創業融資と補助金の違いを適切に知り、使いこなすことで創業期の資金調達がかなり楽になります。
今回は補助金にフォーカスを当て、創業融資と比較したときの特徴などを詳しく解説していきます。
メリットやデメリットとともに、創業期にぜひ検討いただきたいおすすめの補助金を5つご紹介。
補助金の審査に通るコツも要チェックですので必ず見ていってくださいね。
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補助金とは?創業融資との違い
そもそも補助金とはどのような仕組みなのでしょうか。
創業融資と比較しながら、違いと特徴を確認していきましょう。
使った経費の一部を支給
実施計画を提出し、計画通りに実行した結果使った経費を報告することで、その一部が支給される仕組みです。
創業融資のようにまとまった金額を事前に調達するのではなく、使った金額の一部が後払いで支払われます。
創業融資の場合、運転資金と設備資金への活用であれば特に細かく用途を指定されませんが、補助金には活用の目的が定められていて、目的に沿った実施計画を提出する必要があります。
関連記事:【2分でわかる】会社設立における経費について徹底解説
返済義務が発生しない
あくまで支給ですので、創業融資のように返済義務は発生しません。
資金調達するとあとあとの返済負担が心配されがちですが、補助金には返済負担がないため気軽に頼れる調達手段と言えます。
もちろん利率なども発生しませんし、返済計画を立てる必要もありません。
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創業融資と補助金は併用できる
創業融資と補助金は性質が異なりますので、併用することで事業資金の円滑な調達が叶います。
創業前に創業融資によるまとまった資金調達を行ない、補助金申請をして、創業融資にて確保した金額を実施計画に充てることであとから補助金として一部が戻ってきます。
補助金として支給されたお金は、創業融資の返済に充てたり、改めて事業資金に回したりといったことが可能です。
実際に補助金申請する方は事前に創業融資を受け取っている方が多い傾向にあります。
関連記事:創業融資は複数申込OK!協調融資で2000万円融資が通った事例あり
似た制度に助成金がある
同じく国から事業者向けに支給される制度に助成金があります。
補助金は管轄が経済産業省ですが、助成金は厚生労働省が管轄していて、主な違いは経費の活用目的と受給の難易度にあります。
申請して支給されやすいのは助成金のほうです。
補助金は国から毎年予算が決められているので、対象者に該当していたとしても、受給希望者が多ければその分倍率が上がり、審査が厳しくなってしまいます。
ただし助成金の対象者となるには雇用保険に加入している必要があり、ほとんどが雇用の改善に充てる資金を目的として指定されています。
補助金のほうが経費の活用目的として指定される用途は幅広くなっています。
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補助金を使うメリット・デメリット
創業融資との併用におすすめの補助金ですが、具体的にどんなメリット・デメリットがあるでしょうか。
適切に活用するためにも、ここでさらに特徴を詳しく掴んでいきましょう。
【メリット】返済しなくてよい
最大のメリットは返済しなくてよいところにあるでしょう。
事業を始めるにはどうしても高額の資金が必要になり、代表的な調達手段である創業融資を頼ると、どうしても返済負担が気になってしまいます。
しかし補助金を活用することで、補助金自体には返済負担が発生しないほか、補助金として戻ってきたお金を創業融資の返済に充てることが叶います。
事前にまとまった自己資金がある方なら、創業融資は用いず補助金のみを活用することで、完全に返済負担のない資金調達が可能となります。
関連記事:創業融資の返済は3つの準備で苦労知らずに!借入前の計画作りが重要
【メリット】創業前でも申請できる
創業前に申請することで、創業後に必要となる経費の一部節約が確約されます。
創業融資ならそこまで気にする部分ではありませんが、一般的には融資を受ける際、個人の社会的信用を審査基準として反映されることが多いです。
創業前の個人は特に実績などがないため、社会的信用が低いと判断されがちですが、補助金には創業前の個人を対象としたものもあるため、安心して申請できます。
関連記事:創業融資を受ける際に必要な信用情報の見方と3つのポイント
【メリット】社会的信用が高まる
補助金を受給できるということは国に認められたということになりますので、事業に対する社会的信用が高まります。
社会的信用が高まると、新たに資金調達が必要となった場合に、融資審査に通過しやすくなったり、補助金や助成金を再び受けやすくなったりするとも言えるでしょう。
補助金の受給を積極的にアピールすることで、取引先からの評価が高まることにもつながります。
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【デメリット】審査通過が必要
誰しもが申請すれば必ず受け取れるというものではありません。
審査に通過する必要があり、審査落ちしてしまえば受給は叶いません。
審査通過のためには適切に事業計画を練って、補助金の目的に沿った計画を実施しようとしていることのアピールや、実現性・成功性に対する担当者の納得を得なければなりません。
一人での対策が難しければ、資金調達のコンサルサービスなど、専門機関を頼ることも視野に入れましょう。
関連記事:【創業融資】審査員の心を掴む事業計画書!最重要項目4つを解説
【デメリット】後払いでの支給となる
創業融資との大きな違いとして、受取のタイミングが計画実行後という点があります。
創業融資なら計画実行前にまとまった資金の調達が叶いますが、補助金は事前の調達ができず、後払いでの支給となる点に注意しなければなりません。
後払いということを知らずに申請したり、計画を練ったりしてしまうと、いざ創業したときに十分に資金がないといった事態に陥ってしまうのでしっかり確認しておきましょう。
関連記事:創業融資のタイミングを逃すな!審査が通りやすくなる3つのポイント
【デメリット】継続的な報告が必要
補助金を受給すると、5年間は事業状況の報告が求められます。
報告書を作成し、定期的に提出することが義務付けられるのです。
報告書の提出漏れがあったり、不備があったりすると支給が取り消しされることもありますので、避けては通れない道と言えます。
関連記事:会社設立はゴールじゃない!その後にやるべき7つのことを徹底解説
【デメリット】期間が限られている
補助金には申請期間があるため、申請期間を過ぎてから見つけてしまった制度などに関しては、年度内の申請はできなくなってしまいます。
また、毎年必ず公募が決まっているわけでもなく、予告なしに募集停止や終了となるケースも珍しくはないため、定期的な確認が必要です。
創業直前ではなく前々からどんな補助金制度があるのか調べておき、毎年公募される時期を確認したうえで、本当に必要なときにスムーズに申請できるよう情報収集しておくことが大切です。
関連記事:起業の準備期間は最短5日!スムーズに会社設立する4つのコツ
創業に使えるおすすめ補助金5選
ここでは具体的に、創業時におすすめの補助金をご紹介していきます。
- 小規模事業者持続化補助金
- ものづくり補助金
- 事業再構築補助金
- IT導入補助金
- 事業承継・引継ぎ補助金
一つひとつ内容を確認していきましょう。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者や特定非営利活動法人などの、従業員20人以下の個人や組織を対象とした補助金で、販路開拓や商品開発、業務効率化において必要とする経費の一部が支給されます。
補助上限額は200万円までで、補助率は使った経費の2/3です。
2023年から設けられたインボイス特例では、今まで免税事業者だった小規模事業者が適格請求書発行事業者に転換する場合、補助上限額を一律50万円上乗せされることとなっています。
本制度の申請には商工会議所または商工会を通す必要があり、助言を受けながら経営計画を作成して提出・申請します。
関連記事:創業融資が個人事業主を成功へ導く!3000万円審査通過のコツ伝授
ものづくり補助金
名の通り、サービス開発や試作品の開発、生産用設備への投資などといったものづくりに必要とする経費の一部を補助する制度です。
対象は中小企業や小規模事業者となります。
補助上限額や補助率は募集枠と時期によって異なってきますが、通常枠で上限1250万円、補助率は中小企業1/2・小規模事業者2/3が目安です。
大幅な賃上げに取り組む場合、従業員数に合わせてさらに最大1,000万円まで上限が引き上げられます。
補助金のなかではトップレベルに補助額が大きいため、ものづくりに関する計画がある方にはぜひ検討いただきたい制度です。
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事業再構築補助金
これまでとはまったく異なる新しい分野での事業展開・事業転換に挑戦する中小企業を対象とした補助金で、新型コロナウイルスが日本経済にもたらした悪影響から脱却するために用意されました。
国の予算が大きめに設定されていて、補助上限額が最大1億円と、大規模な事業展開の支えとなり得ます。
本制度に関しても補助上限額や補助率は募集枠と時期によりますが、成長枠で上限7,000万円の補助率1/3~2/3、グリーン成長枠で上限1億円の補助率1/3~2/3が目安となります。
ものづくり補助金と性質が似通っているため、併せて検討する事業者が多い傾向にあります。
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IT導入補助金
中小企業や小規模事業者が、事業の生産性向上のためにITツールを導入する際に申請できる補助金です。
国によるDX(デジタルフォーメーション)政策に基づき、デジタル化や自動化によって労働環境の改善を図るのが狙いです。
補助上限額は450万円で、補助率は最大3/4となっています。
具体的な導入ツールの例としては、POSレジシステムや予約・顧客管理システムなどが挙げられます。
関連記事:事業計画書は自動作成する時代!おすすめツール8選と役立つサービス
事業承継・引継ぎ補助金
後継者による事業引継ぎにより、地域経済に貢献する新しい取り組みを実施し経営革新や事業再チャレンジに挑む中小企業を対象とした補助金です。
募集枠や時期によりますが、補助上限額は800万円、補助率は2/3がそれぞれ最大値となっています。
新たな取り組み実施のために取捨選択した事業を廃業する場合、廃業費として最大150万円の上乗せがされる募集枠もあります。
M&Aを行なう場合も本制度の対象となります。
関連記事:起業に費用はいくら必要?費用相場や内訳を知って正しく調達しよう
補助金の審査に通る3つのコツ
補助金を受給するには審査通過が何より欠かせません。
審査に通る3つのコツをご紹介しますので、コツを抑えてしっかり受給を狙いましょう。
資金調達のコンサル【CEOパートナー】を頼る
初めて補助金申請を狙うならなおさら、一人ですべて対策するにはかなりの難易度が伴うと言えます。
ここでおすすめなのが、資金調達のコンサルに特化した専門サービスを頼ること。
【CEOパートナー】では資金調達に詳しいプロの税理士と即日でのマッチングが叶い、すぐに補助金申請について相談ができます。
相談は資金調達が無事に実行されるまでは完全無料なので安心して頼れる存在です。
どの補助金制度が自身に最適なのか分からない場合でも、一緒に制度探しから行なってくれます。
事業計画書作成を得意とするCEOパートナーなら、補助金採択されやすい事業計画立案の大変心強い味方となってくれますよ。
関連記事:グランピングの事業計画書3つのポイント!補助金採択される書き方
事業計画をこまかな部分までしっかり練る
やはり事業計画がしっかりとしていることが受給を狙ううえでの大きなポイントとなります。
そのためにはこまかな部分までしっかりと記載していく必要があります。
審査担当者が事業計画に目を通して、色々と突っ込んでこないような内容に仕上げていくのが理想です。
数字に関しては客観性と具体的なデータに基づくことを忘れず、計画内容に相違が生まれないよう、一貫性を持たせた事業計画にすることが大切です。
関連記事:わかりやすい事業計画書の書き方!4つの項目ごとにポイントを大解説
使った経費の明細書などを必ず保管する
補助金は使った経費の一部が支給される仕組みですので、経費として使った金額の証拠がなければ、いくら素晴らしい計画を実行したとしても支給を断られてしまいます。
明細書や領収書など、証拠となる書類を必ず残しておき、何のためにいくら使ったのかをきちんと説明できるようにしておきましょう。
実施計画を提出し、認められたあとに気を緩めてしまうのではなく、計画通りに実行したあとの受給までスムーズに運ぶよう、書類管理などは適切に行ないましょう。
関連記事:会社設立後の経費の支払いは絶対クレジットカード!その5つの理由
まとめ
創業融資と補助金の大きな違いは、返済義務の有無と、資金調達のタイミングにあると分かりましたね。
返済義務とタイミングについて真逆の特徴を持つ双方を併用することによって、創業期に必要な資金調達が円滑に進むのでおすすめです。
補助金については制度によって目的が異なるため、ご自身の事業計画に合った補助金を見つけて申請するようにしましょう。
創業融資と同じく、補助金にも審査がありますので適切に対策し、一人での対策が不安な場合はCEOパートナーなどといった資金調達を得意とするコンサルサービスを賢く頼りましょう。
資金調達がうまくいくか否かは、事業の成功を左右する要素にもなります。
ぜひ前向きに検討してみてはいかがでしょうか。
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