会社設立後にするべきことでよく挙げられるのが法人口座の開設。
会社を設立した後は早い段階で法人口座を開設するのが一般的です。
しかし何故、法人口座を開設しなければいけないのでしょうか。
個人の口座をそのまま使用してもいいのでは?と疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。
そこで本記事では法人口座を開設するメリットをや開設方法を詳しく解説していきます。
記事の最後には法人口座が作れる5つの金融機関とその選び方もご紹介するので法人口座でお悩みの方はぜひ参考にしてください。
会社設立における法人口座の4つのメリット
法人口座とは会社の名義で開設した口座のことを指します。
必ず開設しなければいけないという明確なルールがあるわけではありませんが、会社設立後に開設するのが一般的です。
ではなぜ法人口座を開設するのでしょうか。
そこで本章では法人口座を開設する4つのメリットをご紹介します。
社会的信頼が得られる
法人口座を開設することで実態のある会社だと認識され、社会的信頼を得ることができます。
会社設立後に法人口座を開設せずに個人口座を使うことは法的に問題があるわけではありません。
しかし、個人口座を使い続けることで税務署や取引先から「会社のお金と個人のお金が明確に区別されていないのではないか」と思われてしまうことがあります。
また、個人口座に売上などを入金することで個人収入とみなされてしまうこともあります。
結果として脱税などの在らぬ疑いをかけられてしまう可能性もないとは言い切れません。
法人口座を開設すればそう言った疑いをかけられることはありません。
社会的信頼を得るためにも会社の為にも法人口座を開設することをおすすめします。
会社の財務状況が管理しやすい
個人の口座を使用すると自身のお金と会社のお金の区別が曖昧になってしまう可能性があります。
法人口座を開設すれば会社のお金はその口座にしか入らない為、財務状況の管理がしやすくなります。
会社を経営する上で財務状況を把握することが大切です。
法人口座の通帳なら会社のお金の流れが一目でわかり、財務状況の管理が簡単になります。
融資を受ける際に有利になる
法人口座の開設は任意です。
しかし、融資を受ける際には法人口座の開設を求める金融機関もあります。
個人口座だと融資を認められないことがあるので注意が必要です。
また、金融機関によっては担当を付けてくれたりもします。
その結果、融資の相談が簡単にできたりと法人口座を開設すると融資を受ける人にとっては有利になることがあるのです。
法人のクレジットカードを作成できる
法人のクレジットカードを作る際に引き落とし口座を指定しますが、一般的には法人口座や事業用口座を指定します。
中には法人口座や事業用口座が無ければ作れない法人のクレジットカードも存在します。
法人のクレジットカードなら財務管理がしやすい他、何枚も作れるので従業員に渡すなどして法人口座から決済することで立替業務も簡略化することが可能です。
口座開設までのスケジュール
次にご紹介するのは口座開設までのスケジュールです。
法人口座の開設は審査があり、何かが抜けていたりするとその審査に通らない可能性があります。
必要なものなどをしっかりと把握して審査に挑みましょう。
必要なものを揃える
口座開設に必要なものは以下の通りです。
これらが無ければ法人口座を開設することはできません。
金融機関によって必要書類が異なるので事前にしっかりと把握しておきましょう。
金融機関に行き審査を受ける
必要なものが揃ったら実店舗のある金融機関の場合、代表取締役本人が金融機関に行き手続きをします。
書類などが揃えばすぐに口座開設できる、というわけではありません。
法人口座の開設には審査があります。その審査に通らなければ開設することはできません。
近年法人口座を悪用した詐欺などに使われることが多くなり、その結果警戒が厳しくなったことで審査に通らないケースがあるようです。
なので信憑性の得られる資料などを用意しておきましょう。
上記のものを用意すると審査に通りやすくなります。
必ず通るわけではなので予めいくつかの金融機関を申し込むことをおすすめします。
法人口座を開設する
審査に通ったら法人口座が開設されます。
審査にはだいたい2週間から1ヵ月ほどかかるので出来るだけ早く口座開設の申し込みをしましょう。
口座の開設が終わったら資本金を個人口座から法人口座に移します。
経理処理の為にも可能であれば通帳の始まりは資本金満額になるようにしてください。
法人口座で気を付ける4つのポイント
法人口座では審査があるとお話ししました。
前章でご紹介したもの以外にも審査に通過するためには気を付けなければいけない4つのポイントがあります。
このポイントを押さえているかいないかで通過率が変わってくるのでしっかり押さえておきましょう。
Point1 資本金は会社の信用度と同様
会社法が改正されてから資本金が1円でも会社設立が可能になりました。
しかし、資本金は会社を対外的に表すもので資本金の多さは会社の大きさ、しいては信用度を表していると言っても過言ではありません。
この会社は信用ができる、と思わせる為にもある程度の資本金は用意した方がいいでしょう。
会社設立の資本金の目安は100万円~1000万円と言われています。
Point2 事業内容を明確にする
金融機関は本当に事業の為に口座開設をするのかを見極めます。
それは前章でご説明した通り、法人口座を詐欺などに悪用されないようにです。
なので定款や事業計画書は細部までしっかりと作成しましょう。
事業目的や内容が曖昧だったり、それらが異なっていると書類などがあっても審査に通らない可能性があるので注意してください。
Point3 自己資金が必要となる場合がある
全ての金融機関がそうというわけではありませんが、中には口座開設に自己資金が必要となる金融機関が存在します。
自己資金は創業当時の当時のキャッシュや事業規模を表す為、資本金の中でも重要な判断基準として挙げられます。
金融機関としては取引量の多い企業に口座を開設して欲しいと思っています。
自己資金が多ければそういった点に期待ができるので、自己資金を要件に定めている金融機関があります。
口座開設前にその金融機関が定める要件を把握しておきましょう。
Point4 登記した場所で事業を行っていること
事業の為に口座を開設するかどうかを見極める判断基準として、登記した場所で事業を行っているかどうか、といった点が挙げられます。
登記上の住所で事業を行っていなければ口座開設は難しいです。
金融機関によっては賃貸借契約書を求めるところもあるので捨てたりせずに管理しておきましょう。
法人口座が作れる5つの金融機関とその選び方
法人口座が作れる金融機関は以下の通りです。
- 都市銀行(メガバンク)
- 地方銀行
- ゆうちょ銀行
- 信用銀行
- ネット銀行
この5つの金融機関ですが、どこでもいいというわけではありません。
それぞれの特徴とその金融機関の選び方について本章ではご紹介します。
信用度がアピールできる「都市銀行(メガバンク)」
メガバンクと呼ばれる都市銀行にはみずほ銀行や三井住友銀行、三菱UFJ銀行などが挙げられます。
このメガバンクは審査が厳しく、大手企業と言われる大きな企業以外は口座の作成が厳しいです。
しかし、その厳しい審査でハードルが高いことからメガバンクで口座開設すると会社の信用度の高さをアピールすることができます。
またメガバンクは全国展開していることから他の金融機関に比べるとATMなどの利用がしやすいです。
ただ、手数料が他の金融機関に比べると少し高いので注意が必要です。
地元の味方「地方銀行」
地方銀行は福岡銀行や千葉銀行といった土地の名称が付いている銀行のことを指します。
地域密着型なので融資の相談などにも親身になって乗ってくれます。
地方銀行のある地域を中心に事業拡大をするのであればこの地方銀行で口座開設することをおすすめします。
ただ、全国展開しているわけではないので場所によっては使用できなかったり、金利がやや高いといったデメリットもあります。
全国展開していて信用も厚い「ゆうちょ銀行」
ゆうちょ銀行は全国展開されており、認知度も高いので社会的信頼を得やすい銀行です。
それだけでなく、口座維持費が無料だったり、振込手数料もメガバンクに比べると比較的安いといった魅力があります。
また、法人税の電子納税にも対応しています。
しかし、1300万円を超える預入ができないので大規模な取引には向いていません。
その他にも社会保険料の引き落としができないので注意しなければなりません。
お金の相談もできる「信用金庫」
信用金庫は地域の繁栄を図ることを目的としている金融機関で地方銀行と同様に地域密着型の金融機関です。
お金に関する相談はもちろん、経営の相談にも乗ってくれますし、メガバンクに比べると口座開設のハードルが低く、開設までにかかる期間も短いです。
担当が自身に付くので、事業の伸びしろや人柄などで融資をしてくれるという特徴もあります。
起業したての方におすすめできる金融機関なのですが、他の金融機関に比べると金利が高く、従業員300人以上、または資本金9億円以上となった場合は脱退しなければいけない決まりがあるので注意してください。
手数料などが安い「ネット銀行」
ネット銀行はGMOあおぞら銀行や楽天銀行、paypay銀行などが挙げられます。
基本的に24時間365日インターネットで振込や決済が可能な銀行となっています。
特徴としてはインターネット上で口座開設でき開設の手続きが比較的簡単という点です。
その他にもネット銀行は手数料が他の金融機関に比べると安価となっており、預金の金利が高いというメリットがあります。
一方で取引先からの信用度が低いことや窓口でお金の相談ができないといったデメリットがあるので注意が必要です。
まとめ
法人口座を開設することは財務管理のしやすさだけでなく、自身の会社を守ることにも繋がります。
個人口座のままで事業を行うことも勿論できるのですが会社の為にも設立後は早めに法人口座を開設しましょう。
今回、法人口座を開設するメリットや方法、5つの金融機関についてご紹介しましたが本記事だけでは難しいこともあるかと思います。
そんな時は税理士に相談してみてください。
税理士であればどのタイミングで、どの金融機関で開設するといいのかなどの相談をすることが可能です。
法人口座のこと以外にも資金調達などで悩んでいるけど誰に相談すればいいのかわからないという方はぜひCEOパートナーにご相談ください。
CEOパートナーであれば自身に合った税理士をご紹介してくれます。
1人では難しいことも専門家を頼ることで解決することが可能になります。
夢を掴む為にもぜびご活用ください!
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