建設業を起業する3つの方法!必要な許可や資金、流れやポイントを解説

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建設業の起業は個人事業主・法人のどちらでもできます。

工夫次第で年収1,000万円以上を目指すこともできる業種です。

人類が発展する限りなくならない業種である一方、人手不足でもあることから、専門技術があればあるほど好条件で案件を獲得し続けられるでしょう。

ここでは建設業で起業する3つの方法や必要な許可・資格、費用面や資金面から起業までの流れを解説していきます。

失敗しないために押さえておきたいポイントも紹介していますので、ぜひ併せて確認してみてください。

目次

建設業で起業する3つの方法

建設業で起業する3つの方法

まずは、建設業として起業するための方法からお伝えします。

基本的に以下3つのいずれかの方法で開業することになるでしょう。

個人事業主として起業

個人事業主としての起業は、低コストかつ簡易な手続きで始められる点が魅力です。

一人親方として自分一人で事業を行うことが多く、従業員を雇わず小規模で始めることが一般的とされています。

リフォームや小規模の工事といった一人でできる作業の需要もあるため、すぐに独立したい方にもおすすめです。

起業時に必要な手続きは、税務署への開業届や青色申告の承認申請書提出などが主で、取り扱う工事の規模が小さい場合は資格や許可も必要がありません。

個人事業主は手軽に始められますが、法人に比べると信用力が低く、資金調達の選択肢が限られる点がデメリットです。

フランチャイズとして起業

フランチャイズでの起業は、既存のブランド力を活用し、安定した収益を見込める点が強みです。

特に、フランチャイズの本部から提供される経営ノウハウや営業支援があるほか、部材やブランドを使用できる点もメリットなので未経験でも始めやすいでしょう。

しかし、フランチャイズには契約料やロイヤリティが発生するため、一定の初期費用と運転資金が必要です。

また、制約も多くなるため、自由度が低くなることも考慮しなければなりません。

法人として起業

法人として起業する場合は、社会的信用を得やすく、規模拡大や資金調達にも有利です。

法人設立により、建設業許可の取得や従業員の雇用が可能となり、より大規模な案件を請け負うことができます。

また、税制上のメリットを受けられるのも大きなポイントでしょう。

ただし、法人設立には会社登記や社会保険手続きが必要で、個人事業主よりも手続きが複雑な点にはご注意ください。

建設業の起業に必要な許可・資格

建設業の起業に必要な許可・資格

建設業を起業するには、許可や資格が必要な場合があります。

一方で、以下のような軽微な建設工事であれば許可や資格は不要です。

  • 1件の請負代金が500万円未満の工事の場合
  • 1件の請負代金が1,500万円未満であり、木造住宅もしくは延べ面積が150㎡未満(うち1/2が住居)の工事の場合

これ以外の許可や資格については、本項で解説します。

建設業許可の29業種

建設業では、対応する業種に応じて以下の29業種のなかから該当する許可を取得しなければなりません。

  • 土木工事業
  • 建築工事業
  • 大工工事業
  • 左官工事業
  • とび・土工・コンクリート工事業
  • 石工事業
  • 屋根工事業
  • 電気工事業
  • 管工事業
  • タイル・れんが・ブロック工事業
  • 鋼構造物工事業
  • 鉄筋工事業
  • 舗装工事業
  • しゅんせつ工事業
  • 板金工事業
  • ガラス工事業
  • 塗装工事業
  • 防水工事業
  • 内装仕上工事業
  • 機械器具設置工事業
  • 熱絶縁工事業
  • 電気通信工事業
  • 造園工事業
  • さく井工事業
  • 建具工事業
  • 水道施設工事業
  • 消防施設工事業
  • 清掃施設工事業
  • 解体工事業

これらの許可は、元請負人以外にも下請負人や法人、個人限らず必要です。

自分が選択する業種がどこに該当するか、事前にチェックしておきましょう。

建設業許可の2種類

建設業許可は、「知事許可」と「大臣許可」の2種類にわけられます。

その概要は下記の通りです。

  • 知事許可:1つの都道府県で営業所を設ける場合に必要
  • 大臣許可:2つ以上の都道府県で営業所を設ける場合に必要

さらに、「一般建設業許可」と「特定建設業許可」にも分類されます。

  • 一般許可:元請けとして工事を請け負う際に必要な許可で、4,500万円未満の工事が対象
  • 特定建設業許可:元請けとして工事代金が4,500万円以上となる大規模工事を請け負う場合に必要

特定建設業許可があれば規模の大きい案件を扱えるため、規模拡大を目指す法人は取得しておくことをおすすめします。

建設業許可の取得要件

建設業許可を取得するには、以下5つの要件を満たす必要があります。

求められる要件は下記の通りです。

  • 経営業務管理責任者がいる
  • 専任技術者が配置されている
  • 事業に対して不正や不誠実な行為を行わない
  • 十分な自己資本を持つなど財政的な基盤がある
  • 失格要件に該当しない

専任技術者は、一定の資格や実務経験を持つ者で、工事現場で技術的な責任を負う役割を担います。

さらに、500万円以上の自己資本を証明できる財産的基礎や、工事に対して不正や不誠実な行為を行わない誠実性も必要です。

失格要件は、公共の福祉を害したり他人に迷惑をかけたりしないかどうかが基準となります。

建設業の起業に必要な費用・資金

建設業の起業に必要な費用・資金

続いて、建設業を起業するために必要な費用や資金について解説します。

許可の取得費用

建設業を営んで大きな工事を受注する場合は、建設業許可の取得が必要です。

その場合、原則として500万円以上の自己資本が求められます。

また、建設業許可の申請には、都道府県知事許可または国土交通大臣許可があり、それぞれ申請手数料が必要です。

更新や業種追加の際にも追加費用が発生するため、許可取得にかかる初期コストと維持費用をあらかじめ想定しておきましょう。

財産的基礎の要件

建設業許可の取得にはさまざまな要件があります。

そのなかの一つに指定されているのが、自己資本500万円以上の財政的基盤です。

500万円未満の小規模工事を請け負う場合は許可が不要であるものの、事業を成長させたい場合は、事前に資金を確保しておかなければなりません。

今後の事業展開を広げたいという方は、忘れずに準備しておきましょう。

法人の場合は設立費用

法人として建設業を起業する際には、設立費用も大きなコストとなります。

株式会社の場合、登録免許税や定款認証の費用を含めて、22万~24万円程度が必要です。

合同会社を選択すれば10万円程度に抑えられるものの、信用力の観点からみると株式会社の選択をおすすめします。

また、事務所や備品の初期費用、必要なオフィス家具や通信設備の準備もしなくてはなりません。

以上を総合すると、500~1,000万円程度の初期資金が求められるでしょう。

運転資金

建設業の運転資金に該当するのは、材料費などの原価や事務所の家賃、光熱費、人件費などです。

基本的にこれらの費用は先行して発生するうえに、工事の着手から報酬を得るまでは多少の時間がかかります。

そのため、数ヶ月分の資金を事前に準備しておく必要があります。

自宅の一部を事務所として利用して家賃を浮かすなど、可能な限り節約を図りましょう。

建設業を起業するまでの流れ

建設業を起業するまでの流れ

では、どのようにして建築業を起業したらよいのでしょうか。

ここでは、起業までの流れを解説していきます。

まずはスキルと経験を積む

建設業での独立を目指すには、まず専門技術と現場経験をしっかりと積むことが大切です。

建設会社や下請け会社で働きながら、施工技術や現場管理のノウハウを学ぶとよいでしょう。

こうした経験は、独立後に安定したクオリティを提供する基礎となります。

また、十分な人脈を築くことも重要です。

業界関係者とのつながりを作ることで、独立後の成功につながります。

専任技術者の資格を取得

独立後に一定規模以上の工事を請け負うには、専任技術者になれる資格が必要です。

そのためには、施工管理技士や建築士などの国家資格を取得するか、10年以上の実務経験を積むことが要件となります。

資格の取得は難易度が高いものの、独立後の事業規模拡大に大きく貢献します。

資格取得を目指して、あらかじめ準備を進めておくとよいでしょう。

費用・資金や事務所の準備

起業にあたっては、開業資金や事務所の準備が必要です。

株式会社の設立には約22~24万円、事務所を構える場合は敷金や備品代も考慮して、初期資金として500~1,000万円程度が目安となるでしょう。

小規模な事業なら自宅を事務所として使うことも可能です。

ただし、より信頼性を向上させたい場合は、自宅とは別で事務所を持つ方が印象がよくなる傾向にあります。

とはいえ、なんでもかんでも購入するのではなく、手持ちでまかなえるものは上手に使うなど顧客に見えない部分はなるべく節約を図りましょう。

起業の手続きを行う

準備が整ったら、正式に起業手続きを進めます。

個人事業主として始める場合は、税務署に開業届を提出し、青色申告の申請も同時に行いましょう。

法人の場合は、会社設立のために定款作成や法人登記を行い、社会保険や労働保険の手続きも必要です。

また、建設業許可を取得する場合、専任技術者の配置や経営経験を証明する書類などの準備が求められます。

許可取得には時間がかかることが多いため、計画的に進めることをおすすめします。

建設業の起業で失敗しないポイント

建設業の起業で失敗しないポイント

続いて、建設業で起業する際に気を付けたいポイントを紹介します。

立ち上げ前には必ず、チェックしておいてください。

資金は充分に確保しておく 

建設業を立ち上げる際は、初期投資や運転資金の確保が必要不可欠です。

工事にかかる報酬は工事完了後に入金されることが多いため、材料費や従業員の給与といった運転資金は数ヶ月分準備しておく必要があります。

また、融資や助成金・補助金を活用して資金調達を行うのも有効です。

助成金や補助金であれば、融資とは異なり返済が不要な点がメリットです。

しかし、金額の支給は半年や1年近くかかることがあるためご注意ください。

資金調達を急ぎたい場合は、融資を選択するとよいでしょう。

営業に力を入れる

営業活動は独立後の成功に直結します。

既存の顧客から安定的に仕事が入ってくるとは限りません。

そのためにも、新規顧客を獲得する努力が必要です。

ホームページやSNSでの情報発信、地元ネットワークなどを活用したアプローチを行いましょう。

少しでも取引先を増やすことで、仕事が途切れる不安から解放されます。

リピーター獲得を狙う

顧客との長期的な信頼関係を築くことが、安定した経営には必要です。

施工後のアフターフォローや迅速な対応は、顧客満足度を高めるだけでなく、再受注や別クライアントの紹介につながります。

また、顧客のニーズを把握し、丁寧な対応を心がけることでリピーターも獲得できます。

リピーターの存在は、安定した売上を確保するための重要な要素です。

的確な仕事で、顧客の信頼を勝ち取りましょう。

事務作業は外部を頼る 

事務作業を効率化させるためにも、専門家の力を借りるとよいでしょう。

例えば、CEOパートナーでは事業者のお悩みに最適な税理士を紹介するサービスを行っています。

税務申告や節税対策などを一任すれば、事業に集中できるうえに税制面でも有利になります。

さらに、紹介される税理士は、事業の立ち上げから経営まで一貫してサポートが可能です。

融資や補助金申請に必要な事業計画書の作成も任せられるため、効率的な事業運営ができるでしょう。

保険加入を検討する

建設業は事故や怪我のリスクが高いため、保険の加入が必須です。

個人事業主として独立する場合も、労災保険への特別加入が可能であり、万が一の際のリスクに備えられます。

また、民間の保険商品も活用し、従業員や自身の健康、業務中のトラブルに対する保障を充実させておくことも重要です。

月々の保険料と運転資金とのバランスを考えながら、必要な保険を取捨選択しましょう。

まとめ

建設業での起業には、スキルの習得から始まり許可の取得や資金の確保など、多くの準備が必要です。

特に、建設業許可は事業を成長させるためには必要不可欠なので、要件などをきちんと確認しておきましょう。

資金の確保については、CEOパートナーにご相談ください。

融資や補助金に必要な事業計画書の作成代行や、経営に対する的確なアドバイスを優秀な税理士が行います。

おすすめの資金調達方法も提案するので、自分で考えたり選んだりする手間も省けます。

紹介される税理士は起業後のサポートも行うので、末長いパートナーとなるでしょう。

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この記事を書いた人

専門学校を卒業後、一般事務に就職。その後目指していた業界に再挑戦し、フリーのクリエイターとして独立しました。これから独立を目指す方へ、自身の経験が役立てばと思い執筆をしています。趣味はカラオケとゲーム実況鑑賞、苺味のお菓子を探すこと。

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