資金調達の一つの手段として近年注目を集めるファクタリング。
ファクタリング業者に依頼するのが一般的ですが、ファクタリングは銀行でも取扱いがあることをご存知でしょうか。
ここでは銀行系ファクタリングの概要と種類、メリット・デメリット、さらに銀行系を選ぶべきケースや注意点をご紹介していきます。
銀行系ならではの特徴を掴んで、ファクタリング選びの参考にしてみてくださいね。

ファクタリングの「銀行系」とは?

ファクタリングにはいくつかの種類がありますが、「銀行系」のファクタリングとはどのような特徴があるでしょうか。
ファクタリングの基本的な概念も合わせてまずはこちらを参考にしてください。

そもそもファクタリングとは
まず、ファクタリングとは事業者が保有している売掛債権や受取手形などをファクタリング会社に買い取ってもらうことで資金調達をすることです。
企業がサービスを提供したり、商品を納品したりしてから後日代金を回収するケースが多いですが、一般的にその代金を受け取るまでに一カ月から二カ月程度かかります。
その代金の回収を待っている間に運転資金が不足する可能性がある場合、ファクタリングサービスを利用して売掛債権や買取手形を買い取ってもらうことで代金の回収よりも早く資金を受け取れるという仕組みです。
銀行系は銀行が提供している
銀行系のファクタリングというのは、銀行が提供するファクタリングサービスのことです。
銀行が運営しているのでトラブルのリスクが低く、信頼度が高いのが特徴です。
また、銀行が出資しているファクタリングの子会社も銀行系ファクタリングに含まれます。
3社間ファクタリングのみ対応
ファクタリングには2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの二つの方法があります。
2社間ファクタリングは売掛先には知らせずに企業とファクタリング会社が直接契約する形式です。
また、3社間ファクタリングは売掛債権の売却について売掛先にも知らせ、同意してもらう形式になります。
3社間ファクタリングは透明性の高い取引が出来る一方で、入金までに時間がかかったり売掛先(取引先)の信用情報に影響を及ぼしたりするリスクもあります。

銀行系ファクタリングは4種類

銀行系ファクタリングは主に以下の4種類に分類されており、ニーズに合わせたサービスを受けることが出来ます。
4種類の内容は以下の通りです。

買取ファクタリング
買取ファクタリングは売掛債権などをファクタリング会社が現金化する方法です。
買取型のファクタリングは前項で説明したように2社間ファクタリングと3社間ファクタリング二つの方法があります。
早急に資金調達をしたい場合にはおすすめです。
保証ファクタリング
保証ファクタリングは現金化をするのではなく、保証が目的のファクタリングです。
この場合、ファクタリング会社は売掛債権に対する信用保証サービスを提供し、取引先が支払い不能に陥った際の損失をカバーします。
保証ファクタリングを依頼しておけば、売掛先が支払い前に倒産しても売掛金の相当額を保証してくれます。
国際ファクタリング
国際ファクタリングは、海外企業との取引の中で売掛金を確実に回収できるようにするためのファクタリングです。
国内取引に比べて代金未回収や連絡が途絶えるなどといったトラブルにより負担が大きいとされる海外取引ですが、複雑な貿易リスクをファクタリング会社が保証してくれるので安心して資金化が出来るメリットがあります。

一括ファクタリング
一括ファクタリングとは、債権者が債務者に対して持つ複数の売掛金を、銀行がまとめて買い取り、代金を企業の口座に振り込むサービスです。
この仕組みにより、銀行が売掛金の決済業務を一括して引き受けるため、納入企業は事務作業を大幅に簡略化でき、効率的に資金を確保できます。
一括ファクタリングでは、売掛先が主体となるのも大きな特徴なので、金融機関と売掛先が契約を交わさなければいけないのが買取ファクタリングとの違いです。
銀行系ファクタリングのメリット

ここまで銀行系ファクタリングのメリットを紹介しました。
では、実際に銀行系ファクタリングを利用するメリットを見ていきましょう。

信頼性が高く安心して利用できる
銀行系ファクタリングはサービスを提供しているのが銀行なので、信頼して利用できるのが大きなメリットです。
悪徳なファクタリング業者も存在し、高額な手数料を取られるケースもある中、銀行が運営しているファクタリングなら安心ですね。
手数料が低い
銀行経ファクタリングは一般的なファクタリングに比べても手数料が割安な傾向にあります。
銀行は会社間取引の状況や会社の信用情報も比較的手に入れやすく、資金も豊富にあるため、リスクが低いことから手数料も低く設定できるのです。

豊富な種類のサービス利用ができる
銀行系ファクタリングでは、4つのサービスが利用できる点が特徴です。
一方で、一般的なファクタリング会社が提供するのは主に「買取ファクタリング」のみとなっています。
特に「国際ファクタリング」や「一括ファクタリング」のような高度で専門的なサービスは、大手銀行ならではなので、銀行系ファクタリングならではの強みと言えるでしょう。
大口債権に対応できる資金力
銀行系のファクタリングは資金力のある銀行が行っているため、中小企業の資金調達はもちろんのこと、大手の会社の高額な売掛債権も買い取ることが出来ます。
大きな金額の取引を行う事業にとってはファクタリング会社の資金力は大きなポイントになるでしょう。
銀行系ファクタリングのデメリット
多くのメリットがある銀行系ファクタリングですが、もちろんデメリットもあります。
以下のデメリットも理解したうえで慎重に利用することをおすすめします。
審査通過が難しい
ノンバンクのファクタリングサービスなどでは売掛先の信用度を主に重視しており、ファクタリングの利用者の経営状態はほとんど影響しません。
しかし、銀行系ファクタリングの場合、売掛先と利用者の両社の経営状況や信用度が審査に影響するので審査通過が厳しいのです。
2社間ファクタリングの対応がない
銀行系ファクタリングは原則として3社間ファクタリングのみ対応しています。
2社間ファクタリングでは、売掛先に売掛債権の売却を知らせる必要がないため、信用情報への影響を避けられるのが特徴です。
しかし、3社間ファクタリングでは、売掛先への通知や承諾が必要で、取引関係に影響を与える可能性があるので注意が必要です。
入金まで時間がかかる
3社間ファクタリングは、2社間ファクタリングに比べて入金までの時間が長くなる傾向があります。
2社間ファクタリングでは、通常、即日から2営業日程度での入金が可能ですが、銀行系の3社間ファクタリングでは、入金までに1~2週間を要する場合があります。
3社間ファクタリングは透明性や信頼性が高い反面、手続きに一定の時間がかかることを理解し、計画的な資金調達を心掛けることが重要です。
利用情報が銀行の記録に残る
銀行系のファクタリングは銀行の記録に残ります。
ファクタリングの記録が必ずしも悪い影響を与えるとは言い切れませんが、何度もファクタリングサービスを受けていると良い印象は受けません。
利用目的を明確にし、利用回数は計画的に行いましょう。
小口債権の対応がないことも
メガバンクは資金力があるので大口債権の買い取りを得意としており、小口債権の対応がないケースもあります。
少額の利用をしたい場合は銀行が対応しているかどうかを確認することをおすすめします。
銀行系ファクタリングがおすすめのケース

銀行系ファクタリングの利用がおすすめするケースとして
- 取引先が3社間に協力してくれる場合
- 時間がかかっても手数料を抑えたい場合
- 信頼性の高い取引がしたい場合
- 負債を増やしたくない場合
などがあげられます。
以下で詳しく説明します。
取引先が3社間に協力してくれる
取引先が売掛債権の売却を承諾し、3社間ファクタリングに不都合なく協力してくれる場合には銀行系ファクタリングの利用をおすすめします。
3社間になると手間はかかりますが、低コストで信頼度の高いメリットを最大限に活用できます。
時間が掛かっても手数料を抑えたい
手数料を抑えてファクタリングサービスを利用したい場合には銀行系がおすすめですが、入金まで時間がかかってしまうので債権の現金化に急いでいない場合のみ有効な手段です。
信頼性の高い取引がしたい
会社の資金運用がかかっている重要な取引なので、透明性の高い機関との取引が望ましいですよね。
悪徳御者が潜んでいる可能性がある中で銀行という高い信頼性を持つ金融機関が関与するため、取引先にも安心感を与えられます。
負債を増やしたくない
銀行からお金を借りる場合には借入金という扱いなので負債となってしまいますが、売掛債権を売却するだけなので借金をしているわけではないので負債になりません。
財務上の経歴に負債が増えず、健全性を保つことが出来ます。
銀行系ファクタリングの注意点

銀行系のファクタリングを利用する際には押さえておきたい注意点がいくつかあるので、以下で紹介します。
償還請求権ありの契約になることも
一部の銀行ファクタリングでは、「償還請求権なし」という契約を結ぶことが多く、売掛先から売掛金を回収できなかった場合も利用者が支払う責任を負うことはありません。
しかし一部の銀行系ファクタリングでは「償還請求権あり」という契約を結ぶ可能性があり、その場合には万が一売掛金が回収できなかった場合に支払いの義務が生じることがあるのです。
銀行系ファクタリングを利用する際には契約内容に注意してください。
今後の融資に影響する可能性
ファクタリングは負債ではないのですが、利用状況によっては財務評価に影響を与え、将来の融資審査においてマイナス要素と見なされる場合があります。
「資金繰りがうまくできていない」という印象を与えかねないことを忘れないでください。
個人事業主は利用しづらい
銀行系ファクタリングは法人向けのサービスが中心なので個人事業主では利用できない可能性があります。
個人事業主でファクタリングサービスを利用したい場合は銀行系ではなく一般的なファクタリングサービスの利用も検討してください。

まとめ
銀行系ファクタリングは多くの利点を持つ一方で、すべての事業者に最適なサービスとは限りません。
自社のニーズや条件に合ったファクタリングサービスを慎重に検討することが求められます。
銀行系ファクタリングを受けることが最適か、審査を通過するかどうか不安な時にはプロに相談しながら進めていく方法もあります。
CEOパートナーは創業融資をはじめとした資金調達サポート数が全国No.1なので、ファクタリングについても相談を受け付けています。
まずは無料の電話相談から始めてみてください。
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