今や学生でも起業する時代。
起業したいなと思う学生も少なくないでしょう。
とは言っても起業している学生はそう多くはありません。
一体それはなぜなのでしょうか。
起業の大きな壁。
つまりそれは「資金」です。
2023年度新規開業実態調査では開業費用の平均値は1,027万円となっており、中央値は550万円となっています。
つまり自身で何か事業を立ち上げるには1,000万円の費用を要する可能性が高い、ということになります。
学生問わずこれらの資金を調達するのは至難の技です。
そして学生にとってはより難しい問題でしょう。
ではなぜ、学生は資金調達が困難なのでしょうか。
本記事では学生の資金調達が難しいとされる理由やそんな学生でもできる資金調達方法、その成功のポイント、最後には学生起業で成功した事例についても触れていきます。
資金の問題で夢を諦めるなんて勿体ない!
夢を夢のままで終わらせない為にもぜひ参考にしてください。
学生の資金調達は難しい?3つの理由
まずは、学生の資金調達が困難とされている理由から解説します。
おもに以下3つの要因が挙げられるでしょう。
社会人に比べると社会的信用度が低い
社会人のように働いていない学生は、社会的に見ても信用度が低くなってしまいます。
資金調達の方法として真っ先に挙げられるのは、金融機関などからの融資です。
実績や経験、自己資金などを基準に審査されるため、信用力が低い人間に融資は実施できません。
融資以外の方法でも信用力は重要視される傾向にあるので、学生の場合は不利になるといわざるをえないでしょう。
担保や保証人が必要な場合がある
融資を行う場合は、担保や保証人が必要なことが多くあります。
融資における担保とは、不動産や有価証券、預貯金などです。
保証人は、返済ができなくなった際に代わりに支払ってくれる人のことをいいます。
いずれにしても、大学生ではハードルの高い要件でしょう。
担保や保証人を必要としない資金調達方法を検討した方がよいかもしれません。
経験の少なさを見られてしまう
融資に限らず、自力で資金調達をしない場合は誰かからお金を借りるか援助を受けるしかないでしょう。
しかし、どれだけ素晴らしい事業プランを持っていても、社会人経験がない学生はどうしても満足のいく資金調達がかなわない傾向にあります。
なかには、学生というだけでプランを見る前から門前払いになってしまうケースもあるかもしれません。
チャンスがゼロというわけではないですが、厳しい戦いになることは念頭に置いておきましょう。
学生でもできる!7つの資金調達方法
しかし、学生の資金調達は決して不可能ではありません。
以下におすすめの方法を7つ挙げたので、自身に合う方法がないか確認してみましょう。
自己資金
事業を始めるまでに貯めたお金を利用するという最もシンプルかつリスクが少ない方法です。
誰かからお金を借りるわけではないので、これまで挙げた信用力についても気にする必要はありません。
融資のように使用目的を問われることもないので、自由に使うことができます。
ただし、冒頭でもお伝えした通り、1,000万円ほどの資金を集めるのは至難の業です。
なるべくコストを削減して開業できる方法を探すのがよいかもしれません。
ビジネスコンテスト
起業家や個人事業主、法人などが持ち寄った新しいビジネスアイデアを審査するのがビジネスコンテストです。
優秀なアイデアには、返済不要の賞金が発生します。
ただし、有名なものや賞金が高いコンテストはそれだけ競争率も高くなるでしょう。
そもそも、学生が参加できないコンテストもあるので、事前に応募要項を確認しておく必要があります。
家族や知人からの借入
金融機関からの融資は信用力の低さから難しくても、家族や知人であれば借入れられるケースもあるでしょう。
審査や利子もなく、返済期限も柔軟に対応してもらいやすいのがメリットです。
ただし、大きな金額のやり取りになるのでトラブルになる場合もあります。
人によっては、関係性が険悪になってしまうことも考えられるでしょう。
身近な存在だからこそ、「返済期限は守る」「感謝をもって借りる」など敬意をもった対応を心掛けてください。
クラウドファンディング
インターネットを介して支援者を募る方法がクラウドファンディングです。
支援者には商品やサービスが提供されるというメリットがあります。
SNSなどで事業内容をアピールすることで多くの支援者を集められるため、若い創業者とは親和性があるかもしれません。
しかし、必ずしも資金を得られるわけではないため制度の仕組みや上手なマーケティング方法などを調べておく必要があるでしょう。
金融機関からの借入
資金調達の方法として、多くの事業者に広まっているのが金融機関からの借入(融資)です。
先ほどから解説している通り、一定の信用力が必要なので学生にはハードルが高いかもしれません。
しかし、民間の金融機関以外にも政府が100%出資している日本政策金融公庫等の選択肢もあります。
低金利かつ無担保・無保証で融資を受けやすい制度もあるため、学生でもチャレンジしやすいでしょう。
補助金や助成金
国や地方自治体といった公的機関が実施しており、さまざまな事業者や企業を対象に金銭的支援を行っています。
大きな特徴は、返済が不要な点です。
数千万円を超える金額を受けられることもあり、資金調達に使用する方は少なくありません。
ただし、細かな応募条件が決まっていることが多いので、事前に確認しておきましょう。
また、補助金も助成金も申込期限があり常に募集しているわけではありません。
使いたい時に条件に当てはまる制度が実施されているとは限らないのでご注意ください。
ベンチャーキャピタルなどの投資
投資家から支援を募る方法も有効です。
特に、優秀な起業家に対して金銭を支援するベンチャーキャピタルは、これまでの信用力よりも未来に投資する傾向にあるので、学生との相性はよいでしょう。
また、投資ファンドであるベンチャーキャピタルに対して、個人で投資を行うエンジェル投資家も存在します。
いずれにしても、まずは出資を依頼するために接触を試みてみましょう。
学生が起業で成功する5つのポイント
続いて、学生が事業を成功させやすいポイントについて5つ紹介します。
小さく始める
資金調達が困難な学生においては、スモールビジネスから始めるのがおすすめです。
自室でパソコン1台あれば始められるビジネスもあるので、意外とお金はかかりません。
マーケティングや広告についても、外部に委託するのではなく自分で進めてみると節約になります。
費用をカットすることで、リスク回避にもつながるのでおすすめです。
また、学生が持つ特権の一つに膨大にある自由な時間があります。
失敗しても何度でもやり直せるため、トライアンドエラーを繰り返し、徐々に事業を大きくしていってください。
仲間を募る
同じような志を持つ仲間と一緒にビジネスを進めるのも一つの手段です。
学生時代は多くの出会いがあるので、ゼミやサークル、その他の媒体を利用して仲間を探してみるのもよいでしょう。
一人でビジネスを行うと、考えが偏ってしまったりやるべきことに手が回らなくなったりしてしまいます。
苦しい時にも、仲間がいることで乗り越えられることもあるでしょう。
周りに、一緒に事業をやってくれそうな人がいないか探してみてはいかがでしょうか。
学生の強みを前面にアピールする
ほかの学生の生の声を集めたり学生目線でビジネスを考えられたりできるのが強みといえます。
たとえば、用紙の裏面に企業広告を掲載することでコピー費用を無料にするという現役大学生から生まれたビジネスがあります。
試験前に大量のコピーを取る学生の特徴を知っているからこそのアイデアでしょう。
学生だからこそ思いつくアイデアをビジネスに落とし込み共感を得ることで、他社との差別化になるかもしれません。
事業計画を入念に練る
学生に限ったことではないものの、事業を始める際には入念な事業計画が必要です。
事業を進める途中で、「資金が足りなくなった」「急な出費が発生した」となることもあるでしょう。
それらを防ぐ、または落ち着いて対応するためにも事業計画は必要不可欠です。
まずは、事業計画をまとめた事業計画書を作成しましょう。
作成方法がわからない場合は、CEOパートナーというサービスに相談するのがおすすめです。
事業計画書の作成に長けた税理士を紹介する事業を行っています。
ほかにも、経営に関する相談について何でも受け付けているので気軽に問い合わせてみましょう。
積極的にインターンシップに行きビジネスを学ぶ
ビジネスを学べたり社会経験ができたりする場所として、全国各地でインターンシップが行われています。
社長との距離が近いベンチャー企業でインターンシップをすれば、経営に関するコツを盗めるチャンスです。
それだけでなく、計画中の事業についてアピールすれば資金を投資してくれるかもしれません。
人脈作りにもなるので、一度参加してみることをおすすめします。
実はこの人も!?学生起業家成功例3選
最後に、学生で起業を成功させた事例を紹介します。
誰もが知る有名企業ばかりなので、参考にしてみてはいかがでしょうか。
dely株式会社/堀江裕介
慶應義塾大学在学中であった堀江裕介氏は2014年、後にレシピ動画サービス「クラシル」を運営するdely株式会社を設立しました。
2017年にはForbes「アジアを代表する30才未満の30人」に選出され、注目を集めます。
クラシルは、2020年に利用者・アプリDL数・SNS総フォロワー数・レシピ動画数において日本最大サービスにまで成長を遂げました。
現在dely株式会社は、クラシルだけに留まらずライフスタイルメディア「TRILL」やライブ配信事業の「LIVEwith」などさまざまな方面で事業を展開しています。
株式会社Game8/西尾健太郎
ゲームに関するさまざまな情報を掲載している株式会社Game8の創業者として知られる西尾健太郎氏は、首都大学東京(現東京都市大学)在学中に株式会社Labitを共同創業し、2013年に同社代表取締役に就任しました。
その後、リクルートホールディングスに株式会社Labitを事業譲渡し、株式会社Game8を設立します。
西尾氏は現在、株式会社Game8の代表取締役会長や株式会社Gunosyの代表取締役社長として活動を続けています。
Facebook/マーク・ザッカーバーグ
言わずと知れたSNSの代表格であるFacebookを創設したのがマーク・ザッカーバーグ氏です。
ハーバード大学在学中、友人であるエドゥアルド・サベリン氏とともに事業を立ち上げました。
その後順調に事業は拡大し、2019年4~6月期には日本円にして1兆円を超える売上を叩き出します。
学生起業家の最たる例として挙げられる人物でもあるでしょう。
その経緯は映画化されているほどなので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。
まとめ
学生からビジネスを始めるためには、さまざまな障壁が存在しますが不可能ではありません。
学生ならではのアイデアや機動力、仲間とのコミュニティなどを駆使して世界を驚かすビジネスを作り上げてください。
経営面で困ったことや相談したいことがあれば、CEOパートナーに問い合わせてみましょう。
資金調達に至るまで、相談費は一切無料で承っています。
また、相談する税理士法人は多数の実績を残している点もおすすめポイントです。
- 公庫面談サポート数が税理士法人で全国1位
- 毎月の創業融資相談件数1,000件以上で税理士法人日本一
スムーズな経営を行うためにも、まずはプロの力に頼ることをおすすめします。
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