会社を設立してもその後には各所に届出を提出しなければいけなかったりとやることが沢山あるのが現実です。その届出を提出しないだけで本来であれば税務署から送付されてくる書類(法人税や消費税等の税金に関する書類)が送られてこず、申告漏れにつながる可能性があります。それだけでなく本来貰えるはずの恩恵を貰えなくなってしまうなど経営者としてはデメリットしかありません。
そこで会社設立したその後にするべき7つのことをご紹介したいと思います。また、会社設立すれば節税になると思っている方もいらっしゃるでしょう。そんな方に令和5年の10月から導入される新しい仕入税額控除の方式「インボイス制度」についてもご紹介したいと思います。
会社設立はゴールではなくスタートです。成功への一歩を踏み出す為にもまずはやるべきことをしっかりとこなしていきましょう!
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会社設立したその後にするべき7つのこと
会社を設立するまでにたくさんの書類を作成して各所に提出したと思います。設立できたから書類作成はおさらば!と思っている方。設立したその後も提出しなければいけない届出が多数存在します。本章では会社設立したその後にするべき7つのことをご紹介していきます。
関連記事:起業後の開業届出の手続きは5つの書類があれば安心!
税務署への届出
税務署に提出する書類は以下の4種類の法人税や消費税の納付のための届出が主になります。
- 法人設立届出書(会社設立後2カ月以内)
- 青色申告書の承認申請書(会社設立後3カ月以内)
- 給与支払い事務所等の開設届出書(会社設立後1カ月以内)
- 源泉徴収税の納期の特例の承認に関する申告書(原則として、提出日の翌月に支払う給与などから適用則として、提出日の翌月に支払う給与などから適用)
法人設立届出書は会社設立した後2ヵ月以内に提出が必要な書類です。定款の写しを添付して届け出ます。
青色申告書の承認申請書は任意で提出する書類です。申請書を提出することで会社設立直後から、欠損金の繰越控除などの面でメリットがあります。この恩恵を受けるのであれば会社設立から3か月以内に届け出ましょう。
給与支払い事務所等の開設届出書は会社設立にともない給与支払いを開始し、源泉徴収義務者となる場合に提出が必要な書類です。給与払いがある際は設立から1か月以内に届け出が必要です。
源泉徴収税の納期の特例の承認に関する申告書は源泉所得税を納付する手続きにかかる手間を省くための書類です。こちらは任意になりますが原則として、提出日の翌月に支払う給与などから適用となります。
その他にも資本金が1000万円を超えている場合に提出する「消費税の新設法人に該当する旨の届出書」や基準期間等の課税売上が1,000万円を超えた場合に提出する「消費税課税事業者届出書」が挙げられます。どちらも明確な期限は決まっていませんが速やかに手続きを済ませましょう。
都道府県税事務所への届出
都道府県税事務所には法人設立届出書の提出が必須です。東京23区内であれば会社設立からおおむね1ヵ月以内に定款の写しや登記事項証明書の写しと一緒に届け出ます。しかし、都道府県により名称であったり添付書類、期限が異なることがあるのでご自身の提出する都道府県をご確認ください。
市町村役場への届出
会社設立した会社の所在地がある市町村役場に法人設立届出書の提出が必須です。しかし、東京都23区に関しては、都税事務所と別に提出する必要はありません。都道府県税事務所と同じく定款の写しや登記事項証明書の写しを求められることが多いようです。こちらもおおむね1か月以内が提出期限ですが、各市町村の役場によって異なるので事前に確認しておきましょう。
年金事務所への届出
年金事務所には3種類の届け出が必要になります。
- 健康保険、厚生年金保険新規適用届
- 健康保険、厚生年金保険被保険者資格取得届
- 健康保険被扶養者(異動)届
健康保険、厚生年金保険新規適用届は1人で会社を運営しても誰かを雇うも関係なく提出が必須になります。社会保険に加入義務がある事業者すべてが届け出なければいけないものなので忘れずに届け出ましょう。期限は会社設立後5日以内となっています。
健康保険、厚生年金保険被保険者資格取得届は従業員など自分以外の加入すべき人がいる場合に届け出ます。事実発生から5日以内に届け出ましょう。
健康保険被扶養者(異動)届は新たに被保険者になった人に被扶養者がいる場合や、被扶養者の追加・削除・氏名変更などがあった場合に被保険者が事業主を経由して申請が必要な書類です。上記と同じく事実発生から5日以内に届け出が必要です。
ハローワークへの届出
ハローワークでは雇用保険についての手続きを行います。
- 雇用保険適用事業所設置届
- 雇用保険被保険者資格取得届
雇用保険適用事業所設置届は用事業所に該当する場合(労働者が1人でもいる場合)に必要な届け出です。働基準監督署で労働保険に関する手続きを行った後に手続きを行います。提出期限は適用事業所になった日の翌日から10日以内です。
雇用保険被保険者資格取得届は雇用保険に加入する労働者がいるときに提出する書類です。雇用日の翌月10日までが期限なので雇用保険適用事業所設置届と一緒に届け出るといいでしょう。
労働基準監督署への届出
労働基準監督署では、労働保険のうち、労災保険に関する手続きを行います。労働者が1人でもいる場合には届け出が必要です。
- 労働保険、保険関係成立届
- 労働保険、概算保険料申告書
- 適用事業報告書
労働保険、保険関係成立届は労働者を1人以上雇用した場合に必要な届け出です。記事項証明書と賃貸借契約書等(事業所の実在を確認できる書類)を添付して提出します。期限は保険関係の成立の翌日から10日以内です。
労働保険、概算保険料申告書は労働保険料の見込み額を納付するための書類です。保険関係の成立の翌日から50日以内に提出します。
適用事業報告書は労働基準法の適用を受ける事業所(労働者を使用することになったとき)が提出しなくてはならない書類です。期限は決められていませんが会社設立後速やかに提出する必要があります。労働保険、保険関係成立届と一緒に提出することが多いです。
法人口座開設のための届出
法人口座は会社設立前には開設できません。できるのは会社設立後です。法人口座を開設する上で必要になるのは「新規届出書」です。金融機関などで口座開設をする場合は必ずこの新規届出書を提出する必要があります。期間はありませんが会社設立後にできるだけ早めに手続きを進めましょう。
会社設立後に消費税の仕入税額控除するならインボイス制度!
会社設立すれば節税になると思っている方もいらっしゃると思います。事実、会社を設立することで節税が可能です。節税の話をするのであれば欠かせないのが令和5年の10月から導入される新しい仕入税額控除の方式「インボイス制度」。既に会社設立をしている人でもあまり理解していない方もいらっしゃると思います。そこで本章ではインボイス制度についてご紹介していきます。
関連記事:会社設立経験者が教える!サラリーマンが会社設立する5つのメリット
インボイス制度の概要
インボイスとは「売手が、買手に対し正確な適用税率や消費税額等を伝えるための手段」であり、一定の事項が記載された請求書や納品書その他これらに類するものをいいます。請求書や納品書、レシートなどのその書類の名称は問いません。そしてそのインボイスを受け取った者のみ、消費税の仕入税額控除が受けれる制度の事をインボイス制度といいます。
インボイスを交付できるのはインボイス発行事業者に限られます。登録申請を行い、登録を受けることでインボイス発行事業者となります。課税事業者でなければ登録を受けることはできなので注意が必要です。
ちなみにインボイスという書類を新たに作成する必要はありません。今まで使用していた請求書や領収書等に不足する項目を追加するイメージです。様式の定めはなく、また手書きであっても記載事項を満たしたものであればインボイスになります。
参考資料:インボイスとは(国税庁)
参考資料:免税事業者の皆様へ(国税庁)
免税事業者のメリットデメリット
インボイスを発行できるのはインボイス登録を行った課税事業者のみです。免税事業者は課税事業者に切り替えなければインボイス発行事業者にれません。しかしインボイス発行事業者になることで免税事業者としてのメリットがなくなってしまいます。そのため免税事業者は免税事業者のままでいるか、課税事業者になってインボイス発行事業者となるか判断しなければいけません。課税事業者となってインボイス発行事業者登録を行った場合と、免税事業者のままインボイス発行事業者にならなかった場合のメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット | |
課税事業者となってインボイス 発行事業者登録を行った場合 |
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免税事業者のままでいる場合 |
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課税事業者のメリットデメリット
もちろん課税事業者もインボイス発行事業者になるかならないかは自身で決めることができます。インボイス発行事業者の登録を行った場合と行わなかった場合のメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット | |
インボイス発行事業者の登録を 行った場合 |
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インボイス発行事業者の登録を 行わなかった場合 |
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参考資料:東京商工会議所早い段階で税理士と繋がっておこう!税理士に頼れる4つのこと
「会社設立するなら税理士と契約しろ!」と耳にしたことはありませんか?
会社を設立するとやらなければいけないことがたくさんあるのは1章でお伝えしました。それとは別に毎年の決算であったり、税務関係の書類を作成したりとやらなければいけないことはまだまだたくさんあります。
税理士は費用はかかってしまいますがそれらの問題を解決してくれます。1人じゃ難しく時間がかかることも税理士を頼ることで効率的になります。本章ではそんな税理士に頼れる4つのことをご紹介します。
決算・確定申告に関すること
決算や確定申告といった税務関係の書類は疎かにしてしまうと社会的信用度が下がってしまいます。また、税金を余分に払ってしまってたり、逆に払っていなくて脱税したとされてしまうことがあります。知識がないと難しく時間がかかってしまう税務関係の書類を税理士に任せることで確実に、安心して会社経営をすることができます。
関連記事:起業するなら0円で税理士と出会おう!税理士に相談できる9つのこと
関連記事:【会社設立】サポートは税理士に依頼した方がいい3つの理由
各種申請・届出書の作成
決算や確定申告と同じく、各種の申請や届出書の作成は知識がないと難しいです。税理士なら作成から申請までひと手に担ってくれます。従業員を雇うと給与明細の作成も必須ですが、それも税理士に任せることが可能です。本来であれば時間がかかることも税理士に任せることで自身は会社経営の方に専念できるのも税理士もメリットです。
節税・税務に関すること
会社設立は節税とよく耳にするかと思います。会社設立をすることで経費にできる範囲が広がり節税が可能です。しかし範囲が広がる分、事務的な負担が増えます。そういった事務作業も税理士に任せることが可能です。その他の節税に関する相談や経営に関する相談も税理士にすることができます。2章でご説明したインボイス制度の事も相談できるのでおすすめです。
融資などの資金調達
意外かもしれませんが融資などの資金調達は税理士に任せることができます。融資に強い税理士であれば融資を受けるためのサポートをしてくれます。CEOパートナーであれば自身に合った税理士を紹介してくれます。融資を受け取るまで相談は完全無料です。総額140億円の融資サポート実績があるので安心して任せることができます。融資の相談を税理士にしたいのならぜひCEOパートナーにご相談ください。
まとめ
会社設立したその後にもやるべきことというのは無くなることがありません。しかしそれらをこなさないと成功とは言えないのです。冒頭でお話した通り、会社設立はゴールでなくスタートです。ただ、1人ですべてをこなすのには限度があります。そんな時は税理士を頼りましょう。効率的で尚且つ成功への近道は「1人で抱え込まず頼るべきところは頼る」です!
いいスタートを切るためにもやるべきことはきちんとこなして成功へ一歩を踏み出していきましょう!
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