資金を調達するために融資を受けたい人のなかには、融資を受ける金融機関の候補として信用金庫を検討している人もいるでしょう。
街なかで見かけることもあり、なじみのある信用金庫から融資を受けたい人もいますよね。
実は、資金調達を信用金庫では、地域の経済活性化を目的としているため、融資を受けやすいメリットがあります。
ここでは、信用金庫で融資を受ける際の流れからやり方までをすべて解説します。
これから信用金庫に借入を申し込む予定の人や、どの金融機関を利用するか迷っている人は、今後の参考にしてみてください。
信用金庫の力を借りて、あなたの経営をさらにステップアップしていきましょう!
信用金庫での資金調達をおすすめする3つの理由
実は数ある金融機関の中で、信用金庫は資金調達を受けやすい金融機関です。
創業融資や経営を考えている方は特におすすめをしています。
- 中小零細企業を専門サポート
- 地域密着で長期的なパートナーにも
- 日本政策金融公庫との連携可能
これから信用金庫の特徴を知った方がより、資金調達がやりやすくなりますので、ぜひ参考にしてみてください。
中小零細企業を優先的にサポート
信用金庫は銀行と違って、融資の目的が地域の経済を回すことです。
そのため、融資のターゲットは中小零細企業を対象にしています。
もちろん、起業して間もない会社も対象なので、実績がまだないという会社の経営者にとって、もってこいな融資先だと言えます。
また、信用金庫では30万円以下の少額の融資も行っていますので、まずは少ない借りたいという人にもおすすめです。
信用金庫によってはカードローン等の借入相談ができますので、資金調達で迷ったら、一度信用金庫に相談しましょう。
地域密着で長期的なパートナーにも
信用金庫の目的として、地域の経済活性化であり、地域の人に根ざした運営をやっています。
そのため、他の金融機関よりも、一人ひとりに寄り添って相談にのってくれます。
地域独自の産業だけではなく、飲食店やサービス業でも快く相談にのってくれますので、近くの信用金庫に立ち寄ってみることをおすすめします。
さらには、相談のしやすさから経営者の長期的なパートナーになりえます。
借入の相談だけではなく、経営の相談もできるからです。
経営者はよく孤独と言われますが、何もかも1人で考えている訳ではありません。
上手くいっている経営者には、必ず相談相手がいるものです。
長く付き合える相談相手に信用金庫を検討に入れてみてください。
日本政策金融公庫との連携可能
創業融資で1番の融資先として「日本政策金融公庫」があります。
日本政策金融公庫は国が100%出資している機関ではあり、信用金庫と協力して融資を行ってくれます。
信用金庫と日本政策金融公庫が協力して融資(協調融資)を行い、両方のリスクを分散しながらも、創業者の融資希望を最大限にすることも可能なのです。
もちろん、2つの機関での審査は必要にはなりますが、高額な融資を検討している方にとって、希望融資額になる可能性が高まります。
信用金庫は少額のみの融資しかできないデメリットは、この日本政策金融公庫の協調融資によってカバーすることができるのです。
信用金庫の融資は2通り
信用金庫の融資では2つの融資のやり方があります。
それは、信用保証協会がつくか、つかないかの2通りです。
信用保証協会とは、企業の信用を手助けし、もしも企業が借入の返済ができなかった場合に創業者に代わって、弁済してくれる公的機関になります。
一方で、信用保証協会をつけずに、直接信用金庫に融資をすることも可能です。
それをプロパー融資と言います。
1つずつ説明していきます。
信用保証協会からの保証付き融資
事業者のほとんどは信用保証協会の保証付き融資を行います。
信用保証協会では、企業の「保証」を取り扱っています。
信用保証協会がつくだけで、融資審査の通過率は断然変わります。
なぜなら、万が一、企業が借入の返済ができなくなった場合に信用保証協会が代わりに弁済してくれるからです。
無償で保証してくれる訳ではなく、事業者が毎月保証料を支払わなければなりません。
信用保証協会付きの融資の場合は、まず信用金庫に融資の申込をする前に信用保証協会に申込をします。
信用保証協会の審査が通った後に、信用金庫の申込ができます。
もしものための保証を担保してくれるのは、保証料を差し引いたとしても大きなメリットになります。
信用金庫に直接融資(プロパー融資)
信用保証協会をつかずとも信用金庫に直接借入することも可能です。
ただし、企業のみの信用で審査されるため、融資審査のハードルが上がってしまうのは否めません。
信用保証協会がついていないため、信用金庫が貸し倒れする可能性もあるためです。
そのため、事業の規模が大きい場合に利用されることが多いです。
例として、東京東信用金庫の地域活性化ローン「粋」では、担保・保証料が不要で設備資金 1,000万円以内、返済期限10年以内です。融資条件として、税金滞納のない方になっています。
地域によって、様々な融資がありますので、お近くの信用金庫の融資をチェックしましょう。
信用金庫での資金調達の流れ
ここでは信用金庫での融資の申込から融資実行までの流れを解説していきます。
事前に何をやるのか分かっていないと、融資審査でも不利になってしまいます。
必要書類から説明していきますので、これから信用金庫に融資を検討している方は要チェックです。。
必要書類を集める
融資を申し込む前に必要書類を集めましょう。
以下が必要書類一覧になります。
その資料の概要を右にまとめています。
事業計画書 | 1番重要な書類。事業の内容・今後の具体的な計画を示す資料 |
資金計画書 | いつ・どこ・いくらお金が出入りするのかの計画を示す資料 |
借入計画書 | 借入をどれくらい行い、返済していくかを示す資料 |
会社案内や説明資料 | 会社・事業を説明する資料 |
不動産の登記謄本 | 所有している土地や建物を証明する書類 |
所得証明書・課税証明書・非課税証明書 | 個人の所得の証明、住民税の金額を証明する書類 |
確定申告書 | 確定申告を行った人の所得・納税を証明する書類 |
納税証明書 | 納めていない税金が無いことを証明するための書類 |
財務諸表 | 決算書とも呼ばれ、経営の状況が分かる資料 |
本人確認のための書類 | 運転免許証・マイナンバーカードなどの書類 |
上記は一例であり、申込者よって必要書類が変わってきますので、融資を申し込む信用金庫に一度確認しましょう。
信用保証協会へ申込・審査
信用保証協会付きの融資を行う場合は、信用金庫に申し込む前に信用保証協会へ申し込まなければいけません。
また、信用金庫によっては信用保証協会が決まっている場合がありますので、あらかじめ信用金庫にどの信用保証協会に申し込めばいいのか確認するようにしましょう。
信用保証協会の審査が通ったら、信用金庫にあっせんしてもらえます。
直接信用保証協会での申込をするよりは、信用金庫を経由して申し込んだ方が融資申し込みから着金までの時間が短縮できます。
申込者の状況や窓口の状況によって異なりますが、審査期間は2週間から1ヶ月程度です。
書類に不備があると審査期間が長くなってしまう恐れもあるため、準備をしっかりと行うようにしましょう。
なお、信用保証協会から申し込んだ場合、審査時に会社訪問や面談が行われる場合もあります。
信用金庫に申込
信用保証協会に保証をつけない場合は、直接信用金庫に申込をします。
その際はネットか電話で相談予約を取るようにしましょう。
事前に連絡を入れておくと、担当者が不在で対応してもらえないリスクを避けることができます。
信用金庫の担当者が面談を行い、上記のような必要書類を提出します。
2回目の融資によっては面談が省かれるケースもありますが、ほとんどの場合面談がありますので、以下の面談の記事を参考にして対策しましょう。
創業融資の面談で失敗しない!16質問の攻略で審査通過まで一歩前進
はじめて、信用金庫と取引する場合は信用金庫で口座開設が必要です。
口座の手続きには会社の謄本と印鑑、身分証明書が必要なので、上の必要書類と合わせて準備していきましょう。
審査・融資
信用金庫の審査通過後は、いよいよ融資を受けます。
融資のための必要書類が信用金庫から郵送されますので、その必要書類に必要事項を記載することによって、融資がスタートします。
融資方法は、口座振込が一般的です。
融資を受けた後は、毎月定期的に返済を行います
以上が、信用金庫での資金調達の流れです。
信用金庫は、中小企業や個人事業主にとって有利な融資先です。
しかし、信用金庫から融資を受けるには、信用保証協会との契約が必要です。
そのため、事前に必要な書類を準備し、事業計画や財務状況をしっかりと整理することが重要です。
信用金庫での資金調達に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。
信用金庫が見ている3つのポイント
創業者の方は信用金庫から融資を受けるためにはどのような条件が必要なのか、気になっていると思います。
信用金庫は、創業者の事業計画書を審査する際に、主に3つのポイントに注目しています。
それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。
事業計画書の現実性はあるか
信用金庫は、創業者が提出する事業計画書に対して、現実性があるかどうかを厳しくチェックします。
現実性とは、事業計画書に記載された内容が、市場や競合の分析、販売戦略や財務計画など、客観的なデータや根拠に基づいているかどうかを意味します。
信用金庫は長年の事業サポートの経験によって、事業計画書に盲目的な自信や根拠のない数字が含まれていないかを見抜く力があります。
そのため、創業者は事業計画書を作成する際には根拠のあるデータ・数字をセットにして提示しましょう。
資金の使い道が明確か
信用金庫は、創業者が融資を受けた資金をどのように使うかも重視します。
資金の使い道は、事業計画書に明確に記載する必要があるのです。
信用金庫は、資金の使い道が不明確だと創業者が無駄遣いをする可能性があると判断します。
そのため、創業者は、資金の使い道を具体的に示すことで、信用金庫からの信頼を得ることができます。
一番分かりやすく使い道を証明できるのが、見積書を出すことです。
見積書を出すことでどこで何を買うのか明瞭ですし、見積書を出すだけなら無料の場所もあるので資料として手軽に集めることができます。
創業者が経営者として信用があるか
信用金庫は、創業者自身の人柄や経歴も評価します。
創業者が経営者として信用があるかどうかは、事業計画書だけでは判断できません。
信用金庫は創業者と面談を行ったり、過去の信用履歴や経歴などを調べたりして、創業者の人間性や能力を見極めます。
事前に信用情報を調べたい場合はCIC等で確認することができますし、今までの事業経験があるかは創業者自身で説明できるようにしましょう。
信用金庫は、創業者が誠実で情熱的であり、事業に対するビジョンや目標が明確であることを求めています。
そのため、創業者は、自分自身をアピールすることも忘れないでください。
自分には事業経験がない、自信がないという方は専門家に無料相談しましょう。
創業融資の相談をすることによって、あなたが見えていなかったことを言語化し、自身の情報を整理することも可能です。
専門家はCEOパートナーで見つけることができます。
信用金庫で注意点はこの3つ
信用金庫は、地域密着型のビジネスモデルであり、顧客との信頼関係を重視しています。
それでも、信用金庫には注意点もあります。
ここでは信用金庫で融資を検討する前の資金調達における3つの注意点を紹介します。
大口の資金調達には向かない
信用金庫は、基本的には小口の資金調達に特化しています。
そのため、大口の資金調達には向いていません。
信用金庫の貸出限度額は、多くては数千万円程度です。
これ以上の大きな資金調達をする場合は、都市銀行やメガバンクなどの他の金融機関を利用する必要があります。
また、信用金庫は、自己資本比率や貸出残高などの規制にも厳しく縛られています。
地域が限定されてしまう
信用金庫は、地域密着型のビジネスモデルであるため、その地域に限定されてしまいます。
つまり、信用金庫の営業エリア外では、信用金庫のサービスを利用することができません。
例えば、東京都内に本社を置く企業が、大阪府内で新たな事業を展開する場合、大阪府内の信用金庫から資金調達をすることは難しいでしょう。
このように、信用金庫は、地域ごとに独立した組織であり、連携や協力が不十分です。
審査に時間がかかる
信用金庫は、顧客との信頼関係を重視しています。
そのため、資金調達の際には、顧客の事業内容や将来性などを詳しく審査します。
これは、顧客のニーズに応えるためやリスク管理のために必要なことですが、一方で審査に時間がかかるというデメリットもあります。
信用金庫の審査期間は一般的には1ヶ月程度です。
しかし、場合によってはそれ以上かかることもあります。
特に、新規開業や事業拡大などの場合は、事業計画書や収支予測などの資料を提出する必要があります。
これらの資料作成や審査に時間がかかると、資金繰りや事業スケジュールに影響が出る可能性があります。
まとめ
信用金庫の資金調達は、起業したばかりの企業にとって手軽に相談しやすく、利用しやすい方法です。
次に、事業計画書をしっかりと作成し、資金の用途や返済計画を明確にすることが必要です。
さらに信用金庫との信頼関係を築くことで今後の経営に対しても大事なパートナーになります。
成功のためには、これらのステップをしっかりと踏んで資金調達をしていきましょう!
資金調達のプロに相談することで、スムーズに融資をすることができますので、ぜひプロの力を借りていくことを考えてみてください。
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