創業融資で無利子ってないの?
できるだけ返済を楽にしたいけど、金利が気になる。
創業融資と言っても借金なので、返済のことも考えると、できるだけ高い利子は避けたいところ…。
残念ながら、創業融資は金融機関にとってリスクが高い投資になるので、無利子の制度はありません。
しかし、利子をできる限り低くすることは可能です!
条件によっては年利0.3%にすることも可能に!
そこで今回、低金利の融資制度4つと金利を下げる方法をお伝えします。
金利をできるだけ下げて、返済に困ることなく事業をスタートさせていきましょう!
低金利の融資制度4選
創業融資は大きい金額を借りることとなるため、金利も高いと元本がなかなか減らせず返済までに時間がかかってずっとストレスを抱えることになってしまいますよね。
低金利で融資してもらえる制度を4つご紹介します。
新創業融資制度
※新創業融資制度は2024年3月31日をもって、終了しました。
新創業融資制度とは、事業開始後に税務申告2期を終えていない方を対象とした、担保および保証人が不要となる、2014年3月1日に「新創業融資制度の改正」により新たに制定された制度です。
税務申告とは、定められた税金を納める必要がある時に、課税所得から、納めるべき税額を計算して納税することです。
新創業融資制度の対象者の要件は下記の通りであり、満たしている場合融資を受けられる対象となります。
- 新たに事業を始める、もしくは事業開始後、税務申告を2期終えていない方
- 新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を1期終えていない方は、
- 創業時において創業資金総額の10分の1以上の自己資金を確認できる方
自己資金は、事業に使用される予定の資金を指している為、融資希望額が1000万円の場合、最低でも100万円は事業に使用できるよう確保できていないとなりません。
ただ、6年以上の業種経験のある企業と同じ業種の事業を始める場合や、創業塾や創業セミナーなどを受けて事業を開始する場合は、上記要件を満たした状態となり対象です。
条件を満たせれば創業融資の申し込み要件の緩和だけでなく、会社設立時における登録免許税の軽減措置や、後述する「新規開業資金」の貸付利率の引き下げなど様々な支援を受けることができます。
他に、本制度のメリットとして、無担保・無保証・連帯保証人が不要であることがあげられますが、それ故に、金利が通常融資と比べると上がってしまうデメリットもあります。
担保が必要な融資の場合、基準利率が0.97~2.45であるのに対し、新創業融資制度は基準利率2.2~3.10となっています。
しかし、融資実行までが他融資制度と比べると2ヶ月ほど早いといったメリットもあるため、自身の状況と何を優先とするか比較し選択する必要があります。
なお、本制度は単体で受けることができません。後述する制度と組み合わせて利用しましょう。
新制度ということもあり、周りに利用したことがあり相談出来る人も少ないかもしれません。創業融資に強い専門家に相談することが確実です。
新規開業資金
新規開業資金とは、新たに事業を始める、もしくは開業してから7年以内の場合に利用できる制度です。
融資限度額は最大で7,200万円となっており、そのうち4,800万円は運転資金として利用できます。
残りの2,400万円は設備資金としての融資となり、運転資金への流用は認められていません。
返済期間は、運転資金が7年以内、設備資金が20年以内です。
なお、返済期限を据置期間として設備資金の元本の返済を2年、運転資金の元本の返済を2年まで延長することが可能です。
また、融資を受けるためには、原則として担保や第三者による保証人が必要となります。
金利は基準利率ですと0.97~2.45となり、どの融資においても、年齢や経歴、事業内容により決定され、自身では利率の設定はできません。
ただし、条件を満たしていれば、特別利率で融資を受けることができ、特別利率Cを適用できれば、0.30~1.55まで下げることが可能です。
女性、若者/シニア起業家支援資金
女性、若者/シニア起業家支援資金は、女性、または30歳未満か55歳以上で新たに事業を始める予定の方や事業開始後7年以内の方を対象としている融資制度です。
5年以内の返済であれば0.62%となります。
また、技術・ノウハウ等に新規性がみられる事業かつ一定の製品化及び売上が見込めるものであれば、本制度最低利率の0.30%が適用となります。
性別や年齢制限の条件さえ満たしていれば融資を受けることが可能であり、起業前や起業間もない会社であっても、融資を受けやすく、利用しやすい制度です。
返済期間は設備資金および運転資金とも先述した新規開業資金と同様であり、措置期間についても元本の返済を2年、運転資金の元本の返済を2年まで延長することが可能です。
また、原則担保や第三者による保証人の設定が必要となることも新規開業資金と同じです。
融資を受ける際、担保や保証人がどうしても設定できない場合は、日本政策金融公庫の創業融資制度を利用することを検討してみましょう。
しかし、その問題さえクリアできる場合は民間金融機関に比べると利用しやすい制度です。
制度融資
制度融資は、今まで記述した制度と違い、地方自治体・金融機関・信用保証組合が連携して提供する融資のとなります。
そのため各自治体より融資内容が若干異なるため、事前に確認しておきましょう。
この制度は、中小企業や小規模事業者の資金調達サポートを目的としているため、長期・低金利で借入することができます。
例として東京で開業をし融資を受ける場合の「東京都中小企業制度融資」を例に取ると、一般的な創業融資の場合、融資限度額は3500万円で、融資期間は運転資金7年、設備資金10年以内にとなり、措置期間はどちらも一年以内となります。
利率は1.9%以内~2.5%以内です。
条件は下記の通りで、いずれかに該当すれば対象となります。
- 事業を営んでいない個人で、東京都内で創業しようとする具体的計画を有するもの
- 創業した日から5年未満である 中小企業者又は組合
- 東京都内で分社化しようとする会社又は分社化により設立された日から5年未満の会社
本制度は自治体と協会の補助があるため審査のハードルが低く、信用情報の積み重ねが少ない場合でも審査が通りやすいと言われています。また、物理的担保や保証人も必要ない場合もありますので、概要を確認し相談することが大事です。
これから創業する方はもちろん、創業融資の他にも様々な融資メニューがありますので、資金繰りのため資金が必要な方は検討の価値がある制度でしょう。
創業融資で利子を下げる3つの方法
創業融資を受ける際、利子は重要なコスト要素となります。
できるだけ低い利子で融資を受けることが、ビジネスの成功に繋がる第一歩です。
ここでは、創業融資で利子を下げる3つの方法について詳しく解説します。
保証人をつける
保証人をつけることは、金融機関にとってリスクを軽減するための有効な手段です。
保証人がいることで、融資先の信用度が上がり、結果として利子を下げることが可能になります。
保証人には、信頼できる友人や家族、またはビジネスパートナーを選ぶと良いでしょう。
保証人を選ぶ際には、彼らの信用度も考慮することが重要です。
金融機関は保証人の経済状況や信用情報も審査しますので、信頼性の高い保証人を選ぶことで、利子引き下げの可能性が高まります。
特例制度を利用する
創業融資の際や、または事業開始後税務申告を2期終えていない方にご利用いただける「創業支援貸付利率特例制度」という制度を利用すれば、各融資制度に定める利率から-0.65%下げて受けることが可能です。また、雇用の拡大を図る場合は、各融資制度に定める利率-0.9%下げることができます。
例えば、1000万円の融資を受け、利率が2%であった場合、事業開始後税務申告を2期終えていない状態で本制度を利用すると、通常時の利率が20 万円であったところ、13.5 万円まで下げることが可能です。
また、事業内容や今までの事業の実績、セミナーを受講し、基準利率のほかに「特別利率A」「特別利率B」など、12種類の特別利率が設定されています。
例えば、基準利率より、0.4%ほど下げられる、特別利率Aが適用される要件としては下記の通りです。
- 「中小企業の会計に関する基本要領」または「中小企業の会計に関する指針」を適用している方または適用する予定である方
- 「当面6ヵ月程度の資金繰り予定表」及び「部門別収支状況表」を含んだ事業計画書を策定している方
なお、中小企業経営力強化資金を利用するには、認定支援機関という事業サポートの専門家を通して融資の申し込みが必要となります。
なるべく利率を下げ利用したい場合は、専門家に相談することが確実です。
信用要因を増やす
金融機関からの信用を得るためには、信用要因を増やすことが必要です。
具体的には、過去の借入履歴やクレジットカードの利用履歴を良好に保つこと、ビジネスプランを詳細かつ現実的に作成すること、そして自己資金を十分に用意することが挙げられます。
信用要因を増やすためには、計画的な資金管理が求められます。
また、事業の安定性や将来性をアピールすることも重要です。
例えば、具体的な売上予測やマーケティング戦略を明示することで、金融機関に対して信頼を得やすくなります。
ご自身の信用情報に不安がある場合は、一度確認してみても良いかもしれませんね。
以下の記事で信用情報について確認することができます!
関連記事:創業融資を受ける際に必要な信用情報の見方と3つのポイント
金利の前に審査!通る3つの方法
金利をなるべく下げて融資を受けたいのはもちろんですが、まずは審査に通らないとなりません。
問題なく審査に通るためのコツを3つご紹介します。
創業融資の専門家に相談
自身で情報を集めて、周りに融資を受けた人がいればどんな審査であったか確認するのも限界があると思います。
例えば、女性、若者/シニア起業家支援資金の利用検討していたとしても、自身の周りで融資を受けた人が男性であるなど対象外であれば、実態はわかりません。
とりあえず話を聞いてみる、といった段階なら良いですが、準備しなければならないもの、機関を頼っていれば有利に審査が通ることなどを知らずに自分は大丈夫だと挑戦してみるのはあまりにも無謀です。
融資が降りる割合は受けようとしている融資の内容にもよりますが、申請者全体の20%ほどと言われています。
また、一度申請で審査に落ちると、再審査を受けられるのは半年後となってしまい、しかも一度審査で落ちているという実績が残ってしまうため再審査しても融資を受けられる可能性はとても低くなってしまいます。
もし審査に通ったとしても、希望額よりも大幅に下回ったりと納得のいかない結果となってしまってはもったいないですよね。
そういう事態に陥らないためにも、プロの力を借りましょう。
信頼と実績のある専門家に任せることにより、何が足りないのかなどのアドバイスだけでなく、書類作成の手間まで丸投げできますよ。
自身の状況にあった最適な選択をしてもらいストレスなく融資を受けたいですよね。
精度の高い事業計画書
融資を受けるために必要な信用の要因を増やす手段として、しっかりとした事業計画書を用意しましょう。
たとえば、事業計画においてなるべく多くの資金を手に入れたいがために、諸費用を過剰に見積もっていた場合、「なぜその費用が必要なのか」という根拠を提示できなければ、融資審査に通りづらくなってしまいます。
事業計画書は、起業に関する場面では、融資だけでなく物件の賃貸、出資希望者への説明、補助金申請など、さまざまな場面で事業計画書が必要になります。
入念に作成しておくことで今後の事業展開にも有効に働きます。
こちらも、専門家に依頼をすることで、わからない箇所は相談しながら作成することができます。
全く知識のない状態で1から調べながら作成するより手間もかからず、しっかりとした事業計画書ができあがります。
また、経営者が目指す先がぶれないよう自身の考えを確認できるという側面もありますので、精度の高い事業計画書を作成しておくと良いでしょう。
自己資金2割以上
自己資金が要件に記載されていない場合もありますが、準備をした方が審査が通りやすいのは事実です。
自己資金として認められる傾向にあるものは、下記の通りです。
- 現金預金(貯金)
- 資本金
- 退職金
- みなし自己資金
- 第三者割当増資
- 資産を売却した資金
たとえば、創業資金総額が1000万円の場合であれば、自己資金の目安は2-300万円程度、創業資金総額が2000万円の人は6-700万円程度の自己資金が必要となります。
金融機関から融資を受ける際、審査項目はもちろん自己資金だけではありません。
経験や実績などの項目から総合的に審査がおこなわれます。そのため、自己資金の金額はあくまで審査項目のひとつであり、多い方が有利であるとも言えないが、無いよりマシであると留意しておきましょう。
こういった曖昧な部分については、実績のあるプロに相談しながら準備するのが一番です。
まとめ
融資を受ける際、せっかくなら無利子で利用したいところですが金額も多くリスクのある制度ですので、残念ながら無利子のものはありません。
ただ、保証人をつけたり、特例制度を利用することにより利率を下げることが可能です。
その他にも、自治体によっては利率が低い融資メニューを用意しているところもありますので、まずは確認・相談してみることが大事です。
ただ、創業融資に関してはまず審査に通ることが難しいです。
利率を気にするよりも審査が通るように書類を作成し準備しましょう。
信頼と実績のある専門家に相談しながら行えばわからないまま挑戦するリスクも失くせますし、再度別の融資を受けることを検討した際にまた改めて調べ直したりするなど、手間を省くことも可能です。
事業開始の際に、融資がおり運転資金・設備資金に回せれば事業発展のためのたくさんの可能性が生まれますよね。
創業融資は1回目の申請が大事です。
好スタートを切れるよう専門家にサポートしてもらいましょう!
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