起業したいと考えている方は「会社設立」と「個人事業主」のどちらで起業するか悩んでいるのではないでしょうか。
どちらで起業してもメリットとデメリットは存在します。
でもそんなメリットとデメリットと言われても自分はどうするのが正解なの?となってしまいますよね。
そこで本記事ではそんな会社設立と個人事業主のメリットとデメリットについてご紹介していくと共にどちらで起業するのかの判断基準もご紹介します。
この記事を読めば「会社設立」と「個人事業主」のどちらが自身のビジネスプランと合っているかがわかります。
記事の最後には「会社設立」でも「個人事業主」でも頭を悩ませる資金調達の事も紹介しているのでぜひ参考にしてください!
会社設立のメリットデメリット
起業と聞くと何となく「会社を設立する」というイメージがありますよね。
まずはその会社設立のメリットとデメリットについてご紹介していきます。
関連記事:会社設立経験者が教える!サラリーマンが会社設立する5つのメリット
メリット① 経費にできる範囲が広い
会社を設立することで経費にできる範囲が個人事業主と比べると大幅に広がります。
個人事業主は家計用の支払いと事業での支払いの線引きが難しいので範囲が狭まります。
しかし会社は会社の支払いを個人がすることはないので、経費として認められやすいです。
会議費や接待費も飲食代として経費にする事ができるので収入を圧縮して節税することができます。
メリット② 節税ができる
個人事業主は所得が増えれば増えるほど税率が上がる、超過累進課税です。
しかし、会社は違います。法人税は事業年度に得た課税所得に一定の税率を乗じて計算します。
そのため、所得が大きくなればなるほど法人税の支払いのほうが節税効果が期待できます。
また、会社を設立すれば給与も経費にすることができます。
役員報酬として給与を受け取る立場になることで経費として役員報酬を計上でき、さらに給与所得控除も使うことができます。
個人事業主とは違い、節税が期待できる要素が会社設立にはあります。
メリット③ 社会的信頼を得られる
会社設立には多くの手続きが必要になります。それは複雑で手間のかかる手続きです。
その手続きをすることで商号や住所、資本金といった情報が登記されます。
その情報は誰でも閲覧することが可能です。
大手企業や昔からある企業はそう言った信用に値する情報がある会社の方を好む傾向があります。
個人事業主はそういった情報があまりないので会社設立の方が社会的信頼を得ることができます。
デメリット① 会社設立には費用がかかる
株式会社を設立する場合には約24万円の費用がかかります。
これは手続きに必要な費用なので必ず用意しなければいけません。
近年では会社法が改正されて資本金が1円でも会社を設立することが可能になりました。
しかし、社会的信頼を得るためにはある程度の資本金を用意する必要があります。
誰かに出資してもらえればいいのですが必ず出資してもらえるとは限りません。
その場合は自己資金を資本金とする必要があります。
会社設立にはある程度の費用がかかるのがデメリットの1つです。
関連記事:専門家に任せれば会社設立は簡単に!5分でわかる会社設立の全て
デメリット② 事務的な負担が多い
メリットの1つで経費にできる範囲が広いと挙げさせて頂きました。
しかしこれは裏を返せば事務的な負担が増えるということです。
また、会社法に従って複雑な決算業務を行う必要があるので事務的な負担は個人事業主よりも多いです。
事務仕事を疎かにしてしまうと信用がなくなってしまいます。
なので事務員を雇うか、税務関係の書類を税理士に任せるかなどをおすすめします。
デメリット③ 赤字が出ても負担がかかる
個人事業主は仮に上手くいかず赤字となってしまっても所得税と住民税は0円となります。
しかし会社はそうもいきません。
どれだけ赤字が出ても法人住民税の一部が資本金額に応じて課税される仕組みになっているため支払い義務が発生するのが会社です。
東京都の場合ですと、資本金1000万円以下、従業員50人以下だと赤字でも毎年7万円の支払い義務が発生します。
個人事業主のメリットデメリット
会社設立のメリットとデメリットをご紹介しましたが、個人事業主とはどう異なるのでしょうか。
本章では個人事業主のメリットとデメリットをご紹介していきます。
関連記事:【解決法はこれ!】起業したいのにお金がない。コスト0円起業も
メリット① 0円からでも起業ができる
個人事業主は開業届を提出すればすぐに事業をスタートすることが可能です。
その際に自宅で、自身のパソコンでできる事業であれば費用はかかりません。
コストがかからず手間もかからないのが個人事業主の大きなメリットです。
費用面で不安がある方は個人事業主をおすすめします。
メリット② 自由に仕事ができる
個人事業主の魅力として自由度が挙げられます。
自宅で開業した場合、いつどのタイミングで仕事をしても誰かに何か言われることはありません。
格好も気にする必要がありません。
自身のやりたいことをやりたいタイミングでできる、会社にはない自由度が個人事業主にはあります。
メリット③ 事務的な負担が少ない
会社は事務作業が多く、その書類は緻密に作成しなければいけません。
しかし、個人事業主はそこまで厳密に求められることはありません。
会社だと税理士などの専門家に任せることがほとんどですが、個人事業主なら会計ソフトなどでも可能です。
事務的な負担が少ない分、自身のやりたいことに時間を割くことができるのが個人事業主のメリットです。
デメリット① 社会的信頼が低い
手続きを経て設立された会社でないと契約しないという会社も存在します。
個人事業主は生活費と事業資金が明確に区分されていない場合もあり、また登記や会計資料の公開義務もありません。
そういった点から社会的信頼が低くなってしまいます。
また、個人事業主自身に何かがあった時は事業全体に影響がでます。
それも相まって大手企業などは個人事業主に対して慎重になっている傾向があります。
デメリット② 利益が高いと税負担が増える
会社設立のメリットでも少しお話ししましたが、個人事業主は所得が増えれば増えるほど税率が上がる、超過累進課税です。
利益が高くなればなる程税負担が増えます。
利益が高くなるのは喜ばしいことなのに少し嫌な気持ちになってしまうのが個人事業主のデメリットです。
デメリット③ 無限責任なので個人的負担が大きい
借りたお金や与えてしまった損害、それによって発生する負債など全責任を個人事業主負わなければいけません。
個人事業主は無限責任です。
会社であれば形態にもよりますが大体は有限責任なので自身が出資した分だけの責任を負えばそれで終わりです。
しかし個人事業主そういうわけにはいきません。
無限責任の場合はすべての責任を背負って負債を返済していく必要があります。
もし返済できなければ自己破産せざるを得ない状況になるかもしれません。
万が一の時の負担は会社よりも個人事業主の方が大きい可能性があるのです。
どっちが正解?会社設立と個人事業主の判断基準
会社設立と個人事業主のメリットとデメリットをご紹介しましたが、どちらにもメリットがあって、デメリットが存在します。
では自分はどっちで起業すればいいのだろう、と頭を抱える方もいらっしゃるはず。
本章では会社設立と個人事業主どっちで起業するべきかの判断基準をご紹介します。
悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
自身が望む将来的なビジョン
まずは自身が起業したい事業に対して将来のビジョンを考えてみてください。
将来的に事業を拡大して利益を上げていきたいのであれば会社設立をおすすめします。
会社を設立すると社会的信頼が得られます。
それにより個人事業主に比べると融資を受けやすくなります。
資金調達がしやすくなり、事業の拡大も期待できるので将来的なビジョンが大きいのであれば会社設立の方が有利です。
所得がどれぐらい見込めるか
所得によって税率が変わるのは前述でお話をさせて頂きました。所得がどれぐらい見込めるのかというのも判断基準の1つです。
所得が多く見込めるのであれば会社を設立。あまり見込めないのであれば個人事業主。と判断するのも1つの方法です。
所得が800万円を超えると個人事業主よりも会社を設立した方が税率で得をします。
会社の方が経費にできる範囲が広いこともあって500万円以上の所得が見込めそうなら会社設立をおすすめします。
資本金を用意できるかどうか
資本金は現在1円でも会社を設立することが可能です。
しかし、社会的信頼の為にも100万円~1000万円は用意しておいた方がいいでしょう。
ですが実は融資などで得た資金を資本金にすることはできません。
ではどうやって用意するかというと、出資してもらうか、自身の資金から出すか、になります。
出資や自己資金が望めないのであれば個人事業主として起業することをおすすめします。
関連記事:起業で投資してもらいたい!投資家と出会える4つのマッチング方法
個人事業主でも法人化できる!法人化を考える3つのタイミング
会社設立をしたいけど前述の基準に当てはまらないなんて方もいらっしゃるでしょう。
そんな方におすすめなのがまずは個人事業主として起業することです。
個人事業主でも法人に切り替えて会社を設立することが可能です。
本章ではそんな法人化を考える3つのタイミングをご紹介します。
関連記事:必見!創業融資は法人成りにすることで120%お得になる
所得が500万円を超えた時
何度かお話ししていますが、個人事業主は所得が高ければ高いほど税負担が増えます。
個人事業主として所得が800万円を超えるようであれば法人化した方が税率的にも得します。
会社なら経費になる範囲が個人事業主よりも広がります。
それを考えると所得が500万円を超えるようであれば法人化を考え始めた方がいいでしょう。
事業売上高が1000万円を超えた時
消費税の納税義務は課税売上高が1000万円超えた場合に発生します。
これは個人事業主でも法人でも変わりありません。
ですが法人の場合の基準期間における課税売上高は原則、前々事業年度の課税売上高となります。
法人化してから最初の2年間は法人としての売上がないとして消費税が免除されます。
いずれは納税することになりますが消費税が2年間免除されるのは大幅に節税に繋がります。
この事業売上高も法人化の目安の1つです。
関連記事:会社設立後の消費税免除のやり方を紹介!最大限得する為にやること2つ
事業拡大を検討している時
売上もある程度安定してくると事業を拡大したいと思う時が来るでしょう。
その時こそ法人化を考えるタイミングです。
再三ではありますが会社を設立することで社会的信頼が得られます。
その結果、個人事業主だった頃は取引が叶わなかった相手と取引が可能になることもあります。
さらに断られていた融資も法人化することで受けられるようになった、というケースもあります。
事業の拡大を検討し始めたらそれは法人化のタイミングと言っても過言ではありません。
資金調達のことは税理士に相談すれば間違いなし!
会社設立でも個人事業主でも資金調達は共通の悩みです。
資金調達と言えば融資を思い浮かべる方が多いかと思われます。
しかし融資ってなんだか難しそうで自分が受けれるのかと不安になりますよね。
でもそこで諦める必要はありません。
融資に強い税理士なら書類作成の代行から申請、面談のノウハウまでをサポートしてくれます。
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完全成功報酬型なので融資が降りるまで無料で相談できるのが大きな魅力です。
資金のことで悩んでいるけどどうすればいいのかわからない、という方はCEOパートナーにお任せください。
融資に特化した実績のある税理士があなたの強い味方になってくれます。
まとめ
皆さんのビジネスプランは「会社設立」と「個人事業主」どちらに合っていましたか?
どちらにも素晴らしいメリットと気を付けなければならないデメリットが存在します。
手間はかかるが節税もできて社会的信頼のある「会社設立」
無限責任だが自由で開業のしやすい「個人事業主」
どちらを選ぶかは皆さんの自由です。
成功のコツは自身に合った方法で起業することです。何となくで決めるのではなく、考えて、比較して、自身に合った方法で起業しましょう。
皆さんの旅路がより良いことを心より願っています!
コメント
コメント一覧 (11件)
[…] 会社設立には資本金が必要です。近年では1円の資本金でも設立は可能となりましたが社会的信頼を得るためにも100万円~1000万円を用意した方がいいです。 資本金を用意できるかどうかも判断の基準になります。 詳しい判断基準はこちらの記事にまとめているのでぜひ参考にしてください。 関連記事:【比べてみた】会社設立と個人事業主のメリットデメリット […]
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