法人口座を開設のために事業計画書に頭を悩ませていませんか?
または、法人口座開設のための銀行の必要事項が分からず途方に暮れているのでは?
ご安心ください。
その悩み、この記事で解決します。
ここでは、事業計画書の作成方法から銀行とのスムーズな口座開設までのポイントを解説しちゃいます!
さらには口座開設の審査が通らない理由や開設しやすい銀行についても追及していきますね。
今後のあなたのビジネスにとって、必要な口座を楽に開設するためにも、ぜひ参考にしていってください。
もし、あなたが事業の融資を受けようと考えているなら、創業融資を専門にしている税理士に事業計画書の執筆を代行することをおすすめします。
法人口座の審査はもちろん、創業融資の審査にも通りやすくなります!
創業融資に強い税理士はこのCEOパートナーから見つけることができます。
法人口座開設時に事業計画書は必要?
法人口座を作る際、多くの銀行や金融機関で事業計画書の提出が求められますが、必ずしも全ての場合で必要とされるわけではありません。
事業計画書が必要とされるのは、主にあなたの事業の将来性を評価し、銀行が提供するサービスや融資の適格性を判断するためです。
では、どのような状況で事業計画書が特に重要になるのでしょうか?
今後、融資を受けるなら必須
事業計画書は、特に将来的に融資を受ける予定がある場合には不可欠です。
現在、融資を受ける予定もない方もできる限り事業計画書を作成することをおすすめします。
その理由として、融資を受けることは会社にとって社会的信用を得る手段でもあり、今後の事業展開・リスク対策のために必要だからです。
事業計画書には、財務計画、市場分析、事業戦略など、銀行があなたのビジネスモデルの実現可能性を評価するために必要な情報が含まれています。
したがって、将来的に資金調達を見込んでいる場合、事業計画書は強力なツールとなり得ます。
事業計画の情報整理ができる
事業計画書の作成過程は、あなたのビジネスコンセプトを明確化し、事業の目標を具体的に設定する絶好の機会です。
この文書を通じて、事業の強みと弱みを把握し、競合分析を行うことができます。
また、財務計画の項目では、収益モデルを詳細に検討し、必要な初期投資や運転資金を計画することができます。
事業計画書は、あなたの事業が直面するリスクを識別し、それらに対処する戦略を立案する上でも役立ちます。
低コストの事業なら無しでもOK
しかし、すべてのビジネスが事業計画書を必要とするわけではありません。
特に低コストで運営できる事業や、融資を必要としない自己資金による小規模事業の場合、事業計画書の提出が求められないこともあります。
このような場合、事業計画書の代わりに簡潔なビジネスプランや運営計画の提出で十分とされることもあります。
しかし、事業計画を事前に整理しておくことは、ビジネス運営において多くの利点をもたらしますので、可能であれば作成をおすすめします。
事業計画書の8項目を解説
事業計画書の作成は、あなたのビジネスの未来を形作る重要なプロセスです。
ここでは、事業計画書の主要な項目を順に解説し、それぞれに何を含めるべきか、どのようにアプローチするかを具体的にご紹介します。
事業計画書の概要
事業計画書の概要は、読み手に対してあなたのビジネス計画の簡単な紹介となります。
この項目では、事業の目的、目標、そして計画の要約を簡潔に記述します。
ここでの目的は、読み手が文書の残りの部分を読む前に事業計画の全体像を把握することを助けることです。
事業コンセプト
事業コンセプトとは、新しいビジネスのアイデアをしっかりと考えた計画のことを言います。
この項目では、「誰に」「何を」「どうやって」提供するのかを明確するのが目的です。
「ターゲット」とは、自分の商品やサービスを利用してほしいお客様のことで、お客様がどのような方々なのか(例えば、年齢や住んでいる場所、趣味など)を具体的に考えることが重要です。
商品やサービスの説明では、売りたいものが具体的にどのようなものなのかを説明します。
また、それをお客様にどのように提供するかも考え、他と差別化ができるのかを示しましょう。
創業者のプロフィール
創業者や経営チームの経歴、スキル、経験はビジネスの成功において決定的な要素です。
この項目では創業者の資格、過去の成功事例、ビジネスに対する情熱を強調し、なぜこの創業者が事業を成功させることができるのかを説明しましょう。
以下の項目を入れ込んで、自身のプロフィールを充実したモノにできます。
- 今までの経歴(高校生~社会人まで)
- 職務経歴
- 過去の詳細な業務実績・内容
- 専門知識
- 事業で目指したいもの・ビジョン
- 人間らしさが垣間見える情報(審査官に共感が持てる内容)
業界・競合分析・事業の優位性
業界分析では、あなたのビジネスが参入する市場の規模、成長性を表すことができます。
市場規模は国や専門機関のリサーチ結果を元にすると説得力が増します。
さらに、競合分析を通じて、市場における主要な競合他社とその戦略、強み、弱みを明らかにしましょう。
自社の商品・サービスの特徴を価格や提供方法などのあらゆる角度から分析するようにしましょう。
そして、あなたのビジネスがどのようにしてこれらの競合から差別化できるのか、つまり事業の優位性を説明します。
優位性は、技術的な革新、サービスの質、顧客サービスなど、さまざまな形で示すことができます。
販売・仕入計画
販売計画では、製品やサービスの市場における売上目標を設定し、その達成方法を説明します。
どのような販売チャネルを使用するか、マーケティングやプロモーションの戦略は何かを含めます。
仕入計画では、必要な材料や商品の調達方法、コスト管理の戦略を詳細に説明します。
販売計画の例として、以下の計算式を参考にしてみてください。
【業種ごとの計算例】
飲食業等 | 1日の売上高 = 顧客単価 × 座席数×回転数 ※回転率とは、日当たりで何回お客様が入れ替わったのかを示す数字 |
物販業 | 1日の売上高 = 来客数 × 平均購買価格 |
土地を要する物販業 | 1日の売上高 = 1坪当たり売上高 × 坪数 |
労働集約型の業種 | 1日の売上高 = 一人当たりの販売単価 × サービス員数 × 稼働率 ※稼働率とは、サービス員数のうち売上に繋がる仕事をしている人の割合 |
従業員の採用・育成計画
ビジネスでは人がいないと始まりません。
この項目では、必要な人材の種類、その人材をどのようにして採用し、どのように育成するかについて計画を立てます。
採用人数だけではなく、アルバイトや正社員・派遣などの雇用形態も考慮しましょう。
会社が負担する社会保険料や福利厚生費、残業代等も人件費として計算するといいです。
資金調達計画
資金調達計画では、ビジネスの立ち上げや運営に必要な資金の総額と、その資金をどのようにして調達するかを説明します。
事業に必要な機材や設備の見積もりを出すことで、費用が明確になります。
また、運転資金の見積もりとして、仕入原価や人件費、広告宣伝費、水道光熱費等を3カ月分を出すようにしましょう。
損益計画・損益分岐点
損益計画とは、ビジネスプランを実行した際にどれくらいの利益が見込めるかを数値で示したものです。
通常、3年から5年の計画を立てます。
計画は、売上や仕入れ、人件費、投資の予測を基にして行います。
また、利益が出始める売上の点、つまり損益分岐点を計算することも大切です。
損益分岐点とは、利益がゼロになる売上の水準のこと。
この点を超える売上があれば利益が生じ、下回ると損失が出るわけです。
損益分岐点の計算は以下になります。
損益分岐点=固定費÷{1-(変動費÷売上高)}
【前提条件】
売上高:200万円
変動費(例:仕入原価、販売手数料):50万円
固定費(例:賃料や正社員の固定給):30万円
【計算式】
損益分岐点
= 固定費 ÷{(売上高 - 変動費)÷ 売上高}
= 30万円 ÷{(100万円 - 50万円)÷ 200万円}
= 40万円
このケースの損益分岐点は40万円なので、それを超える売上があれば利益が生じます。
法人口座の審査が通る5つのポイント
法人口座を開設する際、銀行は様々な要因を考慮して審査を行います。
審査をスムーズに通過するためには、銀行が求める情報を正確かつ明確に提供することが重要です。
ここでは、法人口座の審査が通るための主要なポイントを解説します。
事業内容は明確に
事業内容を明確にすることは、審査において最も重要な要素の一つです。
銀行はあなたの事業が何を目的とし、どのようなサービスや商品を提供するのかを理解したいと考えています。
事業計画書には、ビジネスモデル、市場のニーズ、提供する価値、そしてどのように収益を生み出すのかについて詳細に記述しましょう。
明確かつ具体的な事業内容の説明は、銀行に対してあなたのビジネスの実現可能性を強く印象づけます。
許認可証を提示する
特定の業界では、事業を運営するために必要な許認可があります。
これらの許認可証を提示することで、あなたのビジネスが法的な要件を満たしていることを銀行に証明できます。
また、許認可証の提示は、ビジネスの信頼性を高め、審査過程でのポジティブな評価につながります。
取引先が関係する書類を用意
取引先との契約書や発注書など、事業活動が既に進行中であることを示す書類を用意しましょう。
これらの書類は、ビジネスが市場で活動している証拠となり、銀行に対して事業の実体があることを示すことができます。
特に、大手企業や信頼性の高い企業との取引がある場合、それらは審査において有利に働く可能性があります。
会社のホームページを作成
現代のビジネスでは、オンラインでの存在感も重要です。
会社のホームページを持っていることは、ビジネスの透明性と専門性を示すことができます。
ホームページには、事業内容、サービスや製品の詳細、連絡先情報を明記することで、銀行に対して事業の正当性をアピールすることができます。
すでに取引している方から紹介を受ける
信頼できるビジネスパートナーや取引先からの紹介は、審査において大きなプラスとなります。
これは、あなたのビジネスが業界内で認知され、信頼を得ていることの証明となります。
紹介者が銀行との良好な関係を持っている場合、その関係を通じて銀行の信頼を得ることが可能になる場合があります。
法人口座で断られる5つの理由
審査で落ちてしまう主な理由を理解し、事前に対策を講じることで、スムーズな口座開設の可能性を高めることができます。
ここでは、法人口座の審査で落ちる主な5つの理由とそれを避けるための対策を紹介していきます。
住所が一致しない
法人登記簿上の住所と、申請書に記載された住所が一致しない場合、審査が通らない可能性があります。
これは、銀行がビジネスの合法性と正当性を確認するための基本的なチェックポイントです。
登記情報の更新が遅れている場合は申請前に必ず最新の情報に更新し、すべての書類で住所が一致していることを確認してください。
事業内容が不明瞭
事業内容が不明瞭、または曖昧に記載されていると、銀行はビジネスモデルや事業の実態を正確に把握できず、審査に否定的な影響を与える可能性があります。
申請書には、ビジネスの具体的な内容、市場でのポジショニング、収益源などを明確に記述し、事業計画書を提出する際には詳細な情報を提供してください。
資本金が少ない
資本金の額が少ないと、ビジネスの財務安定性や成長の可能性に対する銀行の信頼を損なうことがあります。
特に、事業が大きな初期投資を必要とする場合や競争が激しい市場に参入する場合は、適切な資本金の額を設定することが重要です。
資本金は、ビジネスの信頼性と実行可能性を示す指標の一つと見なされます。
法人の実態が不明瞭
法人としての実態が不明瞭、すなわち実際にビジネス活動が行われている証拠が不足している場合、銀行はリスクと見なし、口座開設を拒否することがあります。
これを避けるためにはビジネスの運営に関する具体的な計画、既に取り組んでいる活動の証拠、取引先からの推薦状などを提出すると良いでしょう。
固定電話が無い
一部の銀行では、法人口座を開設するために固定電話番号の提供を求める場合があります。
これは、ビジネスの物理的な所在と安定性を示すための一つの指標です。
固定電話がない場合、モバイルやインターネット電話サービスを利用するビジネスも多いため、銀行によっては柔軟に対応してくれることもあります。
しかし、可能であれば固定電話を設置するか、その必要性について銀行と事前に確認することが望ましいです。
よくある質問Q&A
法人口座開設に関する疑問は、特に新設法人の経営者にとって重要なものです。
ここでは、法人口座開設に関するよくある質問とその回答をQ&A形式でご紹介します。
法人口座が作りやすい銀行はある?
A:法人口座の開設のしやすさは銀行によって異なりますが、一般的に地域密着型の銀行や中小企業に特化した金融機関では審査が柔軟であることが多いです。
また、最近ではネット銀行も人気があり、手続きの簡便さや迅速な対応で選ばれています。
法人口座で必要な書類は?
A:法人口座を開設する際には、以下の書類が一般的に必要とされます:
- 法人登記簿謄本
- 会社印鑑証明書
- 事業計画書
- 代表者の身分証明書
- 会社の印鑑(認印及び実印)
- 許認可証(該当する業種の場合)
これらは基本的な書類ですが、銀行によって追加で必要な書類がある場合もありますので、事前に確認しておきましょう。
法人口座を断られた時はどうすればいい?
法人口座の申請が断られた場合、他の金融機関での口座開設を試みるか、一時的に個人口座をビジネス用途に代用するという二つの解決策があります。
地域密着型の銀行やベンチャー企業に理解のある金融機関、ネット銀行は新しいビジネスモデルやスタートアップに対して柔軟な審査基準を持っていることが多く、審査落ちの原因を改善するための選択肢として検討する価値があります。
一方で、個人口座をビジネス用に使用する場合は、税務上の透明性を保ち、信頼性を損なわないように注意が必要です。
最終的には、審査落ちの原因を解消し法人口座の開設を目指すべきですが、その過程でビジネスの実態や将来計画を銀行にしっかりと伝えることが成功への鍵となります。
まとめ
法人口座開設に必須の事業計画書は、融資を受ける際や事業の情報を整理するために重要です。
事業概要、競合分析、財務計画などを含め、明確な事業計画書を用意することが審査成功の鍵となります。
審査落ちの理由には住所不一致や資本金の不足などがありますが、他の銀行で再申請するか個人口座を一時的に使用する選択肢もあります。
審査をスムーズに進めるためには、事業計画書をしっかりと準備して臨んでいきましょう。
大事な事業計画書を専門家に依頼することも可能ですので、今後融資を考えている方はなおさら専門家に依頼することも視野に入れてください。
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