「事業計画書」とは事業の内容(動機や目的)であったり、必要な資金とその資金の調達方法、事業の見通しなどを細かく記載した計画書の事です。
この事業計画書、必ず書かないといけないのかと言われるとそういうわけではありません。
起業時に事業計画書の作成を義務付けられているわけではないので書かなくとも問題はないのです。
ですが書いた方がその後のためにはなります。
とはいっても事業計画書を書くのにも時間や労力がかかりますよね。
そんな時は事業計画書の作成を誰かに依頼してみてはいかがでしょうか。
本記事では事業計画書を書くメリットや代行会社などに作成を依頼する時の流れや金額の相場、依頼をするメリットとデメリットをご紹介していきます。
記事の最後には代行会社を選ぶ際の3つのポイントもご紹介しているので、事業計画書を依頼しようか悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください!
事業計画書は書かなきゃ損!3つのメリット
事業計画書を作成する義務があるわけではありませんが、書くか書かないかで言えば間違いなく書いた方がいいです。ここでは事業計画書を書くメリットを解説していきます。
事業を客観視できるのでやるべきことが明確になる
事業計画書を書くメリットの1つ目は、創業者自身の目的を明確にできることです。
自身の事業でこういうことをしたいという目的意識を言語化することで、事業に対する解像度を上げてよりくっきりとした形で目標を持つことができます。
また、事業計画書の作成の中で、自身の事業がどういう形で消費者や地域社会などに貢献できるのかという、事業の社会的意義について見直すことができます。
就職や転職でも自己分析やキャリプランを考えることがありますが、創業となるとより多くの関係者を巻き込む活動になります。
なので将来どういう活動を展開していくのか人に説明できるようにブラッシュアップする時間が必要です。
更に、実際に事業をしていくと最初は予想していなかったトラブルが付き物です。
メンバーの入れ替わりがあるかもしれませんし、原材料や設備などの調達が滞ることもありえますし、思っていたよりも顧客の反応がよくないということもあるかもしれません。
そういう不測のトラブルに直面した時、事業の解像度が高いほど問題を整理して対処しやすくなると言えるでしょう。
事業を通じての目標をメンバーと共有することや、いざトラブルに見舞われた時の問題解決のために自分の考えを整理できることが事業計画書の1つ目のメリットです。
事業管理をして利益低下を防ぐことができる
2つ目のメリットは自身の事業のビジネスモデルを見つめ直して収益構造を見直せることです。
お金は企業にとっての生命線です。
収益性事業にとって最も大切なことの一つだと言えます。
目の前の資金繰りに追われていて駆け回っているような状態では落ち着いて本業に専念することができません。
ある程度利益に余裕を持って初めて、商品開発やサービスの向上に集中できますし、商品やサービスの品質が高くなることで利益率も高くなるという好循環につながります。
どこで売り上げを得て事業にとって無駄なコストを省くのかという収益構造を確保しておくことが、結果的に良い事業を作るということへの近道ともなると言えます。
資金の流れを把握し資金調達を有利に進めることができる
自社内のお金の動きを整理し、資金調達を成功させられることが事業計画書を作成する3つ目のメリットとなります。
事業を展開するためには銀行や投資家など出資者の支援を得て資金を調達する必要がありますが、もちろん出資者は出資した以上のお金を回収する必要がありますので資金の使われ方についてはシビアになります。
融通してもらった資金を適正に運用していることがわからないと資金調達は難しくなってしまうでしょう。
事業計画書の作成を機会に、投資家からの信頼が得られる透明性の高い組織作りを目指していきましょう。
関連記事:資金調達は5種類!高額・スピード・返済不要の資金調達TOP3
代行会社へ依頼した際の流れと注意点
事業計画書は自分で作成する方法と、代行会社に依頼する方法があります。
自分で作成することも可能ではあるのですが、基本的には業者に依頼することをおすすめします。
ここでは事業計画書の作成を依頼する時の流れと注意点を解説していきます。
おおまかな流れ
事業計画書の作成の依頼の流れは書類作成のみを依頼する場合と、融資や経営のサポートまでを依頼する場合で別れます。
いずれの場合もヒアリングから始まる点は同じです。
ヒアリングは対面や電話の他にメールやチャットアプリが使われます。
サービスが事業計画書の作成のみであれば作成後に依頼者が書類をチェックして終わりですが、経営サポートまでがサービスに含まれている場合は融資終了まで、あるいは長期間のコンサルティングが受けられます。
相場は10万円~15万円
業者によって金額は変わるのですが概ね10万円から15万円程度の範囲であることが多いです。
5万円程度で代行を請ける業者もありますが、極端に料金が安い業者では体裁だけ揃えて事業計画書の内容をあまり見ていないということもあるので、安すぎる業者には注意が必要です。
基本的には10~15万円程度の一般的な金額の業者に依頼することにしましょう。
また、固定料金の場合もありますが、資金調達までがサービスに含まれている場合は調達した金額の数%が成功報酬とされていることもあります。
数千万円から1億円単位の大きな金額の補助金の場合、数%でも大金になってしまいますから報酬としていくら支払う必要があるのかなど契約をよくチェックするようにしましょう。
関連記事:事業計画書の作成費用は10万円から!無料相談ならCEOパートナー
20時間から120間と作成時間はピンキリ
事業計画書の作成を代行業者に依頼した場合、かかる時間は20時間程度から120時間程度までと言われています。
作成にかけた時間の量が補助金の採択率などに影響することもあり、極端に短い時間で作成することはリスクがあります。
一例としてものづくり補助金総合サイトは事業計画書の作成にかけた時間ごとの採択率を公開しており、作成時間が40時間未満においては採択率が50%以下になっています。
また、ものづくり補助金における加点項目など、補助金の採択率を左右する要素に関してPRが十分にできていないと申請が通らない可能性が高まります。
きちんと採択される書類を作るにはある程度の時間をかける必要があります。
一方で120時間以上の時間をかけた場合においても採択率が45.6%と低めの結果になっているため、必ずしも時間をかければかけるほど良いと言えない点は注意が必要です。
また、申請のタイミング別に採択率を見ていくと、締め切りの4日程度前に申請をした事業者が採択率が高く50%を超えています。
補助金や融資は一度審査に落ちてしまうと次回以降の審査にも響いてしまうことがあるなどリスクがあります。
なのでミスやPR漏れがないように丁寧に事業計画書を作ることはとても大切ですが、作成時間は40時間~120時間がベストで締め切りの4日以上前の提出を目指すといいでしょう。
事業計画書を依頼するメリットとデメリット
ここでは事業計画書を依頼するメリット4つとデメリット3つを詳しく解説します。
このメリットとデメリットを予め踏まえた上で事業計画書の依頼を検討してください。
作成の手間を省くことができる
1つは書類作成の手間を省くことができることです。
事業計画書の作成はとても手間のかかるものですから、他者に依頼して手間を省くことで本業に集中することが可能になります。
事業計画書に時間をかけすぎて本業が疎かになってしまっては意味がないので手間を省けるというのは大きなメリットでしょう。
細密に書かれた事業計画書ができる
2つ目のプロに依頼することで綿密な事業計画書を作ることができることです。
自身で作成すると粗のあるものになりかねません。
もちろん自身で作成しても綿密に作成することは可能でしょう。
しかし、なんの情報を基にすればいいのか、そもそもその情報は信用できるものなのか、どこまでの計画を立てて、どう進めるべきなのか、その結果どんなことが予想されるのか。
初めて事業計画書を作成するとなるとそういった点で悩むことが多いかと思われます。
プロに依頼をすることで豊富な経験や知識を基に計画書を作成してくれるので綿密な計画書になります。
計画書は綿密であればあるほど目標や問題点が明確化されたり、流れを把握しやすくなったりとメリットは多数あります。
そういった意味でも事業計画書はプロに任せた方がいいと言えます。
客観的に見た第三者の意見を取り入れることができる
3つ目のメリットは客観的な視点で事業を見直せることです。
主観だけで事業計画書を作成すると問題点や改善点に気付きにくいのですが、第三書に作成してもらうことで客観的に見た意見をもらうことができます。
また融資などを検討している場合、お金を貸す側である融資担当者や出資者は事業の展望や収益面などかなり厳しい目で事業を見ます。
そういった他者の批判的な視点を先回りして埋めて置くことがスムーズな資金調達につながります。
代行業者は過去に数多くの事業計画書を請け負っているので、起業家のありがちなミスはほとんど把握しています。
そういった過去の他者の視点を取り入れることができるのが3つ目のメリットです。
融資の手伝いをしてくれる代行会社もある
業者によって、書類の作成代行のみではなく資金調達や経営サポートまでがサービスに含まれていることもあります。
この場合、コンサルティング費用や資金調達の成功報酬などが含まれるため料金が高額にはなってきますが、経営に悩んでいる新規事業者にとって、融資や経営の専門的なサポートが得られることは魅力的です。
また、専門家に頼むことによって当初利用を考えていた制度よりも好条件な制度や補助金を利用できることが分かる場合もあります。
金額は大きくなってしまいますが利用を検討するメリットといえます。
関連記事:【創業融資】サポート先ランキング!信用できる専門家の見つけ方
代行費用がかかる
デメリットの1つ目は代行費用がかかることです。
事業計画書の作成代行には10万円以上のお金がかかりますから、起業したての資金があまりない状態では大きい出費かもしれません。
しかし、その分本業の時間を取れるなどメリットが大きいので、資金調達をする際には必要経費と考えて依頼するほうが得策だと考えます。
業者の質によって事業計画書の出来が変わる
2つ目のデメリットとしては業者によってクオリティが違うことです。
特に料金が安い業者では見た目だけをそれっぽくした事業計画書が出てくることもあるようなので注意が必要です。
採択率など過去の実績は必ず確認するようにしましょう。
また、自社とは畑違いの業者に頼んだことで専門性が上手く伝わらないことがあることはデメリットと言えます。
きちんと自社の魅力を理解して事業計画書を作ってくれる業者かどうかは意識すべき部分です。
使いまわしができない可能性がある
3つ目のデメリットとしては、独自のフォーマットで作られていて書類の使いまわしができない場合があることです。
自身で作成する場合、日本政策金融公庫などのテンプレを用いて作成することが多いかと思われます。
そういった金融機関が公開しているテンプレは補助金や助成金といった他の申請にもそのまま使用することができます。
他の申請などでも再利用したい場合は書類のフォーマットはチェックしましょう。
代行会社を選ぶ3つのポイント
ここでは代行会社を選ぶ3つのポイントを紹介します。
代行会社は星の数程存在します。
今回ご紹介する選ぶ3つのポイントを参考にし、自身に合った会社を選択していきましょう。
代行会社を安易に決めない
1つ目は意識として、安易に業者を決めずよく検討することです。
過去の採択率、融資実績などをよく見て検討する必要があります。
他の業者と比較をすることなく安易に決めてしまうと自身の望んだサービスが得られなかったり、詐欺会社だったりすることもあり得ます。
1社だけを見て安易に決めるのではなく他社と比較し、各業者の口コミなども踏まえてから選択しましょう。
また、繰り返しになりますが数万円程度の格安の業者は基本的に利用を避けましょう。
認定支援機関を選ぶ
業者の選定で重要なポイントとして認定支援機関かどうかをチェックすることです。
認定支援機関とは、中小企業庁によって中小企業の経営に十分なノウハウがあると認定された代行業者です。
認定支援機関はそうでない業者に比べて十分なサービスが充実していて事業計画書のクオリティも高いので、まずはその業者が認定支援機関かどうかを最初に確認しましょう。
どこまでサポートしてほしいかを考える
最後のポイントはどこまでをサポートして欲しいのか自身のニーズを切り分けて考えることです。
基本的には補助金の採択や融資成功までサポートを得られる業者をおすすめしますが、その場合料金が高額になってしまうため書類の作成のみ依頼したほうがコスト面ではいいかもしれません。
また、創業という大きな挑戦にあたって、長期間のサポートが得られる業者のほうが合っていると感じる方ももちろんいるかと思います。
受けたいサポートが書類作成のみなのか、資金調達までなのか、長期的な経営までを含んでいるのかなどサポートを受ける期間で場合分けすることも重要です。
まとめ
事業計画書は自身で作成するよりもプロに依頼することがおすすめです。
また、代行業者の選定にあたっては安価な業者に依頼することはリスクがあり、基本的に10~15万円の相場から大きく離れない着手金で依頼すること、認定支援機関を選ぶことなどが必要です。
もし、融資を検討している場合はぜひCEOパートナーを利用してみてください。
CEOパートナーではスムーズに専門家を探すことができ、資金調達の成功率をアップさせることにつながります。
プロをの力を借りて創業融資をはじめとした資金調達を成功させましょう!
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