外にも特定の業種で起業する人をターゲットにした補助金が用意されています。
映画、音楽、アニメーション、ゲームなどのクリエイティブ産業に従事する事業者や個人を支援するためのクリエイティブ産業補助金や地域の観光資源を活用して観光地の魅力を高め、地域経済の活性化を図るための観光地域づくり推進補助金など種類は様々です。
開業を考えている事業によってはその事業に特化した補助金制度があるかもしれません。
数ある補助金制度の中から自身に合うものを探すのは一苦労ですがしっかりと吟味する必要があります。
補助金の申請方法
では、実際に補助金を申請するにはどのようにしたら良いのでしょうか。
流れや手順についても確認していきます。
申請したい補助金を探す
最初はどんな補助金に申請するのかを探さなくてはなりません。
先に記した補助金の中でも、実施している団体や内容はまったく異なります。
補助金制度を探すには
- 中小企業基盤整備機構のサイトから検索する
- 中小企業庁のサイトから検索する
- 自治体に確認する
といった方法があります。
補助金の金額や申請期間、提出書類などもチェックしてどれが今の自分に最も合っているのかを選択しましょう。
必要書類の準備
申請したい補助金が決まったら、書類の準備に取り掛かります。
必要な書類は補助金によって異なるので、実施している団体のサイトなどで確認するといいでしょう。
応募書類として求められるのは主に下記の書類です。
- 応募申請書
- 事業計画書
- 事業要請書
- 見積書
事業の目的や課題を明確にすることで、分かりやすい書類を作成しましょう。
申請後の流れ
書類の準備が終わったら、提出をして面談が行われます。
業界についての専門家が面談を行うわけではないので、事業について誰にでも分かるような説明が必要です。
面談終了後、審査が行われ採択か不採択かが決められます。
無事に採択に至ったら、申請時に提出した補助事業計画に沿って事業を実施する必要があります。
補助事業終了後その日から起算して30日を経過した日又は最終提出期限のいずれか早い日(必着)までに補助事業の実施内容と経費内容(支出内容)を取りまとめた実績報告書を提出します。
その後、確定審査や補助金額の確定がなされ、それに合わせて請求書を作成し、提出をすることで指定した口座に補助金が振り込まれるといった流れになります。
また、補助事業の完了から1年後に「事業効果および賃金引上げ等状況報告」を文書等で提出が必要なので注意をしなければいけません。
補助金申請の4つの注意点
最後に、補助金を申請する際に気を付けなければならない点をお伝えします。
補助金を申請しようとされている方はぜひ参考にしてください。
申請条件の確認
補助金には、それぞれ申請条件が設定されています。
提出しなければならない書類や申請期間、申請方法もバラバラなので一つひとつ確認しなければなりません。
申請後に条件が合わないことが判明したというケースも考えられるので、時間の無駄にならないようにきちんとチェックしましょう。
期限の厳守
補助金の申請期間は短めであることが多く、なかには1ヶ月しかないというパターンもあります。
その期間も補助金によって異なるので、きちんと調べた上でルールに則って申請しておきましょう。
また、情報は日々更新されるので随時チェックすることをおすすめします。
資金の適切な利用
目的を持って申請しているはずなので問題ないと思いますが、採択されても別のことに補助金を使わないように気を付けてください。
また、せっかく苦労して受け取ったお金です。
受け取る前に計画を立てて、なるべくそれに沿った運用をして適切に活用しましょう。
補助金が入金されるまでに時間がかかる
補助金を申請し、採択されたらすぐに入金されるのかというとそうではありません。
入金されるまでに1年弱時間がかかってしまうのです。
実際に補助金の審査が通った方を例に説明していきます。
フリーの美容師として活躍するAさんは自分の美容室を立ち上げるために、1年前から顧客獲得や備品の確保、資金調達に努めていました。
準備中に自身が思い描いていた物件を見つけたのですが、契約をすると開業後の運転資金がなくなってしまうぐらいAさんにとっては高額な物件だったのです。
そんな時、小規模事業者持続化補助金という補助金があることを知ったAさんはこの補助金を申請することにしました。
1月に制度を知り、書類作成等に1ヶ月ほどかけ、2月に申請。2か月経った4月に採択の連絡がきました。
それから補助事業を約半年行い、制度を知ってから約9か月後に入金の確認が取れました。
資金繰りをしながら事業を行っていたので何とかなっていましたが、想像以上に入金までに時間がかかったとAさんは仰っていました。
この様に補助金は入金までに時間を要します。
スケジュールを組み、計画的に行わなければいけません。
まとめ
補助金は融資とは異なり返済も不要なことが多いので、開業する際の資金調達には非常に有効です。
ただし、交付されるまでには書類審査や面談などさまざまな壁があります。
分からないことや不安なことがいくつも出てくるかもしれません。
そんな時におすすめなのがCEOパートナーです。
開業や独立に強い税理士を紹介するというサービスを行っています。
補助金申請のための書類作成もすべて任せられるので、審査通過率もアップするというのもメリットの一つ。
相談するだけなら無料なので、一度連絡してみて損はなさそうですよ。
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