起業するなら田舎もアリ!知られざる魅力と成功する秘訣を伝授

近年のコロナ禍の影響で在宅ワークが増えている方も多いのではないでしょうか。
そういった影響もあってか地方移住しその土地での起業を考えている方、実際に起業されている方が増えています。
確かにリモートワークであればどこでお仕事しても同じですよね。
しかし実際対面したり出社を必要とするお仕事が田舎でできるのか不安な方も多くいらっしゃると思います。
でも安心してください。
田舎での起業はメリットがたくさんあります。
今回はそんな田舎でのビジネスを成功させる秘訣を伝えていきます。

目次

1:田舎で起業するメリット

都心・田舎問わずその場所でビジネスをするメリットがなければしませんよね。
ましてや起業などという一大決心なら尚更です。
ここでは田舎で起業するメリットをお伝えします。

1-1 開業資金が安い

総務省が2021年9月に発表した「消費者物価地域差指数」によると、物価水準が最も高いのは東京都、最も低いのは宮崎県だそうです。
2019年と比較すると、物価水準の地域差はやや拡大しているとのことですが、起業に関しても、地方で開業した方が諸々の初期費用も安く抑えることができます。

1-2 固定費が安い

固定費の中でも一番割合が大きいのは、住居費です。
総務省統計局「平成30年住宅・土地統計調査」によると、1か月あたりの家賃・間代は、

1位:東京都(81,001円)
2位:神奈川県(68,100円)
3位:埼玉県(59,358円)
4位:千葉県(57,421円

となり、首都圏4都県が独占しました。
下位を見てみると、

44位:秋田県(39,404円)
45位:宮崎県(38,353円)
46位:青森県(38,264円)
47位:鹿児島県(37,863円)

こうして比較すると、1位の東京都と47位の鹿児島県とは、実に2倍以上の差があることに驚かされます。
固定費を少しでも安く抑えたいのであれば、地方での起業を断然おススメしたいところです。
利便性やアクセスの良さなどでは都市部に劣るかもしれませんが、住環境的要素(住まいの快適性や住み心地)は、地方都市の方が良い場合もあります。
地方の中でもさらに郊外(田舎)となると、場所によっては地代家賃もさらに抑えることができるでしょう。
事業規模を拡大していくと新たに人を雇う必要性も生じるかと思いますが、田舎の方が都会と比べて最低賃金が安いので、人件費も抑えられます。

1-3 競合が少ない

都市部と比較すると競合が少ないため、業界職種によってはその地域のシェアを独占することが可能です。
しかし、必ずしも競合が少ない=成功するというわけではありません。
地域によっては、昔から根付いている風土風習、慣習があるため、新たなサービスや商品がなかなか受け入れられないという場合もあります。

1-4 助成金・補助金制度がある

前項で述べた各種助成金や補助金制度が使えます。
内容は自治体によって異なりますが、要件を満たすのであれば、これらを活用しない手はないでしょう。

関連記事:【決定版】創業融資で資金不足を一発解決!最大3000万円融資も

1-5 集中して仕事ができる

どの業界職種にも言えることですが、毎日締め切りや時間に追われ、中には残業が常態化している会社もあります。
強いて挙げるなら、通勤時のラッシュや交通渋滞も、何気に気力・体力を消耗しますよね。
では、地方の場合はどうでしょうか。
少なくとも、東京都市部のような通勤ラッシュや交通渋滞などは殆どありませんし、仕事をしていても、人があくせくしている様子はあまりなく、時間の進み方も比較的ゆったりと感じられます。
これが自然の多い田舎であれば、休日は海や山などアウトドアに出かけたりもできますよね。
総じて心身共にリラックスした生活が送れること間違いなしでしょう。

2:田舎で起業するデメリット

メリットに反して田舎で起業する際のデメリットも少なからずあります。
良いところばかり追っていざ田舎でビジネスをしたら思いもよらぬ落とし穴が、なんてことにならないように事前に知っておきましょう。

2-1 大規模な集客ができない

日本は今、かつてないスピードで少子高齢化が進んでいます。
また、若者が田舎から都会へ流出し、地域によっては過疎化も進行しつつあります。
そのため、地方(とりわけ田舎)で起業した場合の課題となり得るのが集客です。
業態によっては、そこに住む人や地域性を考慮しなければならない場合もあると思います。
起業する際、「誰を対象にした事業(サービス)なのか」を明確にしておく必要があるでしょう。

2-2 人伝の情報が遅れる

都会と田舎とでは、情報の量・質ともに大きな格差があります。
東京の場合、多くの情報がテレビやネット、SNSなどを介して飛び交っていますが、地方の場合、情報の量や質は東京のそれと比べると限定的と言えます。
地方の中でも田舎となるとその差はより顕著であり、場所や人によっては、情報の基が未だテレビや新聞などを通じて、或いは人を介して伝聞されているなどもあります。

2-3 対面での打ち合わせが大変

地方だと交通手段の主が車であることも多いと思いますが、時として都市部などに赴いて対面で打ち合わせなどをする場合もあるかと思います。
この場合ネックとなるのは、移動時間、移動手段と、それに伴う交通費ではないでしょうか。
固定費が抑えられるからと田舎で起業したはいいものの、事業の性質上、頻繁に都市部に赴く必要性があるとしたら、事業そのものを見直すか場所を都市部の近郊に移すなど、何らか対策を講じる必要性があると思います。

3:田舎で起業するのに向いている業種

田舎でビジネスをする際はその土地の特徴に合った事業をするというのが鉄則になります。
都会ではなく田舎だからこそ成功するビジネスをいくつかご紹介します。

3-1 飲食店

料理の腕や味に自信があり、全国どこでもお店を開けるのが飲食店の大きな魅力です。
田舎であれば都会と比べて地代家賃も安く抑えられますし、広い場所も確保できます。
場所によっては新鮮な海の幸山の幸が手に入り、質・量ともにクオリティの高いものを提供できるでしょう。
近隣に競合店などがなければ、その地域のシェアを独占することも夢ではありません。

3-2 ネットショップ

ネット環境さえ整っていれば自宅でも開業できるため、固定費の安い地方で起業すれば、上述の飲食店と同じく、固定費を安く抑えることができます。
田舎で起業する場合のデメリットである集客も、ネットショップであれば24時間365日稼働しており、全世界に向けて門戸が開かれているため、やり方次第によってはさほど苦労はしないでしょう。

3-3 農業・漁業・林業

いずれの業態も、「高齢化とそれに伴う担い手不足」という課題を抱えています。
そのため、農水省は就農者に対する支援制度を拡充しており、現行制度では最大1,000万円の補助金を受け取ることができます。
調べてみると、いわゆる「生産者」として起業する方法もあれば、周辺ビジネスとして起業する方法もあるようですね。
特に後者はマーケティング、商品企画、ブランド戦略など多岐に渡っており、従来の生産者が苦手としていた分野でもあるため、これらに精通した方であれば大いにチャンスのある分野だと言えるでしょう。

3-4 デリバリー・訪問サービス

少子高齢化が進んでいる日本では、今後間違いなくニーズが高まる業態でしょう。
特に田舎では、過疎化によって公共交通機関の存続すら危ぶまれている地域もあります。
そうした地域において、デリバリーや訪問サービスは、生活インフラを支える事業として地域に根差す可能性があると言えます。

3-5 ものづくり

日本の製造業は近年、海外製品に押され気味で、かつての勢いを失いつつあります。
近年はデジタルトランスフォーメーションにより、様々な業界でAIやIoTといったテクノロジーが導入されていますが、この業界ではまだまだ浸透していないというのが実情のようです。
これら課題をビジネスチャンスと捉え、「課題を解決する」という名目での起業も増えているようです。

3-6 便利屋

起業を志しているものの、自分は一体何が向いているのか分からないのであれば、便利屋として起業し、様々な業態に触れるのも一考ではないでしょうか。
便利屋と聞いて思い浮かべるのは、引越、運送、不要品の回収・処理、雑務などですが、近年はそれだけでなく、買い物代行、家事代行、話し相手、同行など、多岐に渡っているようです。
徐々に何らかの専門分野に特化する、それに必要な資格を身に付けるなどすれば、他者との差別化、優位性が保てるのではないかと思いますし、そもそもが地域に必要とされるサービスであれば、受け入れられるのもそう難しくはないでしょう。

4:田舎でのビジネスで成功する秘訣

当たり前と言えば当たり前ですが、住む場所が違えば人も当然違います。
地方でのビジネスで成功するためには、いくつか秘訣があります。
飲食店を例に、秘訣を考えてみました。

4-1 その地域の特徴を把握する

マーケティングの項目で少し触れましたが、起業するにあたって、競合他社や地域の特性などを調べることは、とても重要です。

飲食店で起業する場合、調べる項目は多岐に渡しますが、いくつか挙げるとすれば、

①立地(人が集まる場所かそうでないか。住宅地域か商業地域かなど)
②地域住民の特性(男女比や年齢層、シングル、カップル、友人同士、家族構成など)
③近隣に競合となる店があるか(同じ業態か違うジャンルか。価格帯、量や味はどうか)
④仕入先は確保できるか
⑤曜日や朝昼夜毎の人の動態

などでしょうか。

それらを基に、競合他社と同じ土俵で戦うか、違う土俵で勝負するかを決定します。
競合他社と比較して自店に優位性が認められれば、勝機があると言えるでしょう。
劣るのであれば、違うジャンルで勝負するか、違う場所に出店するかなど、方法はいくらでもあります。
じっくり時間をかけて戦略を練りましょう。

4-2 インターネットの活用

今の世の中、インターネットをうまく活用することがビジネスで成功するための必要十分条件です。
飲食店の場合は、自店のHPがあるかないかも、顧客がお店を選ぶ上での大きな要素となります。
また、ぐるなびやホットペッパー、食べログなどに掲載する(される)ことは、その店の宣伝広告になるとともに、付加価値を高めます。
しかし、単にそれらを通じて発信した、掲載した(された)だけでは、意味がありません。
飲食店でたまに見かけるのが、初めのうちは精力的に内容も更新されていたのが、やがて更新頻度が徐々に減り、しまいには数年前の更新で滞ってしまっていることです。
初めてのお客様目線で見ると、ネットで調べた際に「あまり評判が良くないのかな」「美味しくないのかな」などと考えてしまい、かえって顧客獲得の機会を損失しているようにも思います。

4-3 SNSの有効利用

インターネットの活用と合わせて利用したいのが、SNSの活用です。
前述の通り、単にインターネットを通じて自店の情報を発信した、掲載した(された)だけでは、意味がありません。
お店のHPを見てもらうには、そこに至るまでの導線が必要です。
そのためには、SNSを通じてお店の名前やジャンル、場所などのキーワードをちりばめて発信し、より多くのユーザーの目に留まる工夫をする必要があります。
田舎だとインターネットやSNSを活用する機会が少なく、そもそもの必要性を感じていない方も相応にいらっしゃるかもしれません。
しかし、田舎という限られた人口の中でさらに集客の幅を広げたいのであれば、インターネットとSNSの活用は必須と言えるでしょう。

4-4 地域の人とのコミュニケーション

地方の場合、場所によっては住民同士のつながりが濃く、えてして「保守的」であったり、「よそ者を受け入れない」風土が醸成されているところがあります。
また、地域特有のルールやしきたり、人付き合いなどもあります。
これら「ローカル事情」は、現地に行って初めて気が付くこともあるでしょうが、都会から地方に移住してきた人々が上手く馴染めず、最終的にその土地を離れる要因ともなっています。
地方で起業する場合は、その土地や地域住民との関わりの度合いが、事業の成否を決めると言っても過言ではないでしょう。
そう考えると、都会で暮らす以上に、田舎では人とのかかわりを積極的に持つ、相手に合わせるなどのコミュニケーション能力が必要だと言えます。

4-5 口コミで広げる

今も昔も、口コミはそのお店の認知度を高めたり、集客に付与するなど、一定の影響力があります。
そして同じ口コミでも、都会と田舎ではその影響力に大きな差があります。
数は都会の方が多くても、その内容や影響力は、田舎の方が大きいと言えるでしょう。
良い内容の口コミであればお店にも好影響を与えますが、反面で悪い噂も一気に広がります。
田舎であれば地域住民全てに知れ渡り、その土地に居づらくなるということも起こり得ますので、なるべくなら悪い噂や口コミは広げたくないものです。

5:地方移住で助成金が使える

「東京一極集中」という言葉が示す通り、政治・経済・文化・人口など、社会における資本・資源・活動は、東京都とその近県に集中しています。
しかし、コロナ渦の影響に伴い、その弊害が声高に叫ばれるようになりました。
生活様式の変化やリモートワークの普及に伴い、これを機に地方へ移住を検討する人が増えています。
そして国や地方自治体も、移住に際しての各種助成や補助に力を入れています。

5-1 地方創生推進交付金

地方公共団体を対象として交付されるものです。
申請するにあたって、各自治体が地域再生計画を作成し、内閣総理大臣の認定を受ける必要があります。
上記サイトを見てみると、各自治体が地方創生において取り組むべき課題や施策などが見て取れます。
自身の起業でやりたいことや目指すべき方向性が一致しているのであれば、その自治体への移住も含めて検討すべきではないでしょうか。

地方創生総合サイト ※参考サイト

5-2 各地域・行政の助成金や補助金

内閣府では現在、地方へ移住、起業する方に対し、最大300万円(単身の場合は260万円)の支援金を支給しています。
他にも、移住者に対する住宅ローン金利引き下げ、採用活動の経費一部助成、開業資金の利率引き下げなどもあり、これらを活用することで、より地方での起業により前向きに取り組めると思います。
地方創生支援金サイト ※参考サイト

5-3 新創業融資制度

地方で起業するにあたっては、ある程度実績を作ってから移住し、起業する方が成功確率は上がると思います。
まずは小さく起業し、それなりの実績と手ごたえが掴めたのであれば、そこから規模を拡大していくのも一考です。
新創業融資は「新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を2期終えていない方」が対象となります。
該当するのであれば、活用しない手はないでしょう。
関連記事:創業融資のおすすめはこの5つ!自分にぴったりの創業融資がわかる

※新創業融資制度は2024年3月31日をもって終了しました。

6:地方移住者が増加している理由

なぜ今、地方移住者が増加しているのでしょうか。
単にビジネスだけの理由ではなく違う側面もあります。

その理由と現状を見ていきましょう。

6-1 自然環境に恵まれたところで仕事がしたい

コロナ過によって生活様式が様変わりしたのは周知の通りですが、仕事においても大きな影響がみられました。
以前であれば、満員電車に揺られながら片道1時間2時間かけて会社に通うのが当たり前だったのが、リモートワーク導入によってその必要性がなくなり、その影響は今でも続いています。
私の知人経営者は、月に数回だけ出社し、残りの日々は必要に応じてリモートでやり取りしながら、実に悠々自適の日々を過ごしています。
彼曰く「会社に出社する必要性がなくなれば、わざわざ高い家賃を払ってまで都会に住み続ける理由がない」とのこと。
そうなるとより良い住環境を求め、やがて地方へ移住するという流れは、容易に想像がつきます。

6-2 子育ての環境も良い

所帯を持つと、住環境だけでなく子育て環境も重要となります。
都会と田舎を比較するとそれぞれ一長一短はありますが、住環境として自然に恵まれていること、落ち着いてのびのびとした環境という点では、田舎に軍配が上がるでしょう。

6-3 ゆっくりマイペースに仕事ができる

多くの仕事には、期日や締切、ノルマなどが設けられています。
それらの多くは自分ではなく、先輩や上司、或いは会社が設定したものであり、それを達成するために四苦八苦している方が多いと思います。
起業したとしても、仕事をする以上は期日や締切、ノルマがあることに変わりはありません。
しかし異なるのは、それらは他者なり会社が決めるのではなく、自分自身が決めることではないでしょうか。
したがって、自分のペースで忙しく働くこともできれば、ペースを落としてゆっくり仕事することもできます。
他人からの束縛や干渉を嫌う人にとっては、起業は最適な方法であると言えます。

まとめ

ひと昔前は、若者の多くが、都会での暮らしに憧れていました。
背景には、田舎だと希望する業界や職種に就けず、賃金もそう多く望めないことや、都会での華やかな生活、そして自己のさらなる成長などがあるようです。
しかし、都会での生活が長きに渡ると、むしろ地方や田舎でのスローライフに憧れるというのも、分からなくはありません。
私の知人は転勤に伴い、東京から大阪、さらには福岡へと移り住み、3年前に東京へ戻ってきましたが、「仕事は東京の方が沢山あるしやりがいもあるけど、住むなら地方が断然いい」と事あるごとに言っていました。
国も自治体も東京一極集中を是正するため、地方への移住を促していることから、個人的には、今後この流れがさらに加速し、ひいては地方の活性化につながればいいなと思っています。
起業に関しては、現状都市部と地方、都会と田舎とで、格差・温度差があります。
都会で成功した(流行った)ものが田舎でも受け入れられるかと言うと決してそうではなく、「この商品(サービス)は都会で流行っているから、田舎でも流行るだろう」という安易な発想は、高い確率で失敗します。
地方や田舎で起業を志すなら、単に自分がやりたい業界職種ではなく、地域の実情に照らし合わせる必要性があると思います。

そしてその地域における問題や課題を解決するという姿勢が支持され、受け入れられるのではないでしょうか。

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この記事を書いた人

3年前に現在の会社を設立した起業家兼スポーツジム通いが日課の独身です。起業や創業融資に関するお悩みは全てCEOパートナーにお任せ。

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