開業時に知っておくべき運転資金の全て!プロが教える3つのポイント

開業時に知っておくべき運転資金の全て! プロが教える3つのポイント

開業の成功は、アイデアの素晴らしさだけで決まるものではありません。
実際には、どれだけしっかりとした運転資金を確保し、それを効率的に管理できるかが鍵を握ります。

特に運転資金は、日々の事業運営を支えるための基盤となるものです。
運転資金がしっかりと確保されていれば、ビジネスの安定性が高まり、成長の機会を逃すことなく活用できます。

この記事では、運転資金の基礎知識から調達方法、管理のポイントまでを網羅し、多くの方がが直面する可能性のある資金繰りの課題に備える方法を紹介します。
運転資金をしっかりと把握し、安定したビジネス運営を目指しましょう!

目次

運転資金の基礎知識

運転資金とは、事業運営していく中で必要な費用だという事は想像できますが、実際にどのくらい必要で、どのように調達するかということを知っていますか?

事業の収益だけに任せて運営をしていくのはリスクが高いので、順調に事業を進めていくための資金を賄う運転資金を準備しておく必要があるのです。

まずは運転資金と呼ばれるものはどんなものか、どの程度必要になるかをまとめましたので参考にしてください。

正しい運転資金の理解をして、事業開始の準備を始めていきましょう。

運転資金とは何か?

運転資金とは、事業を続けていくために必要になる資金のことです。

もちろん運営していく中で利益を得ていく中で、その利益を運転資金に充てることも出来ます。

しかし、ビジネスの形によって、その場で売り上げたものがすぐに現金化されて収益になるものもあれば、商品を納品してから後に振り込まれる売上金がある場合もあり、支出と収支のタイミングが異なることがあります。

運転資金が必要になるタイミングや用途はビジネスによって異なるため、事業運営を継続的に行うためにはある程度余裕のある運転資金を持っている事が大切です。

運転資金の内訳

運転資金の内訳には「変動費」と「固定費」の二つの種類があります。

変動費の特徴は、売上や仕入れ費などによって日々変動することです。商品やサービスを通じたビジネスに密接に関連し、生産量や販売量の増減に比例します。

それに対して固定費の特徴は、売上や仕入れの金額等に関係なく、一定額発生するということです。賃貸料や管理職の一定額の給与支払いなどが固定費に該当します。

変動費と固定費の理解を深めることで、コストの削減やサービスの見直しなどに繋がります。
固定費の割合が多い場合、売上に関係なく毎月決まった費用が発生するため、事業を圧迫する可能性も考えられます。
ですのでまだ売上が安定していない間は、固定費を抑える工夫が必要です。

運転資金の種類

運転資金の種類として、つの種類があります。

経常運転費運転資金というと、ほとんどの場合この経常運転費を指します。これは通常経営を運営する中で必要な資金です。人件費や光熱費、材料費、賃貸費などを指します。
増加運転費事業の拡大や、成長を見込んだ初期投資は増加運転費に当たります。生産量を増やしたり、新たなプロジェクトを始める際には通常よりも多くの資金を使うので、それを賄うためのものです。最初はマイナスになりますが、事業拡大が成功すれば後から大きな収入になって戻ってくる可能性があります。
減少運転費増加運転費と反対に、事業を縮小する際にかかる運転資金を指します。事業が不調になった場合、人件費や仕入れの費用が売り上げに対して過剰にかかる場合があります。その際の過剰な費用を運転費用で賄います。
季節運転費季節や決まった時期にのみかかる運転費を指します。夏冬の冷暖房費、従業員へのボーナス、季節の行事の飾り付けなどといった、一時的な運転費のことです。

この4種類を正しく理解することで運転資金の管理がしやすくなります。

運転資金の計算方法

運転資金の計算方法ですが、運転資金の計算式があり、それに合わせて算出することが出来ます。

計算式

運転資金 = 売上債権+ 棚卸資産 – 仕入債務

聞きなれない用語でわかりにくいですが、簡単に説明すると

売上債権:売り上げた代金の中でまだ回収していない部分
棚卸資産:まだ在庫として残っている商品や材料
仕入債務:仕入に対する未払いの代金

という内容になります。

計算式で考えると少し難しく感じますが、もう少し大まかな算出をしたいのであれば一か月に運転費用として必要だと思う項目をリストにし、その運転資金を2~3か月分用意しておくと良いでしょう。

欲を言えば6か月分の運転資金があるといいのですが、なかなか難しいかと思われます。
そういった点を考慮すると2~3か月分が妥当になります。

運転資金を用意するメリットとデメリット

ここまで運転資金とは何かということを紹介しましたが、実際運転資金の調達するかどうかでどのようなメリットやデメリットが生まれるのかを知っておくことも大切です。

運転資金を用意するメリット

まずは運転資金を用意するメリットです。

毎日の商品の仕入れ費や従業員への給与など、利益が生まれる前に必要な経費を支払うには、運転資金を最初から準備しておく必要があるのは想像できますね。

もちろん運転資金を用意しておくことで経営を円滑に回せるメリットがあります。

それ以外にも、急なビジネスチャンスや、事業拡大の話が上がったときにもし余裕を持った運転資金が手元にあればその機会に投資をすることが出来ますよね。

逆に、急激な売り上げの減少などにも対応でき、手持ちの資金が足りないことでの事業が失敗するリスクを無くせるのは大きなメリットと言えるでしょう。

運転資金を用意しないデメリット

では、運転資金を用意しなかった場合、どんなデメリットがあるでしょうか?

ただ経営がうまく回らなくなる、ビジネスチャンスを失う、というだけではありません。
一番のデメリットは事業の信用を失うことです。

利益の減少により手元の資金が無くなってしまった場合、従業員に給与を払えなくなったり、取引先や仕入先への振り込みが滞ったりする可能性があります。

これは事業に関わるたくさんの人々からの不信感に繋がります。

これらを踏まえると、運転資金の用意がいかに大切かがわかりますね。

運転資金の調達方法

ここでは運転資金の用意をするためには、どのような資金の調達方法があるかを紹介します。

資金調達で最も多いのが借入です。
資金を借入するのは少し不安があるかもしれませんが、起業家や経営者にとって資金の借入は一般的な方法なので、まずは内容を知るところから始めてみましょう。

自己資金

一番良い方法は開業費以外に運転資金に使える自己資金が十分にあることです。

しかし、運転資金を自己資金のみで十分に用意するのは容易ではありません。
もちろん資金調達ができる機関はいくつか存在しますので、ライフバランスを考え、無理なく自己資金を利用しましょう

金融機関等からの借入

金融機関からの借入をする場合、おすすめなのは日本政策金融公庫という政府が運営する金融機関か信用金庫・信用組合です。

日本政策金融公庫は、多くの融資制度を持っており、目的に合わせた借入を行うことができます。
日本政策金融公庫からの借入の場合、信用組合への加入は必要ありません。
また、低金利で無担保・無保証で借入ができるメリットがあり、初めての借入にも向いています。
ただし、審査の際に必要な書類や手続きが多く、融資を受け取るまでに時間がかかることがデメリットと言えます。

信用金庫や信用組合は、中小企業の経営に関する金銭的なサポートを積極的に行ってくれる機関です。
地域の信用金庫や信用組合で融資を受けたい場合、相談すると親身になって対応してくれるでしょう。
注意すべき点は、信用金庫や信用組合で借入をする際に、全国信用保証協会連合会という保証組合の保証を受ける必要があることです。
また、融資を受ける際には審査が必要ですので、必要な書類などについては自治体の信用金庫や信用組合に確認してください。

これらの金融機関から借り入れをする場合、一人で書類の作成や審査の準備をするのが不安な場合、資金調達の経験がある税理士事務所と連携する方法も有効な手段です。

もちろん税理士事務所を自力で探すのも大変な作業ですが、CEOパートナーという自身の事業に合わせて実績のある税理士事務所とのマッチングをしてくれるサービスがあります。

まずは相談からでも受け入れているので、是非利用してみてください。

投資家からの出資

投資家からの出資というとすごくハードルの高いものに感じますが、エンジェル投資家という起業して間もない事業出資をしてくれる投資家が存在するのです。

エンジェル投資家は出資をするだけでなく、企業の成長や拡大に伴い、経験や知識も共有してくれる可能性があります。

投資してもらった資金は返金する必要がないという点が大きな魅力です。

金融機関からの借入に比べるととても魅力的ではありますが、エンジェル投資家に出資をする見込みがある企業だと思ってもらうのは簡単ではありません。
相応の準備や熱量が必要になるので注意が必要です。

補助金やクラウドファンディング等を活用

ここまでで紹介した以外にもいくつか資金調達の方法があります。

有効な方法として補助金制度の利用があります。
補助金制度を利用した場合、金融機関からの融資とは違い、返済する必要がありません

自治体には新規開業事業や、IT導入など、様々な目的に合わせた補助金があるので、自身の目的に合った補助金があるかどうか、自治体のホームページ等から確認してみてください。

もう一つ、確実な資金調達の方法とは言えませんが、クラウドファンディングによる資金調達も出来ます。

クラウドファンディングの場合、クラウドファンディングのサイトにて自分の企業のサービスや商品のアピールと目標金額を設定し、応援してくれる人からの資金を募ることが出来ます。

その目標金額を達成した場合にのみ、資金を受け取れる仕組みです。

自身の会社の商品が消費者が応援したくなる、革新的なものだという自信があるのであれば、是非挑戦してみる価値はあります。

資金調達の方法は数多くあるので自身に合った方法で調達をしてください。

運転資金管理の3つのポイント

運転資金を管理するには大きく分けて3つのポイントがあります。
これらを参考に、運転資金を正しく運用しましょう。

資金繰りの基本を徹底する

資金繰りの基本として、売上や支出の流れを予測し、計画に対してどのくらいプラスかマイナスか等を管理します。
また、売掛金を迅速に回収し、在庫管理を明確に行うことで安定した資金繰りに努めましょう。

言葉にすると簡単そうに見えますが実際にやってみると意外と難しいものです。
しかし、この基本ができないと安定した経営が望めなくなってしまいます。

最初は予測が難しいかもしれませんがまずはお金の流れを細部まで把握することから始めましょう。
流れをデータ化することで段々と予測することが可能になってきます。

コスト管理の重要性を理解する

最初にお伝えしたように、固定費と変動費を常に見直しながら、コストカットが出来る部分を探します。
無駄なコストがかからないように、利益率に対する運転資金のバランスを常に確認しましょう。

お金は有限であって無限ではありません。
有限であるからこそ無駄を省き本当に必要なものに使用する必要があります。

リスク管理と資金計画を徹底する

事業を運営していく中で突然資金が必要となるようなリスクを予測し、資金計画を立てておきましょう。
あらかじめ準備をしておくことで急なトラブルにも対応できます。

開業に絶対はありません
何らかのリスクが必ず潜んでいます。

リスクを予測し、それに合わせた資金計画を立てておくことでリスクヘッジが可能になります。

まとめ

運転費用は利益に伴ってついてくるものだと思いがちですが、この記事を通して計画的に資金を用意しておく必要があることが理解できたと思います。

自身の事業ではどのくらいの変動費、固定費がかかり、どのようなキャッシュフローで経営をしていくのかを理解し、十分な運転資金の調達をしましょう

資金の運用や、借入に不安がある際はCEOパートナーに相談し、プロに頼る方法もあるので、一人で抱え込まずにぜひ相談してみてくださいね。

皆さんのビジネスの成功を祈っています!

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この記事を書いた人

過去に起業家の友人と些細なきっかけから会社を設立。当時得た知識とノウハウを活かし、現在は起業と会社設立に関する情報を発信中。趣味は旅行や推しを見ながら晩酌する事です。

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