※この記事は2024/03/18に更新しました。
創業融資っていくらくらい借りれるのか。
そもそも開業時にいくらくらいの費用がかかるのかわかりませんよね。
2023年の日本政策金融公庫のデータでは、開業費用が平均1,027万円、中央値が550万円です。
名刺や印鑑の費用、店舗の水道光熱費・賃料、オープン告知用の広告宣伝費などなど、開業にはお金がかかってしまうものです。
そんなときに、頼りになる創業融資。
無担保・無保証人で最大3000万円借りることができます。
今回は2023年のデータから創業融資の相場と平均、また融資額の目安になる算出方法を紹介します。
また開業時に必要になる自己資金についてもまとめています。
この記事を読んで、融資でどれくらい借りれるのかを計算し、開業の一歩を踏み出していきましょう。
さらに「創業融資」について総合的に知りたい方はこちらの記事も参考にしてみてください。
参考記事:創業融資を全解説!メリット・デメリットとQ&A10選
創業融資額の平均は768万円
みんないくらの金額で借り入れしているのか気になりますよね。
ここでは2023年日本政策金融公庫のデータをまとめて紹介していきます。
- 自己資金の平均は280万円
- 開業資金の平均は1,027万円
- 開業費用500万未満が4割以上を占める
金融機関の融資額は平均768万円で、2014年~2023年の10年間でも800万~930万円の間で前後しています。
創業融資の限度額はいくらまで?
創業融資は制度によって、融資できる限度額は異なってきます。
ここでは創業融資制度の一部の限度額を一覧にしてみました。
ぜひ参考にしてみてください。
制度名 | 限度額 |
女性、若者/シニア起業家支援資金 | 7,200万円(うち運転資金4,800万円) |
再挑戦支援資金(再チャレンジ支援融資) | 7,200万円(うち運転資金4,800万円) |
中小企業経営力強化資金 | 7,200万円(うち運転資金4,800万円) |
女性・若者・シニア創業サポート事業(東京都) | 1,500万円(運転資金のみは750万円) |
日本政策金融公庫の上限は実質1,000万円
日本政策金融公庫では、創業融資の上限を形式上は3,000万円と設定していますが、実際のところ、多くの場合で実質的な融資上限は1,000万円以内に収まることが一般的です。
実際には創業初期段階での事業では、運転資金の確保が最も重要とされる場面が多く多額の設備投資を伴わない事業が多いため、実質的には運転資金の上限である1,500万円内で融資を受けるケースが一般的です。
さらに、融資を受ける際の具体的な金額は、事業計画の内容や予想される収益性、返済能力などに基づいて慎重に判断されるため、多くの創業者が実際に受ける融資額は1,000万円以内に収まることが多いのです。
事業内容によって追加融資可能!
創業融資の額は、提出される事業計画の内容によって大きく変わります。
例えば、高い初期投資を要する製造業や特許取得などの研究開発を伴う技術系スタートアップの場合、より多額の融資を受けることができる場合があります。
事業計画において市場のニーズや将来性、収益性を明確に示すことができれば、融資機関からの評価が高まり、融資額の増額につながることも少なくありません。
さらに、日本政策金融公庫と信用金庫との協調融資で1,000万円以上の融資も可能です。
実際に日本政策金融公庫と信用金庫で2,000万円の融資を獲得した例があります。
参考記事:開業資金2000万円が通った!創業融資の体験談を大公開
いくらが妥当?融資額を決める4つの方法
ここでは融資額を計算する4つの方法を紹介していきます。
- 実際通る融資額は自己資金の4倍
- 運転資金は月商の3か月分
- 返済期間から融資限度額を計算
- 無料相談で専門家に聞く!
1つずつやり方を解説していきますので、自身の融資額はいくらになるのか確かめてみましょう。
一番手っ取り早く融資額を知りたい!という方は無料相談で専門家に聞くことをおすすめします。
CEOパートナーでは、自分に最適な創業融資の専門家を見つけることができます!
融資額は自己資金の4倍!
自己資金は多ければ多いほど融資は受かりやすくなりますが、自己資金でまかなえることができれば融資を検討することはないと思います。
そこでデータから融資を受けた人の自己資金額を算出しました。
日本政策金融公庫の「2023年度新規開業実態調査」によると、2023年度の自己資金の約4.2倍が融資額となっています。
これは2023年のデータとなりますが、前年の2022年は約4.6倍となっており、前々年の2021年では約4.2倍です。
融資額は自己資金の2.8〜4.2倍を目安にしましょう。
運転資金は月商の3か月分
金融機関の目安として融資額を出すのは月商の3か月分です。
月商とは月毎の総売上高になります。
事業に必要な資金でもある運転資金は3か月分で計算されることが多く、その理由として商品の仕入れから売上の回収までの期間が3~4か月間と言われているからです。
現在すでに事業開始しているなら、月商は前期の確定申告書や決算書から算出することができます。
これから開業するなら、月毎の月商はいくらになるのか計算してみましょう。
返済期間から融資限度額を算出
一般的に「利益+減価償却費」の10倍が、融資を受けられる最大の金額だと言われています。
利益は年単位の利益であり、減価償却費(げんかしょうきゃくひ)は簡単にいうと業務で使用する経年劣化する資産の経費です。
例えば、業務で使用するパソコンや店舗の費用などと言われています。
「×10」は返済期間が10年ということを示しています。
これは会社の利益と経費の10年分を表しています。
会社の利益と経費を元手に10年間返済するイメージです。
一般的に融資限度額を算出する場合は10年以内です。
よりシビアな数字が知りたいのであれば、5年、もしくは実際の返済期間で計算してみましょう。
無料相談で専門家に聞く!
融資額の平均や算出方法を解説してきましたが、確実に融資額を知ることができるのは創業融資のプロである税理士に聞くことです!
融資先でもある金融機関に直接聞くのもいいですが、担当者の知識や経験によって判断される場合があります。
創業融資を何度もサポートしてきた税理士のような専門家であれば、いくらの融資を受けることができるのか、融資を増額することが可能かを総合的に判断してくれます。
創業融資に成功も失敗もしてきたプロに依頼することが重要です。
国から認定を受けた、しかも創業融資の専門家を探すのは大変ですが、この「CEOパートナー」に依頼することで解決します。
CEOパートナーは融資を受けたい創業者と税理士をつなげるマッチングサービスです。
融資を受けることができなければ料金はかからない成功報酬制なので、ぜひ利用しましょう。
意外?自己資金だと認められる7つのもの
基本的に、自己資金は創業者の通帳でチェックされます。
今までお金の流れといつから貯めているのかを一緒に見ることができるからです。
もちろん預貯金すべてを使うつもりは無くても大丈夫です。
預貯金には400万円ありますが、創業資金として300万円利用するつもりだと伝えることで自己資金は300万円だと判断されます。
ここでは預貯金以外でも認められる自己資金を7つ紹介していきます。
預貯金はないけど、意外と自己資金があった!となるケースもありますので、融資を考えている方は要チェックです!
出資理由がある第三者からの出資
親、兄弟、親類からの出資でも贈与契約書が必要ですが、自己資金として認められます。
しかし、出資してくれた方の経済状況があまり良くない場合は、返済が生じる可能性から自己資金として認められないこともあります。
自己資金は返済する必要がない資金ですので、明らかに贈与したと分かるようように贈与契約書を書きましょう。
また、知人でなくても出資の理由が明確であれば、これも自己資金として認められます。
2023年度新規開業実態調査では、親族・友人等の出資も全体で5%程度もありますので、親や兄弟、友人に起業のこと話して、支援をお願いすることも視野に入れませしょう。
配偶者名義の貯金
配偶者名義の貯金も、特定の条件下で自己資金とみなされます。
大切なのは、配偶者の明確な同意を得ることです。
この同意をもって、配偶者名義の貯蓄を事業資金として活用することが認められる場合があります。
退職金
退職金は、自己資金として認められる典型的な例です。
退職金の額は源泉徴収票などの証明書類を通じて証明できます。
勤務先に退職金額を確認し、退職前にその額を事業計画にどう組み入れるか検討しましょう。
補助金や助成金
国や地方自治体、民間団体から提供される補助金や助成金は、返済の必要ありません。
そのため、自己資金として非常に魅力的な自己資金です。
これらの資金を活用することで、事業の立ち上げや運転資金の確保に大きな助けとなります。
ただし、補助金や助成金は後払いでの支給になるため、一度支払いをしてから経費として請求する制度になるので注意が必要です。
車や土地・建物などの資産の売却金
車、不動産、株式や投資信託、有価証券などの自己資産を売却して得たお金も自己資金として認められます。
これらの資産売却によって得られる資金は事業の立ち上げや発展に貴重な資源です。
資産売却を検討する際はその保有状況や市場価値を正確に把握し、適切なタイミングで行動することが重要です。
すでに事業のために使ったお金
事務所や店舗の賃借料、設備購入など、事業に必要な費用を既に支払っている場合、それらの支出も自己資金として認められることがあります。
支出した費用の領収書があれば、これらを自己資金として融資機関に提示することができます。
事業に既に投じた資金を自己資金として認めてもらうことは、融資獲得のための有効な戦略の1つです。
保険の解約返戻金
解約返戻金を持つ保険や子供の学資保険も、自己資金として活用できます。
積立型の生命保険などは、解約することでまとまった資金を得ることが可能です。
解約を考えている場合は、保険会社に事前に確認を取りましょう。
自己資金として認められない資金
起業のためにコツコツお金を貯めていても、自己資金と認められないものがあります。
以下の3つは原則NGです。
- タンス預金
- 出どころが分からないお金
- 返済義務のあるお金
融資を申し込むときに自己資金が足りなくて、融資を受けることができなかったと後悔する前にこちらは確認しときましょう。
1つずつ解説していきます。
タンス預金
自分で貯めたお金だとしても認められないのが現金での貯金です。
俗にいうタンス預金は自己資金に認められません。
認められない理由は「自分で貯めたという経緯を証明することができないからです。
現金で貯めてしまうとどこから入ってきたお金なのかを調べることができません。
自己資金は必ず口座に預金しましょう。
出どころが分からないお金
これはタンス預金とも同じことが言えるのですが、出どころがはっきり分からないお金は自己資金として認めらません。
記帳されていたとしても、どこからの入金なのか確定することができない場合は難しいです。
仮に出どころが分からないお金が入っている場合は見せ金だと判断される可能性もあります。
見せ金とはあるようでないお金のことを言い、例えば他の銀行からの借り入れを一時的に入れたまさに見せるだけのお金のことを言います。
もし親戚から支援金をもらう場合は現金ではなく、口座振込で誰からもらったのかを通帳で証明しましょう。
返済義務のあるお金
カードローンや友人知人等に借りたお金は自己資金としては認められません。
例えば親からお金をもらうのはOKですが、借りた場合は自己資金として見られません。
返済義務ではないお金のみを自己資金になりますので、原則返済義務のない給付金や補助金制度を利用することをおすすめします。
希望金額を通す3つのポイント
希望の融資額を通すためには3つのポイントがあります。
金融機関は創業融資の審査時に以下を見ているので、チェックしてください。
- 収益が取れる事業計画書
- 自己資金3割が目安に
- 6年以上の職務経験
必ず見られるポイントです!これから1つずつ説明していきます。
収益が取れる事業計画書
事業計画書から融資先の金融機関は返済能力があるのかを見ています。
金融機関も返済が難しいと判断した場合はもちろん審査を通すことができません。
創業者は収支の数字を確認し、開業後も資金繰りに困らないように計画しなければなりません。
事業計画書は重要なものですので、創業融資のプロと一緒に作成することが審査通過率をあげるポイントです。
もし事業計画書作成に不安がある場合は、融資のプロである税理士に相談することをおすすめします。
事業計画書についてさらに知りたい方はこちらの記事もチェックしましょう。
関連記事:【創業融資】審査員の心を掴む事業計画書!最重要項目4つを解説
自己資金3割が目安に
日本政策金融公庫の自己資金要件は創業資金総額の10分の1だと記載されいますが、実際のデータから見ると審査に通るのは自己資金が創業資金の2~3割程度です。
自己資金の要件がない融資制度もありますが、自己資金0だけでも融資を受けることはできますが、審査通過率のハードルは上がります。
また自己資金が事業への本気度と経営者としての素質も見られますので、創業資金の3割を目安に用意していきましょう。
自己資金が無くても、事業計画や条件によって免除される場合がありますので、以下の記事も参考してみてください。
関連記事:創業融資は自己資金なしでも大丈夫!7つの条件で自己資金要件が免除
6年以上の職務経験
日本政策金融公庫では6年以上の事業経験があることが望ましいとされています。
6年未満の方は前職の経験を活かし、事業経験にプラスにすることもできますので自身の経歴を改めて書き出してみましょう。
例えばアパレル経営しか経験のない方がアクセサリーショップを開業しようとした時に、洋服と一緒にアクセサリーを売った経験を足すことも可能なのです。
最終的には融資の審査は人が行いますので、面談時に事業に関しての情熱も上手く伝えていきましょう。
まとめ
創業融資の融資額や自己資金の平均をまとめてきましたが、業種や計画によっては融資額が変動していきます。
自分で計算できる方法もありますが、収益や損益計算をしてみないと本当の融資額を算出することはできません。
融資先の窓口で聞くのもありですが、融資額を増やすためにも創業融資のプロでもある税理士に相談しましょう。
近くに創業融資に詳しい人がいないなら、この「CEOパートナー」を利用しましょう。
あなたの状況や業界によって最適な税理士を紹介してくれます!
希望通りの融資額を受け、さらにあなたの事業を展開できるようにしましょう。
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