自社の事業が海外市場で成功するかどうか、誰もが不安を抱えます。
その不安を解消するためには、しっかりとした事業計画書の作成が必要です。
そこで、ここでは海外進出に関する事業計画書作成のステップとリスク対策について詳しく説明します。
この記事を読み終えれば、あなたの企業が海外市場で成功するための明確な道筋が見えてくるはずです。
事業計画書をちゃんと書けるのか不安な方は、多様な事業計画書をサポートしてきたCEOパートナーに相談しましょう。
CEOパートナーでは金融機関から融資を受けるための事業計画書を1から作成することができます。
そのため、今後資金調達にも活用することができ、あなたのビジネスを促進させることができるのです。
海外進出するなら「事業計画書」は必須!3つの理由
事業計画書とは、事業の目標や具体的な収支の計画、方向性を示す重要な書類です。
事業計画書は、海外進出を計画していなくてもほとんどの事業者が作成をします。
事業計画書が重要とされるには大きな3つの理由があります。
- 具体的な事業の指針が出来る
- 一緒に事業をやるパートナーを見つけるため
- 事業開始に必要な資金調達に必要
これらの理由を掘り下げ、海外進出の際にどのように役立つかを紹介します。
具体的な事業の指針ができる
事業計画書は、自身の事業がどのような目標を持ち、どんな戦略で収益を得るかを文書として作成することで誰が見ても共通の認識でその起業を理解、評価できる指標になるのです。
収支の計画には競合や市場を理解した上での具体的な数字やデータの記入するので、事業が始まったときの指標となり、自身が立てた事業計画に対してプラスになったかマイナスになったかなどを把握できます。
また、それに伴って事業計画を見直したり、事業拡大の指標にもなります。
海外進出を目指す際、事業計画書を通して計画を詳細に立てることで先にリスクに気づいたり、事業戦略を練るきっかけになったりするのも大きなメリットと言えます。
一緒に事業をやるパートナーを見つけるため
事業を展開していく過程で、人との繋がりは欠かせません。
事業計画書の明確さや信頼性の強さは、ビジネスパートナーを見つける上で大変役立ちます。
誰もいい加減な事業者とは一緒に仕事をしたくありませんし、事業を進めるのも不安です。
しかし、事業計画書を通して事業に魅力を感じ、成功の可能性が伝われば、一緒にビジネスをやりたいという人が見つかる可能性が高まります。
海外進出となれば、投資家、流通の取引先、言語の壁を乗り越えるための通訳や現地理解者など、多くの人々との繋がりが必要になるかもしれません。
事業計画書には「この事業に協力してみたい」と思わせるポイントがあると良いですね。
事業開始に必要な資金調達に必要
資金調達をする際には審査があり、必ず事業計画書が必要になります。
これは借り入れが出来るかどうかが決まる重要な書類です。
融資をする機関は事業計画書を見て、その事業が信頼できるか、可能性があるかを判断します。
特に海外進出を目指す場合、現地の市場調査や現地スタッフの採用などで高額の出費が予想されるため、資金調達は重要なポイントになります。
資金調達を検討する際には、返済計画も立てる必要があるため、収支の計画については業界の特性や事業内容に基づいて綿密に検討することが求められます。
【7つの必要項目】海外進出する企業の事業計画書
海外進出を目指す場合には、国内向けの事業計画書の内容以外に、海外進出に向けた内容を追加して明記する必要があります。
ここで紹介する7つの項目は事業が海外進出をするために重要なポイントとなります。
これらを網羅し、しっかりと文書として可視化が出来ればあなたが海外進出を実現させるまでのロードマップとなり、価値のあるものになるでしょう。
ビジネスのビジョン・使命
まず、海外に進出する日本企業としてどのようなビジョンがあるかを提示しましょう。
ビジョンとは最終的な未来として自身の企業が顧客や需要に対してどのような影響があるかを示すものなので、漠然と海外で事業をやってみたいという思いだけではビジョンになりません。
ここで掲げる事業のビジョンは、ビジネスパートナーや顧客へアピールする第一歩となるので、海外進出の熱い思いを具現化して下さい。
海外展開の理由
具体的なビジョンに伴い、なぜそれを日本国内ではなく海外で展開したいかも提示します。
この市場に参入しようと思ったきっかけや、海外進出をすることでさらに事業拡大が見込める理由が具体的にあるのであればそれらを海外展開の理由として記載します。
海外進出という大きな選択をした理由を倫理的で、説得力のあるものにするために自身の思いをまとめてみましょう。
達成したい短期と長期の目標
次に達成したい短期・長期における目標を決めます。
ここでいう目標というのは日本の技術を海外に持ち込みたい、日本製品を海外で売りたいといったような漠然とした目標ではなく、明確で数値化でき、実現可能である必要があります。
短期目標の例としては「初年度の売り上げを40万ドルにする」、長期目標の例としては「3年以内に海外拠点を5か所に増やす」等といった目標設定で、第三者が見ても数値として達成か未達成かがわかるようにする必要があるので見通しと一貫性のある目標設定が必要です。
目標に対するアクションプランがあると、よりプロセスが明確になって良いでしょう。
市場と顧客の分析
日本国内で事業展開する際にも重要となる市場と顧客の分析ですが、海外で事業を展開するとなるとさらにその理解を深める必要があります。
自身の事業が参入しようとしている市場がどれほどの成長率があり、日本から参入しても利益を得られる見通しがあるかどうか、また、現地の顧客からどのような需要があるのかを分析しましょう。
ここでも根拠のある数字があることで信憑性が上がります。
競争相手の分析と自社の強み
現地の競合に対し、自身の事業がどのような差別化が図れるかも重要なカギとなります。
もちろん他国から市場に参入するとなれば、現地のプレイヤーにはない革新的な発想で差をつけられるかもしれません。
自社の強みを十分にアピールできる力はもちろんのこと、海外進出の際の自社の弱みも理解したうえで、サービスや製品の現地化をしてしっかりとニーズに応えられるかも大切です。
日本で事業展開する際には配慮する必要のなかったリスクや、文化的な背景など、様々な事が事業展開の障害になり得るので、それらに対する理解と適応化も必要となります。
海外進出の具体的な計画表
海外進出を実行に移すまでの目標やスモールステップが決まったら、やるべきことの道筋をタイムテーブルにして表を作成してみましょう。
計画票を作成することで事業計画書にあわせて見通しを持って海外進出に向かっていることがアピールできます。
マイルストーンを設定すると、その目標達成がモチベーションにもなるので、事業の海外進出のゴール以外に中間目標を立てることも有効な手段と言えます。
計画を実行する予算と収益
予算の計画は非常に重要です。
予算と収益は、具体的な数字を記入するとともに、その根拠を示し、信頼性のある予算計画を作る事が望ましいです。
海外進出の際の予算計画の際に記入する内容例としては、
- 初期投資:市場調査費用、設立費用、設備費用など
- 運転資金:人件費、生産コスト、マーケティングコスト、貿易や物流コストなど
- 売上予想:市場調査に基づく価格設定、販売モデル、販売量の計画など
- 間接費用:広告費、管理費、製品やサービスの開発費用など
また、海外進出を成功させるためには、為替レートの変動や現地と日本の原価の違いに注意することが重要です。
これらの要素を適切に評価し、事業計画に反映させることで、海外市場での安定した事業運営を実現することができます。
海外に必要な予算について海外進出に必要な費用の「予算の立て方」と「計算方法」の注意点のサイトにも様々な視点からの注意点が書いてあるので参考にしてください。
海外進出を成功させるための「リスク対策」
事業を展開する際には日本であってもリスク管理は重要になりますが、海外進出となるとさらに広い視野でリスクを捉え、対策を練っていく必要があります。
ここでは、海外進出を見越したリスク対策についてまとめていきます。
国の事情を比較・検討し現地調査
海外に事業を展開する場合、そのリスクは多岐にわたります。
その中でも主要となるリスクと対策の例を見ていきましょう。
- 言語障壁のリスク
言語が通じないことでのコミュニケーション不足、認識の相違が起こるリスク
【対策】事業を理解している通訳をビジネスパートナーとして配置する、翻訳した書類の作成
- 為替リスク
為替レートの違いにより利益率に影響が及ぶリスク
【対策】為替ヘッジを利用する、現地通貨での契約や支払いを増やす、複数の通貨で取引をする
- 法規制リスク
現地の法律や規制が変わることで事業の運営に支障が出るリスク
【対策】現地の法律に関する専門家を配置する、現地の法規制の変化に注意を払い柔軟に対応できるようにする
- 市場リスク
ニーズの変化や、競合の増加などによる経営の低迷リスク
【対策】市場調査を定期的に行い、状況に応じたマーケティング戦略の立て直しが出来るようにする
ここに挙げた例以外にも多くのリスクがありますが、それらを事前に管理し、対応出来るようにしておくことで大きな事業の損益を防ぐことが出来ます。
メリット・デメリットを再チェック
海外進出をする前にもう一度メリットとデメリットを再チェックしましょう。
自社の出資だけで会社を設立する場合、自分たちが決めた戦略で成長を目指せることはメリットかもしれませんが、現地の官庁との交渉を自身で行う大変さや、現地のネットワークをゼロから構築する苦労はデメリットと言えます。
逆に、現地企業と共同で経営をする場合、現地企業のノウハウやツテを活かして有利に進められるのはメリットですが、働き方や常識の違いによるトラブルが発生する可能性があるのはデメリットです。
どの方法を選んでも必ずメリットとデメリットが存在します。自分が選ぶ方法がどのように良くも悪くも影響するか、今一度考えていきましょう。
事業をストップする基準を作る
実際に事業を始めてみると思いもよらないトラブルやリスクが起こる可能性があります。
場合によっては大きな損害に繋がることもあり、ただその場のトラブル回避が得策ではない場合もあるのです。
一定の損益やリスクを抱えた際には事業をストップするボーダーラインを決めておくことも大切です。
海外進出するなら活用したい制度
海外進出をするとなると、国内で事業を始める時に比べてより多くの資金が必要になります。
資金調達をするということは返済期限があったり、借入条件があったりと不安も多いかと思いますが、日本には多くの事業を応援する制度があるので内容を知るところから始めてみましょう。
融資制度に合わせて返済不要の補助金制度も一緒に紹介するので参考にしてみてください。
経済産業省の海外進出の補助金制度
経済産業省にはいくつかの補助金制度があります。
その中でも2つの海外進出に関連する補助金制度を紹介します。詳しい内容はリンクからサイトを確認してください。
これは日本のコンテンツ産業に関する補助金なので、対象となる業種は映像の作成業界やポストプロダクション、イベント業界等です。
日本の先進的なコンテンツを世界に広め、日本ブームの創出を通して海外展開やインバウンド観光を目指すための補助金となっています。
これは貿易プラットフォームの活用を促し、貿易手続きの簡素化とコストカットを目指す補助金です。
海外進出をするとなると輸入や輸出の需要があるので、場合によっては有効に利用できるかもしれません。
これは貿易プラットフォームと自社のシステムを連携させたり、実験的に利用したりする際の費用を補助金として受け取れます。
それに伴う人件費や旅費等も補助金として受け取れる可能性があります。
ものづくり・商業・サービス生産性向上補助金制度
ものづくり・商業・サービス生産性向上補助金制度、通称「ものづくり補助金」も経済産業省からの補助金制度です。
これは経済産業省が中小企業の成長を支える目的で支援を行なっているものです。
ものづくり補助金にはグローバル枠があり、以下の4つの対象事業があります。
- 海外への直接投資事業
- 海外市場開拓(輸出)事業
- インバウンド対象事業
- 海外企業との共同事業
これらの対象を見てわかる通り、海外事業を展開しようとする多くの企業は対象となる可能性があります。
対象となる事業はそれぞれの条件や経費が詳細に決まっているので、詳しい内容や条件についてはものづくり補助金 公募要領をご覧ください。
日本政策金融公庫の融資制度
日本政策金融公庫の融資制度は、日本政府が運用している融資制度です。
日本政策公庫は様々な事業者を対象とした融資制度を持っており、海外展開を目指す事業を対象とした海外展開・事業再編資金という融資制度があります。
融資限度額が7200万円で、比較的返済期間にもゆとりがあるので好条件です。
融資を受ける起業者の条件によって利率が変わるので海外展開・事業再編資金の公式サイトより詳細をご確認ください。
国際協力銀行の融資制度
国際協力銀行は日本の政策金融機関で、中小企業や中堅企業を対象とした融資制度があります。
対象企業や対象国の条件はありますが、融資金額に規定がなく、使用用途も広く設定されています。
申し込みや個別審査の際に細かく決定していくので、国際協力銀行に相談から初めてみるの良いでしょう。
まとめ
いくつかの補助金や融資制度を紹介しましたが、書類の準備や融資金額の設定、為替による返済リスクの想定など、多くの場面で専門家の知識が必要になるでしょう。
一人ですべての手続きを理解して進めていくのは大変なことです。
海外進出を目指すのであれば必要に応じてビジネスパートナーを見つけることも大切です。
また、自身のニーズに合った専門家を探すのは簡単なことではありません。
CEOパートナーでは、自身の事業の必要性に合わせた税理士とマッチングをしてくれますので、どんな事を任せたいか、どの分野に特化して専門家が必要かなどを踏まえて相談してみてください。
世界に誇れる日本の技術や製品は、今もこれからも大きな需要があります。
海外へ進出する大きな希望や夢を持った事業が国内から世界へ日本の素晴らしさを広めていくのです。
あなたがその一人になるために、日本ですべき準備や計画を綿密に行い、成功への道を歩んでください。
そして日本の金融機関やCEOパートナーなど、海外進出のおける不安や不足を支援する機関があることを忘れないでくださいね。
世界に羽ばたくあなたを応援しています。
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