いつまで現場で汗を流しているんだろう…。
もっと自分の力を試してみたい、自分のビジネスを持ってみたい。
でも、建築土木の職人から実際に独立するって、どうやったらいいのか分からないことだらけで不安だらけですよね。
この記事ではそんなあなたが抱える「どう始めたらいいの?」という大きな疑問に答えます。
独立して年収アップ、自分の時間を自由に使えるようになるための具体的な第一歩を、今から一緒に踏み出しましょう。
職人として独立は3種類
職人として独立して仕事をするには3種類の形があります。
1つずつ紹介していきますので、自身の理想の働き方や稼ぎ方を考えてみてください。
一人親方は個人事業主
一人親方としての働き方は、個人事業主です。
個人事業主とは法人を作らず個人として仕事を受けて働く形態です。
一人親方の年収は職種や活動地域にもよりますが、例として建設系の場合ですと330~340万円程度と言われています。しかし、スキルや顧客との信頼を築くことで人によっては1000万円以上稼ぐことも可能となります。
会社員として働いて給与をもらうよりも安定感はなくなりますが、頑張り次第では大きな収入を得ることができます。
また、個人事業主として働く際には開業届の提出や青色申告はしておくようにしましょう。
これらは絶対にしなければいけないと決められているわけではありませんが、開業届・青色申告をしないことで確定申告の際に税制優遇が受けられないので提出しないと損です。
フランチャイズ
近年ではフランチャイズでスタートできる業界も広がっており、職人もフランチャイズでの独立が可能です。
フランチャイズのデメリットとして月額数万円~30万円程度のロイヤリティが発生します。
安くないロイヤリティがかかってしまいますが、一方で本部からノウハウの提供やサポートが受けられるメリットがあります。
元々ブランド力があるため、集客に対してハードルが低くなります。
独り立ちしたいけど、営業に自信がない人におすすめの独立方法です。
オーナー会社
個人事業主などで軌道に乗っていくと法人化して自分がオーナーの会社を作るという道もあります。一人親方が法人化すると下記のメリットがあります。
- 税制面の優遇措置がある
- 対外的な信用力がある
- 経費として処理できるものが増える
- 損害賠償の責任範囲が有限になる
一方、法人化のデメリットは手続きが増えることです。会社を作るにあたって法人登記、定款の処理、資本金の払い込みなどが必要になります。また、職人系の起業の場合は施工管理技士の資格や、建設業法における建設業の許可も必要になります。
税負担などの面では年収1000万を越えると法人化したほうが有利だとされています。
これは年間の売上高が1000万円以上だと消費税の納税義務が発生し、法人化したほうがその負担が軽くなるためです。年収1000万の大台を超えれば会社を作って社長になりましょう。
職人の独立に向いている人・向いていない人
独立すると会社員時代よりも収入を上げることができる場合もありますが、収入が下がってしまうこともあります。
そもそも自分が独立に向いているのかをチェックをしていきましょう!
逆に独立に向かない人の特徴についても解説していきます。
成功者の持つ3つのスキル
独立して成功する人の特徴としてコミュニケーション能力・ニーズ理解・時間管理の3つの能力に長けているということがあります。
1つ目のコミュニケーション能力とは、ここでは顧客と人間関係を築く能力のことです。
顧客からしても丁寧に対応してくれる印象の良い人には仕事を頼みたくなります。
丁寧な顧客対応をすることや無理な押し売り的な営業をしないことを心がけて関係づくりをすることが大切です。
2つ目のニーズ理解とは、コミュニケーション能力とも重なってきますが顧客の要望を汲み取る力のことです。
独立して仕事をする場合、自分で営業活動をする必要があります。
営業、ヒアリングの中で顧客が伝えたい間取りやを素早く理解し、また理想的な形を言葉にする能力が顧客からの信頼につながります。
3つ目の時間管理については自分で自分の時間をコントロールしてきちんと仕事をこなしていく力です。
独立すると本業とは別に事務作業や営業活動などもしていかなければいけません。
その複数の仕事をこなしていかないといけないので時間管理が下手な人は独立に向いていないと言えます。
独立しても稼げない人の特徴
また、会社員は基本的に会社の決めた勤務時間で上司に割り振られた仕事をしますが、独立するとある程度仕事量や仕事のペースを自分で決めることが可能になります。
そのため、怠け癖がある人の場合だとだらだらと無職のような暮らしになってしまう危険もあります。
独立しても稼げない人の特徴として、技術的なスキルや業界知識が未熟であること、自己管理が苦手で怠ける傾向にあること、そして営業活動に対して苦手意識を持っていることが挙げられます。
これらはいずれも、独立後の収入向上やビジネスの拡大に大きな障害です。
特に営業は新規顧客を獲得し、ビジネスを成長させるためには欠かせない要素であり、これに苦手意識を持っていると独立後の成功が難しくなります。
独立後の年収を職種別に解説
職人と言っても様々な種類があり、独立後の収入も様々です。
ここでは職人の職種別の独立後の年収について解説します。
鳶職
高所作業を中心とする鳶職ですが、一番多い足場鳶で日当1~2万数千円程度と比較的高めの給与です。
安全面に気を配らないといけない職種ですので独立する際やさらに人を雇う場合には高い経験値が必要となります。
目安として独立した鳶職の方は600万円程度稼いでいることが多いと言われています。
設備屋
設備屋は日当で2万円程度と高めの給料ですが、一人前になるまで収入が低い傾向にあります。
また独立した場合、会社員よりも稼げる可能性は高いですが、電気・空調・衛生などの様々な設備の種類があり、広い種類をカバーできるのかどうかなどでも収入が変わってきます。
内装屋
建物の壁や床、天井の仕上げを行う内装業の場合、会社員で年収が430万円程度です。
一方、独立した場合は平均年収が500~700万円程度と言われています。
住宅やオフィスのリフォーム・リノベーションの需要がなくなることは考えにくいですから、今現在内装業で働いている方は積極的に独立を考えてみても良いと思います。
造園
造園業の個人事業主の平均年収は700~800万円程度です。
一方、造園業の会社員の平均年収は高めに見て450万円程度と言われています。
なので、十分な経験値があれば造園業は積極的に独立を考えて良い分野と言えます。
配管工
ガスなど設備の配管工の設備の平均年収は600~700万円程度と言われています。
こちらも安定的に需要がある職種なので独立しやすい職種です。
建物を建てる際に配管はどうしても必要のため、今後も需要が高い分野であります。
独立する前に配管技能士・給水装置工事主任技術者などの資格取得することによって、報酬を上げることが可能です。
電気工事士
個人事業主の電気工事士の平均年収は600万円程度です。
電気工事士の場合、エアコンの取り付けや取り外しが単価が高く、そのため季節によって収入のばらつきがあるのでその点は注意が必要です。
大工
大工とは設計図を基に木造の建造物の建築・修復を行う職業ですが、家屋大工、宮大工、船大工など種類は多岐にわたります。
そのため、一概に年収が同じではありませんが、平均年収は500万円~600万円だといわれており、独立することによって収入が上がる可能性があります。
特別な資格こそ必要ないですが、設計図を読み取る力やミスのない作業、時には他の職人に指示を出すコミュニケーション能力が必要になります。
溶接工
溶接工は個人事業主の場合だと平均年収700万円程度で、人によっては1000万円を超えることもあります。
また、溶接工の個人事業主として年収を高めるには、資格を取ることも大切です。
一人親方として成功するための戦略
一人親方として活躍するには自分で顧客を獲得する必要があります。そのためのポイントを解説します。
営業・交渉スキルを身に付ける
独立後は自分で営業をする必要があります。
営業や話すことが苦手だと独立後にも仕事に困ってしまう可能性は高いです。その点、時には勇気を出して飛び込み営業という意気がある方は強いです。
一方、最近は営業代行などのサービスやエージェントもあり、やはり営業をかけるのが苦手であれば営業の代理のサービスを利用しましょう。
人とのつながりから仕事獲得
独立の際には人とのつながりを大切にしておきましょう。
また、独立前であれば今働いている会社での人間関係も疎かにしないように。
仕事は人によって作られます!仕事が無くて困っている人は、人とのつながりを見直してみましょう。
現在の職場で信頼関係があれば独立後にも仕事を依頼してもらえたり困った時に助けてもらえることもあります。
資格を取得して単価を上げる
スキルや経験の他に、国などに認められた資格を取得することも収入アップにつながります。
資格を持つことによって、あなたを初めて見た人でも、どのようなスキルを持っているのか一目で分かるからです。
現場によっては特定の資格の保有者が規定以上いなければならない場合も少なくないので、難関資格を持っていれば高い収入を望めます。
独立開業に必要な手続き・事前準備
ここでは独立前・独立後にしておくべき手続きについて開設していきます。
結構たくさんあるので面倒に感じてしまうかもしれませんが、一つ一つは簡単ですのでご安心ください。
また、クレジットカード作成などは会社員のうちにやっておく必要があるのでそこは注意です。
開業届の提出から事業用口座の開設まで
独立するとまず開業届の提出と事業用口座の開設を行っておきましょう。
開業届は基本的に開業後1か月以内に提出する義務があり、最寄税務署で手続きする必要があります。しかし、1か月を過ぎていても提出できますのでもし今まで提出し忘れていた場合でも提出しましょう。
開業届を出さないことで税の控除が少なくなったり、助成金が受けられないなどのデメリットがあります。また屋号がないことが顧客からの不安感に繋がるので開業届は出しましょう。
屋号名のついた事業用口座も作っておくと顧客からの安心感が増します。
顧客から見ても振り込み先が会社名ではなくて個人名だというのは不安になるものです。また、仕事とプライベートで口座を分けて置いたほうが経費の振り分けなどの手間も省けます。
労災保険、年金、健康保険への加入方法
個人事業主は労働者とはみなされず、会社員と同じ通常の労災には入れないため労災に入る場合は特別加入制度に入る必要があります。労災に入っておくことで仕事ができなくなるような大きな病気や事故などの対策になります。
国民年金への加入は退職後の14日以内に役所で行ってください。年金を払わないと、将来受け取る老齢年金や事故などで障害がを受けた場合の障害年金が受け取れなくなる場合があります。
加入手続きに必要な持ち物は以下です。
- 退職日がわかる証明書
- 基礎年金番号がわかる物
- 本人確認書類
国民年金への加入手続きをしていなくても、退職日の翌日から自動的に国民健康保険に加入しているとみなされ、後日国民健康保険料が請求が来ます。
また、健康保険も退職後14日以内に役所で手続きする必要があります。健康保険に加入する際に必要なものは下記です。
- 健康保険を抜けた証明書
- 世帯主と加入者のマイナンバー
- 届出者の本人確認証
- 口座振替用キャッシュカード
会計ソフトの導入
青色申告後は会計ソフトを導入しておきましょう。
会計ソフトがあると手作業に比べてミスなく正確に、かつ楽に会計ができますので導入しておくことがおすすめです。また、税制への対応をソフトが自動で行ってくれる点も便利です。
また、ソフトを使用しておくことで事業の収支など問題点も分析しやすくなります。
事業用クレジットカードの作成
会社員を辞める前にクレジットカードは作っておきましょう。
独立すると会社員時代よりも収入面が不安定になるためクレジットカードからの信用評価が低下するのでクレジットカードが作りにくくなります。
また、事業用カードを作っておくと事務作業や振り込みなどの作業が楽になりますので事業用カードも作っておきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
十分なスキルや経験がある職人は独立することで今までよりも大きな収入を得ることができます。しかし、個人事業主は自分で営業等も行わないといけないのでコミュニケーションや時間管理に不安がある場合は注意が必要です。
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