会社を設立したい。
今は個人事業主・フリーランスだけど、会社設立はどうすればいいのか、そもそも会社設立はするべきなのか悩んでいる。
こんな方は少なくないのではないでしょうか。
結論、会社を設立したほうが節税になり、金銭面でお得になります。
しかしタイミングを間違えれば個人事業主やフリーランス時代より高く税金を支払わなければならないかも。
タイミングを把握した上で、果たして会社設立が自身にとってメリットなのかデメリットなのかを理解する必要があります。
本記事では個人事業主やフリーランスが会社設立することによる変化を提示するとともに、会社設立の適切なタイミング、さらに会社設立の手続きを詳しくご紹介していきます!
1人で判断するのが難しい方のために、記事の後半では気軽に頼れる専門機関についてもご紹介します。
会社設立するべきなのかどうなのか、悩める個人事業主やフリーランスの方がスムーズに決意できる道しるべとなれれば幸いです!
関連記事:会社設立を最短でしたい人必見!実際に設立するまでの5日間の行動録
会社設立はするべき?個人事業主・フリーランスとどっちがお得か知ろう
今は個人事業主やフリーランスとして活動していても、「売上拡大が順調」「事業規模が大きくなってきた」「従業員を増やしたい」などの理由で会社設立を検討する機会があるのでは。
そもそも会社設立はするべきなのでしょうか。
ご自身に合った事業形態で事業を運営していかなければ、税金面などで逆に損してしまうことがあります。
ここで会社設立と個人事業主・フリーランスそれぞれの特徴を理解し、どちらを選ぶのがお得か検討してみましょう。
より節税につながるのは会社設立
会社と個人事業主・フリーランスでは税金の種類が異なります。
個人事業主には個人の所得に所得税が課せられますが、法人には法人所得に対し法人税が課せられます。
法人税が適用されると必要経費として認められる範囲が広くなります。
また、個人事業主・フリーランスに課せられる所得税よりも税率が穏やかになっています。
そのため所得によっては、会社を設立し法人税を適用させたほうが節税につながるのです。
その他の特徴として、所得税の場合は売上が大きく上がってしまうと税率も大きくなってしまうという点があります。
法人税の場合は大きく売上が上がったとしても、税率は大きく変わらないです。
法人税のほうがお得になるタイミングは「事業所得が700万円を超えたあたり」と言われています。
関連記事:会社設立後の消費税免除のやり方を紹介!最大限得する為にやること2つ
手続きが簡単なのは個人事業主・フリーランス
個人事業主やフリーランスになるための手続きは簡単でしたよね。
税務署に開業届を提出するだけで個人事業主やフリーランスとして開業でき、費用がかかることはありません。
一方で会社を設立する場合は定款を作成し認証を受け、さらに資本金の払い込み、登録免許税として20万円ほどの支払いが必要になります。
提出書類も個人事業主やフリーランスより多く、手続きは煩雑と言えます。
関連記事:起業のカンタン設立手続き紹介!法人と個人事業主どっちがお得?
人を雇う/雇わないで大きく変わる
個人事業主やフリーランスのままでも、人を雇うことはできます。
ただし5人以上の従業員を雇う場合は社会保険への加入が強制となります。
事業利益が順調に上がっていきそうだなという場合は、会社設立をして社会保険を適用したほうがお得と言えます。
社会保険料は役員報酬の金額に応じて変化するため、報酬額をうまく設定すれば保険料の節約につながります。
また扶養家族の人数が多ければ多いほど社会保険のほうがお得。
国民健康保険のままだと収入のない専業主婦や乳児にも保険料がかかってしまいます。
社会保険だと被扶養者になれば保険料はかかりません。
さらに社会保険の負担による事業主の支出を増やし、所得に課される法人税を抑えるといった節税にもつながります。
関連記事:起業2年目に大事な分かれ道!税金・資金調達はこれで決まり!
会社設立を考えたいタイミングは「事業所得700万円超え」
個人事業主やフリーランスが会社設立するなら適切なタイミングがあります。
それは事業所得が700万円を超えたあたりです。
なぜかと言うと、所得800万円が所得税と法人税の税率がひっくり返るラインだから。
所得800万円に対する法人税は15%なのに対し、所得税は23%~25%と割高になります。
そのため所得700万円を超えたあたりから、800万円になるまでに会社設立を検討するのが適切なタイミングと言えるのです。
関連記事:起業はタイミングが重要!成功率を飛躍させる7つのタイミングを紹介
個人事業主・フリーランスが会社を設立するメリット
ここで具体的に、個人事業主やフリーランスから会社設立に移ることのメリットを見ていきましょう。
事業への信用度が増す
基本的には個人より法人であるほうが、社会的な信用度は高くなると言えます。
信用度が高いことにより、資金調達へのハードルが下がる・事業そのものへの信用度が増すことへつながります。
資金調達が容易になると事業がスムーズに運びますし、さらなる事業拡大が可能。
また事業への信用度が高いと優秀な人材も集まりやすいですね。
関連記事:創業融資の難易度は高い?審査通過率90%にする方法
所得によっては節税につながる
1章にて、会社設立を検討すべきタイミングは「事業所得が700万円を超えたあたり」と解説しました。
所得税と法人税の税率の大きさが逆転するのは、所得800万円からだからです。
800万円の所得を超えても個人事業主やフリーランスとして活動していると、多額の所得税により負担が大きくなってしまうと言えます。
節税のために会社を設立する方は少なくありません。
関連記事:会社設立で節税できる!法人にするだけで100万円以上節税も可能に
経費計上の幅が広がる
会社設立することで、経費に計上できるものの幅が広がります。
例えば事務所として使う物件の家賃や、従業員雇用の人件費などが該当します。
個人事業主やフリーランスだと私用と事業用の線引きが難しいですが、会社で私用の費用が発生するとは考えにくいため、経費として認められやすくなるのです。
関連記事:【2分でわかる】会社設立における経費について徹底解説
事業失敗における自身への負担が少ない
万が一事業に失敗した場合、融資など借入による資金調達を行っていたときの返済負担を考えると恐ろしいですよね。
ただし、会社を設立していれば個人として保証人を担うことがないため、自身への直接的な負担は少なくなります。
安心して資金調達ができるとも言えますね。
関連記事:創業時の救世主!2023年から創業融資で個人保証が不要な制度
個人事業主・フリーランスが会社を設立するデメリット
会社設立のほうがメリットが多そうだからと、すぐに行動に移すのはちょっと待ってください。
ここで解説するデメリットも同時に理解しておくことをおすすめします。
会社設立を決意してから「やっぱりやめておけばよかった」とならないようにしましょう。
設立手続きに費用がかかる
個人事業主やフリーランスは、無料で開業届さえ提出すればすぐに事業を始めることができます。
一方で会社を設立しようとすると、定款や登記の登録時に嫌でも費用が発生します。
資本金として最低でも300万円は準備したいところなので、0円で事業を始められる個人事業主・フリーランスと比べると事前の資金準備に工夫が必要でしょう。
関連記事:会社設立を格安にする裏技!設立費用はみんな100%一緒じゃない!
赤字でも納税義務が発生する
個人事業主やフリーランスが赤字となった場合に所得税・住民税の納税義務は課されませんが、会社が対象の法人住民税は赤字だったとしても支払わなければなりません。
資本金額に応じて、法人住民税の一部が課税される仕組みとなっているために納税義務が発生してしまいます。
例として東京都の場合、資本金が1,000万円以下かつ従業員が50人以下ですと、赤字だったとしても毎年7万円の納税が必要になります。
税務などが複雑になるため専門家が必要
会社設立には煩雑な手続きが必要です。
設立時だけでなく、設立してからも事務負担が増えたり、ややこしい税務申告が待ち受けていたりと、事業運営が全体的に手間になってしまいます。
商品開発やサービス運営など、事業の本質的な部分に時間を割けないようになってしまうと本末転倒です。
おすすめなのは、専門家としてCEOパートナーの紹介する税理士法人を頼ることです。
CEOパートナーでは、会社設立など事業立ち上げのサポートをプロとする税理士法人と提携を結んでいます。
全国からの相談件数No.1を誇る、実績ある税理士法人からのサポートを受けることができますので、会社設立において少しでも不安のある方はぜひ気軽に問い合わせてみてはいかがでしょうか。
個人事業主・フリーランスの法人化に必要な手続きはこれだ
個人事業主やフリーランスが会社設立するとき、大きく3つの手続きが必要になります。
- 商業・法人登記の手続き(法務局)
- 税金納付・保険加入の手続き(税務署/年金事務所など)
- 個人事業主廃業の手続き(税務署)
それぞれ詳しく見ていきましょう。
商業・法人登記の手続き(法務局)
まずは商業・法人登記の手続きを法務局にて行う必要があります。
手続きの流れは次の通りです。
- 会社の基本事項(商号、事業目的、本社所在地、資本金額など)を決める
- 会社の基本情報が記載された「定款」を作成する
- 公証人役場で定款の認証を受ける
- 発起人の口座へ資本金の振込を行う
- 登記申請書、定款、その他必要書類を添えて法務局へ商業・法人登記を申請する
設立するのが株式会社なのか、はたまた合同会社・合資会社・合名会社といった持分会社なのかによって、定款の認証を受ける必要性の有無が異なります。
株式会社として設立する場合は定款の認証が必須です。持分会社では必須ではありません。
その他の手続きの流れは会社の形態を問わず基本的には同じです。
関連記事:会社設立の資本金は最低1円!でも本当の最低金額は300万円から!
税金納付・保険加入の手続き(税務署/年金事務所など)
次に必要な手続きは、税務署や年金事務所などで税金納付・保険加入といった手続きとなります。
- 法人税納付のため税務署へ会社設立を申し出る
・・・【提出書類】①設立から2ヵ月以内の法人設立届出書、②設立から1ヵ月以内の給与支払事務所等の開設届出書 - 法人住民税・法人事業税納付のため本社所在地管轄の都道府県税事務所へ書類提出
・・・【提出書類】法人設立届出書 - 社会保険加入のため年金事務所へ設立5日以内に書類提出
・・・【提出書類】①健康保険・厚生年金保険新規適用届、②健康保険・厚生年金被保険者資格取得届 - 労働保険加入のため労働基準監督署へ従業員雇用から10日以内に書類提出
・・・【提出書類】①労働保険 保険関係成立届、②労働保険 概算保険料申告書、③適用事業報告、④時間外労働・休日労働に関する協定届 - 雇用保険加入のため公共職業安定所へ従業員雇用から10日以内に書類提出
・・・【提出書類】①雇用保険適用事業所設置届、②雇用保険被保険者資格取得届
税務署、都道府県税事務所、年金事務所への届け出はすべての法人が行う必要があります。
労働基準監督署、公共職業安定所への届け出は従業員を雇う場合のみ必要です。
1人でも従業員を雇う場合、正規雇用やアルバイト・パートなど、労働形態が何であっても届け出を行いましょう。
各書類には提出期限が決められています。事業に悪影響を及ぼさないよう、期限は守って提出するようにしましょうね。
関連記事:会社設立のスケジュール一覧!最短で終わらせるための6つの事前準備
個人事業主廃業の手続き(税務署)
最後に、個人事業主ではなくなった、ということを税務署へ申告、廃業手続きを行いましょう。
課される税金の種類や徴収義務が切り替わるため手続きが必要です。
- 「個人事業の開業・廃業等届出書」を税務署へ廃業1ヵ月以内に提出
- 「所得税の青色申告の取りやめ届出書」を税務署へ翌年3月15日までに提出
- 「給与支払事務所等の廃止届出書」を税務署へ廃業1ヵ月以内に提出(従業員雇用があった場合)
- 「事業廃止届出書」を税務署へ提出(消費税納税があった場合)
- 「事業廃止等申告書」を都道府県や市区町村へ提出
主に税務署への書類提出となります。これらを行わなければまだ個人事業主として事業継続していると捉えられ、余計に納税義務が発生するため注意しましょう。
事業廃止等申告書については、地域によって提出期限が異なります。
地域のホームページや問い合わせ窓口にて確認されることをおすすめします。
関連記事:【会社設立】サポートは税理士に依頼した方がいい3つの理由
自己判断が難しければ専門家を頼るが吉
会社設立するべきか、まだ個人事業主やフリーランスのままでいたほうがいいのか、自己判断するのはなかなか難しいでしょう。
タイミングを間違えると逆に不利な状況に置かれてしまう可能性だってあります。
ここでおすすめしたいのが、専門家のアドバイスを仰いで判断すること。
ぜひ安心して頼って頂きたい専門家をご紹介していきますので、参考にしてみてください!
関連記事:専門家に任せれば会社設立は簡単に!5分でわかる会社設立の全て
資金調達から手続きまで一貫した税理士サポート【CEOパートナー】
CEOパートナーとは資金調達を強みとした起業のコンサルティングサービスです。
会社設立を行うとき、新たに資金調達が必要となる場合もあるでしょう。
そんなときにCEOパートナーを頼ると、審査通過率を90%以上に上げながらも、申込に必要な書類作成をすべて丸投げすることが可能となっています。
会社設立するべきかどうか迷っている方も大丈夫。
起業に詳しいプロの税理士が担当として就いてくれ、事業の現状を見た上で会社設立に適切なタイミングをアドバイスしてくれます。
会社設立まで一貫したサポートを行ってくれるだけでなく、設立後も顧問税理士として引き続きサポートをお願いすることもできます。
2章で紹介したように、会社は税務や事務作業がかなりの負担となります。
ぜひCEOパートナーで出会った税理士を顧問に就けることをおすすめしますよ。
関連記事:創業融資は代行に頼もう!自力で申込むより100%審査に通りやすい
個人事業主・フリーランスにぴったり!地域の相談窓口【商工会・商工会議所】
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会社設立の相談はもちろん、設立時~設立後もサポートを活用して順調な事業運営につなげましょう。
関連記事:【122万人以上が入会!】創業融資は商工会議所を上手く活用して!
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悩みが漠然としていても、無料なのでまずは気軽に相談してみてはいかがでしょうか。
関連記事:必見!会社設立で悩んだときに相談できる無料の機関5選
まとめ
個人事業主やフリーランスとして事業を運営するより、会社設立したほうがさらなる事業成長につながる場合があります。
会社設立する適切なタイミングやメリット・デメリットを理解し、本記事で紹介した手続きを踏まえて準備を進めていきましょう。
タイミングを間違えないためにも、また設立に係る手続きに苦労して本業が疎かにならないためにも、4章で紹介した専門家をうまく頼りましょうね。
会社設立により事業がさらに発展されることを願っています!
コメント
コメント一覧 (8件)
[…] しかし、私生活に必要な日用品や法人税、法人住民税などは経費に計上することができません。 […]
[…] 中には会社には内緒で副業をし、個人事業主として起業された方もいらっしゃるかと思われます。 […]
[…] この調査では、個人事業主やフリーランスなどの自営業者として働く人たちの所得や経費などを集計しています。 […]
[…] また、法人税の電子納税にも対応しています。 […]
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[…] 新規事業開始予定、または開業後1年以内の法人および個人事業主が対象で、融資限度額は1,000万円以内とされています。 資金面以外にも、ひろぎんカードローンが50万円または100万円で […]
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