起業を考えたときにまず一番の問題になってくるのがお金の問題ですよね。
最初から余裕のある莫大な資金を元に起業する方もいますがそれは少数です。
大半の方は資金調達をして起業に向かいます。
借金があっても起業できるのだろうか、資金調達はどう行えばいいのか、過去に債務整理しているが大丈夫か。そんなお悩みをここでは解決していきます。
また資本金や法人と個人事業主の違いなど起業とお金について詳しく解説していきます。
起業とお金の4つの懸念事項について解説
冒頭でもお伝えしましたが起業を決意したら最初に考えるのがお金の問題です。
なんとなくお金がかかりそうだと漠然と思っていませんか?
実際お金はかかります。
では具体的に何にいくらかかるのか、そしてそれに付随する懸念事項を見ていきましょう。
起業にはいくらお金がかかるのか
法人の場合、法人設立に伴い、登録免許税や定款認証手数料などがかかります。
費用は法人の種類によって異なりますが、株式会社の場合はおおむね25万円前後、合同会社の場合は10万円前後が目安となります。
個人事業主の場合、開業にあたり開業届の提出が必要ですが税金の納付や資本金などは特に必要ありません。
税負担においてメリットデメリットがある
法人と個人事業主では課せられる税金の種類が異なります。
具体的には、所得税、法人税、事業税などで、個人事業主の方が一定の所得まで税率は低いですが、所得が上がるにつれて税率も上がります(累進課税)。
したがって、本業での儲けが増えれば増えるほど、同じ所得でも法人の方が課せられる税率は緩やかになります。
経費に関しては、法人の方が給与や賞与なども計上できるため、個人事業主と比べ経費計上できる範囲は広いと言えます。
そのため、節税という観点からみれば、法人の方がその恩恵を多く受けられるでしょう。
ここまで見ると法人で起業した方がメリットが多いように思えますが、最終手元に残る所得があるかどうかで、課税対象になるか否かが分かれます。
個人事業主の場合は、所得が赤字の場合は課税されません。
しかし法人の場合、会計上と税務上とで計算方法が異なり、会計上赤字でも税務上黒字となった場合は課税されるため、注意が必要です。
以上のことから、まずは個人事業主として起業し、事業がある程度軌道に乗り、利益が計上できるようになってから法人化を検討するのが得策ではないでしょうか。
自分のやりたい事業は初期投資がいくら必要なのか
起業する業界や職種、規模にもよりますが、中には限りなく0円に近い初期費用で起業することも可能です。
例えばWEBライター業やキュレーションサイト運営などは、事業を行うにあたって特別な免許や資格は必要なく、スマホやパソコン、ネット環境さえ整っていれば誰でもなれる(できる)チャンスがあります。
大きな初期投資がないという部分では、起業のハードルは低いと言えるでしょう。
また、ここ数年のコロナ渦の影響で需要が高まったUber Eats(ウーバーイーツ)も、アカウント登録と書類の提出のみですぐ始められるため、こちらも起業のハードルは低いと言えます。
まずは自分の興味ある分野で調べてみましょう。
関連記事:起業は借入を制して成功!審査通過率99%の裏技で1,000万融資
会社設立の準備資金の平均は500万円
日本政策金融公庫が公表している「2022年度新規開業実態調査」によると、開業時に必要な費用は、「250万円未満」が21.7%、「250万~500万円未満」が21.4%で、両者を合わせると4割以上を占めています(開業費用の平均値は1,077万円、中央値は550万円)。
また、開業時の資金調達額の平均は1,274万円で、うち自己資金が271万円、金融機関等からの借入が882万円となっております。
統計を見る限り、自己資金の調達額は年々減少傾向にあり、代わりに金融機関からの資金調達の割合が増えつつあるようです。
資本金を決めれば融資にメリットが!イチから解説
法人会社設立には資本金が必要になります。
資本金は非常に重要になってくるポイントで、特に事業における融資などでは資本金が明暗を分けるケースもあります。
創業融資などの資金調達を考えているなら融資においてメリットのある資本金設定をしていきましょう。
資本金とは
資本金とは事業を起こす際に準備する元手のことです。
株式会社の場合、自己で集めた資金(開業資金)、株主、投資家などの出資者から調達した資金が資本金として設定されます。
資本金は決算書上「返済義務のない自己資本」という性質を有していることから、借入金とは別扱いとなり、貸借対照表では純資産として計上されます。
資本金の決め方
会社を設立するにあたっては、資本金を決める必要があります。
かつての会社法では、有限会社は最低300万円、株式会社は同1,000万円と定められていましたが、2006年の法改正に伴い、資本金は原則として1円から自由に決められるルールになりました。
したがって、法律上は資本金1円で設定することはできますが、だからと言って安易に1円に設定するのはおススメしません(理由は後述)。
起業の際の資本金の平均は300万円~500万円
総務省が2021年に実施した経済センサス活動調査によると、日本企業の資本金金額の平均は、300万円未満が約11.3%、300万円以上500万円未満が約32.6%、500万円以上1,000万円未満が14.2%、1,000万円以上3,000万円未満が31.3%となっております。
こうして見ると1,000万円以上3,000万円未満の割合が一番多いですが、創業間もない段階での準備資金(自己資金のみ)で考えると、おそらく300万円~500万円の割合が、起業の実態に即した資本金額と言えるでしょう。
資本金によって融資が受けやすくなる
先ほど、安易に資本金を1円で設定するのはおススメしないと述べました。
なぜ、資本金を1円で設定するのがおススメできないのでしょうか。
理由は、創業間もない会社が資本金を1円で設定すると、対外的な信用を得られない可能性があるからです。
資本金は、「事業を起こす際の元手となる金額」という意味合いがあります。そして融資を受ける際に、金融機関の担当者が判断をするポイントにもなります。
資本金の金額は上記300万円から500万、あるいは半年から1年程度の事業期間で必要な運転資金の金額を目安として設定することが、ひとつの指標として相応しいでしょう。
余談ですが、もし資本金1円の企業が金融機関に融資を申し込んだ場合、多くの金融機関は、創業間もないという部分を考慮しつつも、まだまだ足元がおぼつかないであろう経営状況や、実態が伴っているのかどうか(単なるペーパーカンパニーではないか)を不安・疑問視します。
そして事業実態を証明する資料の提出を求めることが多いようですが、実務経験者の話を聞く限り、それで審査がスムーズに通ったという話はあまり聞かれません。
関連記事:起業したい人必見!皆ができる最大7200万円のお金を借りる方法
4つの資金調達の方法
何度も言いますが起業にはお金がかかります。
自己資金で足りなければ資金調達をしなければなりません。
そこで4つの資金調達方法をお伝えしていきます。
新創業融資制度
現在、日本政策公庫が実施している融資制度で、「新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を2期終えていない方」が対象となります。また、他の融資制度と併用することで、無担保・無保証人で利用できます。
融資限度額は3,000万円(うち運転資金1,500万円)。申込にあたっては、融資総額の10分の1以上の自己資金を確認できる方が対象となります。
利率は2.45~3.45%(条件によっては特別利率もあり)で、申込から融資実行まで、平均3週間程度を要します。
申込にあたっては、最寄りの支店にWEBにて予約し、事業計画書を作成の上、来店するとスムーズに案内が受けられます。
詳しくはこちら→新創業融資制度は無担保無保証・高額融資!新規開業者から人気No1
※新創業融資制度は2024年3月31日をもって終了しました。
銀行融資
もし、日本政策公庫から創業融資を受けられなかった、或いは希望の金額に届かなかった場合は、どうすればよいでしょうか。
その場合は、地元の地銀や信金に相談をおススメします。創業してから間もない場合、大手と呼ばれる銀行から融資を受けられる可能性は低いですが、地銀信金であれば、条件付き(保証人もしくは担保付、信用保証協会の保証付)で融資を受けられる可能性があります。
都道府県別の補助金・助成金
金融機関以外から資金調達する方法としては、国や地方公共団体が定期的に行っている助成金や補助金を申請するという手段があります。
どちらも国や地方自治体・公共団体から受給されるという部分では共通していますが、その過程に違いがあります。
■助成金
対象者や対象活動などの基準を満たしていればほぼ100%受給できるため、受給の難易度は低いと言えそうです。
反面、発表から締切までの期間が短いため、国や地方自治体のHPなどを逐一チェックしておくことが必要です。
■補助金
助成金と比べると受給金額は大きいですが、受給にあたって一定の要件が定められているのが殆どです。
件数や金額があらかじめ決まっているものが多いため、必ずしも受給できるわけではありません。
また、審査を受けるにあたって、書類の準備が必要なことや、一定の審査基準が設けられていることなどから、受給難度は高いと言えます。
ネット上で「各都道府県もしくは自治体名 助成金 補助金」で検索すると、たくさんの種類があることが分かります。
どれから手を付けていいのかわからないという方は、補助金や助成金の種類をまとめた情報サイトもあるようですので、まずはそちらを参考にしてみることをおススメします。
ノンバンクの融資
これまで紹介した資金調達が軒並み不調に終わってしまった場合の最終手段としては、ノンバンクがあります。
これまで紹介した各所と比較すると、申込から最短で融資が受けられることが大きな特徴でありメリットでもあります。
しかし、融資金額が少額(初めての方だと50~100万円前後が殆ど)であることや、金利も軒並み10~15%程度と高いことなどから、創業時において利用することはあまりおススメできません。
但し、一時的に資金繰りに窮した場合などは有効な資金調達の手段と言えるので、資金繰りが順調なうちに利用枠を作っておくことは有用と言えます。
創業融資は専門家におまかせ
創業融資を受けるには面倒な手続きや書類作成がつきものです。
起業準備で時間に限りがある中で事業計画書を作成したりその他の作業をするのは時間ももったいないうえに面倒くさいのが本音だと思います。
そんな時は最初から最後まで専門家に任せちゃいましょう。
日本政策金融公庫の創業融資がおススメ
創業時の資金調達は、日本政策公庫に相談することが先ずもってと言えるでしょう。
仮に金融ブラックとなり得るような事故情報(債務整理や破産)が過去にあったとしても、一定期間(目安5年以上)が経過していれば大きな懸念にはなりません。
むしろ、現在の手元資金の金額や事業経験年数、そしてしっかりとした事業計画書があれば、前向きに見てくれます。
創業融資手続きの面倒は税理士に丸投げ
しかし、いざ創業融資を受けようと思っても、HPを見てみると、分からない単語や聞いたことのない言葉のオンパレード、そして提出する書類のボリュームの多さに辟易してしまう人も多いかと思います。
そして何よりも、本業と並行して融資の準備(書類の作成をしたり、役所に書類を取りに行ったり)をすること自体、並大抵のことではありません。
いざ窓口で金融機関の担当者と話をしても、話がかみ合わなかったり、こちらの要望や希望が上手く伝わらないこともあります。
そうなると、せっかくの融資の機会をみすみす逃すことにもなり得ますし、本業にも集中できなければ、元も子もないですよね。
そんな時は、ひとりで不安にならないで、自分で何でもやろうと思わないで、その道のプロフェッショナルである税理士に依頼しましょう。
詳しくはこちら→創業融資成功への近道!事業計画書の正しい作り方
プロフェッショナルな税理士を見つけよう
一口に税理士と言っても、十人十色です。士業全般に言えることですが、その業界や業種に精通したプロフェッショナルもいれば、中には依頼したことしかやってくれない方もいます。
CEOパートナーは、創業融資の専門家である税理士を無料で紹介していますが、創業融資の手助けだけでなく、会計業務の補助各種経営アドバイスやコンサルなども行っております。
一度相談してみてはどうでしょうか。
借金があっても起業はできる
ローンなどを含めた借金がある方は多くいらっしゃいます。
そんな借金のある方は果たして起業できないのでしょうか。
そんなことはありませんのでご安心ください。
借金があっても創業融資は受けることができる
上記でも述べましたが借金があったとしても創業融資を受けることはできるのでしょうか。
結論から言うと、答えは「YES」です。
皆さんはこれまで、クレジットカードを作ったり、何かのローンを申し込む際、申込書に借入金額を記載したり、聞かれたりすることがあったかと思います。
金融機関が借入を聞く理由は、「返済能力の調査」―すなわち貸したお金をちゃんと返せるかどうかを判断するためです。
現時点で借入があったとしても、将来的に得る収入や利益で返済目途が立てられるかどうかが重要であり、借入がある=融資が受けられないというわけではありません。
しかし、融資が一番通りやすい(好条件で受けられる)条件を整えるためには、借入は少ないに越したことはありません。
申込の前段階でなるべく借入を少なくして、少しでも好条件で融資を受けられる状態にしておきましょう。
過去に債務整理していても起業はできる
前回の記事でも触れましたが、過去に何らかの金融事故(破産、債務整理、個人再生など)を受けていたとしても、ある一定期間(目安5年以上)を経過していれば信用情報から消えるため、創業融資を受けるチャンスはあります。
心当たりのある方は、先ずは一度自身の信用情報がどのように登録されているのかを、各信用情報機関に問い合わせた上で、それを基に金融機関の担当者に相談してみるのがいいでしょう。
関連記事:創業融資はブラックリストでも借りられる!金融ブラック5つの悲劇
法人と個人事業主でのお金の違い
前述でもちらほら解説してきましたが改めて。
法人と個人事業主では様々なところに違いがあるのですが、今回はお金にまつわる違いを見ていきましょう。
よく考えたうえで検討してみてください。
法人設立にかかるお金
起業の際にかかる費用は下記になります。
・法定費用+資本金
・株式会社:約25万円〜 合同会社:約10万円〜
かかる税金の種類はこちらです。
・法人税
・法人住民税
・法人事業税
・消費税
その他にも出てきますが条件にもよるので代表的なものを挙げました。
法人は事業にかかる費用の他にも自分の給与や退職金も経費として計上できるので個人事業主と比べて経費として認められる幅が広いです。
社会保険は会社が負担する部分があります。
個人事業主での起業にかかるお金
法人と違い起業の際にかかる費用は0円ですのでハードルが非常に低いですね。
かかる税金の種類はこちらです。
・所得税
・個人住民税
・消費税
・個人事業税
経費に関しても事業にかかる費用は基本的に計上できます。
ただし法人と違い自分への給与は経費にできませんので気を付けてください。
社会保険に関しては5人未満の場合は事業者負担分はありません。
まとめ
今回は起業するにあたっての方法、必要な目安資金、資金調達の方法について述べてきました。
ひと昔前と比べると、起業すること自体の物的・心的なハードルは下がり、必要な情報も幾分見つけやすくなりました。
しかし、起業のハードルが低くなったということは、=誰にでもなれる(できる)ということでもあり、すなわち競合数が相応に多いことを意味します。
例として挙げたWEBライターやウーバーイーツなどは、単なる副業程度であれば、空いた時間の有効活用としてはいいかもしれません。
しかしこれを事業(本業)として軌道に乗せていくのであれば、話は違います。
競合がひしめき合う中で生き残っていくためには、それなりの数や量をこなすだけでは成り立ちません。
価格面においても、サービス面においても差別化は必須ですし、何よりもオリジナリティを求められます。
これらを基に、顧客や取引先と良好な関係性を構築・継続していかなければなりませんが、一朝一夕でできるものではありません。
「石の上にも三年」「継続は力なり」などのことわざにもある通り、事業が軌道に乗るまで、相応の時間と労力、企業努力を要することを覚悟しなければならないと思います。
起業するにあたっての心構えとしては、「既存のビジネスモデルの問題点を見つけ、改善点を見出していく視点が必要」と言われています。
起業を通じ自分が何を実現したいのか、そのためには何をすべきかを考え、そのために必要な情報を取りに行くという姿勢が必要でしょう。
その過程において、この記事の内容が皆様のお役に立てたなら幸いです。
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