『起業して成功したい!』そう考えているのは、皆さん同じだと思います!
しかし現実は厳しいもの…成功のビジョンがあって、起業し努力していても様々な原因によって倒産する起業が後を立ちません。
どのような原因で廃業しているのでしょうか?また倒産しやすい傾向のある業種はあるのでしょうか?
今回は統計から見る倒産率と倒産しやすい業種、倒産原因を解説していきます。最後には倒産のリスクを防ぐ術を伝授いたします。最後まで読んで、不安を解消し起業していきましょう!!
関連記事:私が感じた起業する前に勉強すべき5つのこととおすすめの勉強法
統計からみる企業の倒産件数と生存率
生存率は様々な機関が調査・集計している倒産データや社会保険加入数などから読み取ることができます。
今回はその中でもよく利用される帝国データバンクの統計データから倒産件数を分析し、生存率を解析していきます。
最新2022年データ!コロナ渦で66%が倒産
下表は帝国データバンクによる倒産件数の統計です。
ちなみに帝国データバンク(TDB)は、企業の信用情報を調査している会社になります。1900年に創業された会社で、直接企業へ足を運んで情報収集をしているのが特徴です。
ネットで公開されている様々な情報を集めて作られた企業情報とは大きく異なり、正確な情報をレポートしています。
倒産件数は直近3年間減少傾向にありましたが、3年ぶりに増加し、前年と比べると300件以上の増加となりました。
帝国データバンクでの2022年「新型コロナウイルス」関連倒産件数は全国に2308件と公開されています。
現在はコロナウイルスが原因で倒産する企業が多く、倒産する企業の2/3にものぼると分かります。
創業5年後の企業の生存率は81.7%
中小企業庁が帝国データバンクのデータを元に企業生存率を公開しています。
この表は創業後5年間の生存率を示したものです。
日本では3年で88.1%、5年で81.7%まで下落しています。
このデータは帝国データバンクのデータベース上にある企業のみが記載されているので、データベースに載ることなく廃業した会社もあると考えると実際の生存率は更に低くなると想定されます。
この表からも分かる通り、日本で起業し生存できる確率は他国に比べると比にならないほど高いと言えます。
しかし5年で81.7%ということは5社に1社が、5年後には存在しない、ということになります。
まだまだ厳しい状況と言えるでしょう。
倒産の原因BEST5
事業計画書で完璧な計画を練っているはずなのに、なぜ倒産は起こるのでしょうか。
倒産するのには、倒産に至る原因が必ず存在します。
倒産しないようにするにはどうしたらよいのでしょうか?
これからランキング形式で紹介していきます。
1位 販売しても思うように売れない「販売不振」
販売不振とは、売上高が減少し利益が出ないことを意味します。
つまり、商品やサービスが売れずに倒産してしまうということ。
日本では販売不振で倒産する企業が圧倒的に多いです。
販売不振に陥る原因は様々ですが、以下『外的要因』と『内的要因』が多く挙げられます。
経営指標を適切に分析して原因を把握することが重要です!
2位 経営改善を先送り取返しがつかなくなる「既往のしわよせ」
既往のしわよせとは長期的に業績が悪化しているにも関わらず、経営改善を先送りにすることによって倒産してしますことです。
つまり経営状況をしっかり把握していなかったために倒産してしまう事です。
3位 会社の貯金がなくなり身動きできない「過少資本」
以前は、株式会社は資本金1000万円以上、有限会社は資本金300万円以上という最低資本金制度がありました。
最低資本金制度が撤廃されて以降、資本金1円から起業できるようになりました。
資本金が少ないということは、要は貯金がない状態ということです。
節税目的で自己資本比率を低いままに保とうとする企業もありますが、手元に資金がないと不測の事態に対応しきれず倒産へと追い込まれてしまいます。
過小資本による倒産を避けるには、利益が出た際は内部留保し不測の事態に備えることが大切です!
4位 会社の管理疎かにしたことでおきる「放漫経営」
放漫経営とは、経営者の経営能力の欠如や会社の私物化や管理能力の欠如などが原因となり、会社が倒産することを言います。
トップの意見が全ての『ワンマン経営』や会社の私物化が比較的多く見られる『同族経営を行う中小企業』に多く見られます。
1つ1つはそれほど問題でなくても、積み重ねで気づいた頃には企業全体が取り返しのつかない不安定な状態になっている可能性があるので注意が必要です。
5位 ドミノ倒しで共倒れ「連鎖倒産」
連鎖倒産とは、取引先の倒産で不良債権が発生した企業が、その影響で倒産することを言います。
特定の取引先に依存しやすい『建設業』や『製造業』に多く見受けられます。
現在は『経営セーフティ共済』という制度に加入するこで取引先が倒産した際に、共済加入者の掛金をもとに貸付けを受けられる制度もあります。
どんな時も万一に備えておくと安心ですね!
倒産のリスク回避する3つの手段
これまで倒産原因や倒産しやすい業種には傾向があることを紹介してきました。
あらゆる方面から倒産のリスクはやってきますが、倒産のリスクを少しでも回避できる3手段をここでは紹介します。
起業をお考えの方は是非参考にしてみて下さいね!
ライバルの少ない業種で起業しよう!
倒産のリスクを軽減させるには、市場の把握を徹底しましょう!
競争相手が多い業種で勝負するのは、既に先人が独占的に売上を占めていたりする場合が多く、知名度を上げることすらも難しい場合が多いです。
競合の多いレッドオーシャンより、競合の少ないブルーオーシャンを狙って起業すると良いでしょう!
また現在は市場規模が大きい業種であっても、将来的には規模が縮小する可能性もあります。
将来も見据えて市場規模は、リサーチする必要があります。
利益率・在庫・初期投資・維持費に注目しよう!
飲食店やサービス業、小売業は需要に波のある業種です。
このような業種では、需要の波を適切に予測しリスクに備えることはもちろんですが、在庫を抱え込まないように常に気を付けなければなりません。
需要に波のある業種で起業する場合は、サブスクリプションを導入するなど安定的な売上を確保するための工夫を考えるようにしましょう。
また『利益率が高い』『在庫を持たない』『初期投資・維持費が安い』業種は失敗しにくいと言われています。
リスクの少ない業種を選択するように意識すると良いでしょう!
予め税理士に相談しよう!
最も倒産の多い原因に上がる『販売不振』『過小資本』は、資金不足により起こります。
ご自身で多額の金額を用意するのは、非常に困難なことです。起業時に十分な資金を手元に用意する方法の一つに創業融資があります。
創業融資は実績ではなく事業計画で審査します。
しかし融資に一度落ちてしまうと次に借りることが難しくなります。
必ず税理士に相談し失敗しないようにしましょう。創業融資に強い税理士はCEOパートナーで紹介しています。
関連記事:自己資金0円からの創業融資!コロナ禍でも相談が多発する理由
関連記事:創業融資3種を比較!実績No.1日本政策金融公庫の審査に通るコツ
関連記事:創業融資は代行に頼もう!自力で申込むより100%審査に通りやすい
先を見越した事業計画と計画の見直しをしよう!
会社設立の際に提出する義務はありませんが、事業計画書をあらかじめ作成しておくと良いでしょう!
事業計画書は融資を受ける際にも必要な書類であり、事業の目的や資金に関する情報、事業の見通しなどを計画した書類です。
事業計画書に決まった用紙は存在しない為、自分で作成するかフォーマットをダウンロードするなどして用意する必要があります。
インターネット上にも無料フォーマットは沢山公開されていますので「事業計画書 フォーマット」と検索しぜひ入手し作成してくださいね!
また設立前に入念に先を見越した事業計画を立てるのはもちろん重要ですが、最も重要なことは見直しになります。
当たり前ですが、事業計画はあくまで計画です。実際に計画通りにいくとは限りません。
現実と照らし合わせながら修正していく必要があります。
事業の業績を表す決算書は特に見直す必要があります。
事業計画との差異を確認し、きちんとした対策をこまめに行うことは倒産リスクを減らす有効な手段と言えます。
補助金・助成金を活用しよう!
手続きを行えば返済不要で利用ができる補助金・助成金。
補助金と助成金は支援する団体と目的が異なります。
補助金 | 助成金 | |
支援団体 | 経済産業省 | 厚生労働省 |
支援目的 | 事業展開・事業拡大 | 雇用や職場環境などの問題解決 |
目的が異なる為支援する金額も異なります。
できるだけ多くの資金を得るには補助金の方を活用しましょう!
以下にオススメの補助金・助成金の一部を紹介しますので是非参考にして下さいね!
補助金・助成金 | 内容 |
1⃣中途採用等支援助成金 | 中途採用者の拡大を図る事業者に対して行う助成金 |
2⃣事業再構築補助金 | 中小企業等の挑戦を支援する補助金 |
3⃣ものづくり補助金 | 設備投資を支援する補助金 |
4⃣IT導入補助金 | ITツールの導入を支援する補助金 |
5⃣スタートアップチャレンジ推進補助金 | 成長過程での課題に取り組む活動を支援 |
6⃣小規模事業者持続化補助金 | 小規模事業者等の販路開拓等に取り組む費用の一部を補助 |
赤字と同じくらい黒字も危険!
利益が出ているから大丈夫!そう思って安心していませんか?
実は倒産している企業の半数近くは黒字で倒産しているんです。
では何故、黒字倒産は起こってしまうのでしょうか?
黒字でも出金タイミングで倒産の危機!
黒字倒産が起こる原因は、社内に現金がないことで起こります。
これは売掛金の入金と買掛金の出金タイミングが違うことによって起こります。
売掛金の回収より前に買掛金の支払いが生じる場合は、会社が負担しなければならず、会社が負担できず支払いきれない場合に倒産が起こります。
このように経営が一見上手くいっているようでも売掛金と買掛金のタイミングによっては、黒字でも倒産することがあるのです。
赤字でも資金調達先の確保ができれば倒産しない
一方、赤字でも倒産しない企業も存在します。その理由は主に以下3つ!
- 多額の現金資金を所持している
- 担保になる資産があり、銀行から融資を受けることができる
- 資金調達する手段がある
これらの理由で倒産を免れることはできますが、赤字が長期に渡ると資金が底をつき倒産することになります。
【番外編】倒産しやすい業種BEST5
倒産する原因は確かに存在しますが、原因以外にも倒産しやすい業種も存在します。
これから紹介する業種は特に倒産しやすい業種になりますので、起業を考えている方は注意が必要です。
絶対に倒産しない為には倒産原因を踏まえ、倒産しやすい業種を避けて起業することをオススメします。
1位 気候変動を受けやすい「農業」
倒産しやすい業種1位は農業です!
主な事業は『耕種農業』『畜産農業』『園芸サービス業』など…
56社中1社は倒産する危険性があると言われています。
コロナウイルスの影響で自粛が広まり飲食店に行く機会が減りました。
これにより野菜の消費が減ったことなどが影響しています。
畜産農業では飼料価格が高騰した影響により大手企業の倒産が発生していました。
2022年下半期以降は、コロナ禍や円安による農薬や飼料などの高騰や、気候変動による不作続いていることから今後の動向にも注意が必要です。
2位 燃料価格の高騰が止められない「電気業」
第2位は電気業です!
主な事業は『発電所』『電力小売り』など…
63社中1社は倒産する危険性があると言われています。
2021年の初頭から燃料価格の高騰が続いています。
その為、電気の小売りを行う会社『新電力』と呼ばれる会社の多くで電力の購入価格より売却価格の方が安くなる“逆ザヤ”が発生し、多数の事業者が事業停止に踏み切りました。
2022年以降も市場価格の高騰は続いており、現在も倒産等の警戒情報が継続して発生しています。
今後もまだまだ電気業全体で倒産のリスクは増加傾向にあると予測されます。
3位 コロナで大打撃「業務用機械器具製造業」
第3位は業務用機械器具製造業です!
主な事業は『アミューズメント機器』『映像関連の光学機器』などを取り扱う製造業者…
89社中1社は倒産する危険性があると言われています。
製造業の事業拡大には多額の先行投資が必要です。
現在はコロナ禍の影響で、受注確保が減少し倒産や警戒情報が発生しております。
今後もゼロゼロ融資などの保証制度が終了することから、倒産する企業が増加すると予想されています。
4位 資材の高騰に左右される「職別工事業」
第4位は職別工事業です!
主な事業は『とび工事』『内装工事』『塗装工事』『鉄骨工事』など…
103社中1社は倒産する危険性があると言われています。
これは主に下請業者として工事建設の一部を担っていることに原因があります。
元請業者より経営基盤が脆弱と言われる下請業者は労働費や燃料費、建築資材の高騰の影響を受けやすいからです。
現在はコロナ禍ということで公共事業が低調化したこともあり、さらに倒産のリスクが高まっています。
5位 口コミによって運命を分ける「洗濯・理容・美容・浴場業」
第5位は洗濯・理容・美容・浴場業です!
主な事業は『サロン運営』『クリーニング店』『銭湯』など…
106社中1社は倒産する危険性があると言われています。
ネット上の書き込みからニュースに取り上げられることも多く、口コミの内容によって来店数にも大きく影響が出る業界であるためと考えられています。
まとめ
現代では本当に様々な業種が存在します。毎年多くの会社が開業する一方、多くの会社が倒産しています。
起業を成功させるためには、倒産の原因を踏まえて対策することも大切ですが、倒産しにくい傾向にある業種を選ぶのも1つの手です。
起業後も倒産のリスクはいつでも潜んでおり、気が抜けず苦労の連続だと思います。
しっかりと情報収集し、リスクに備えて少しでも安心して起業できるよう、一歩ずつ準備を進めていきましょう。
コメント
コメント一覧 (11件)
[…] 関連記事:生存率81%!5社に1社が起業5年後に倒産…生き残る為の3つの術! […]
[…] 関連記事:生存率81%!5社に1社が起業5年後に倒産…生き残る為の3つの術! […]
[…] 関連記事:生存率81%!5社に1社が起業5年後に倒産…生き残る為の3つの術! […]
[…] 関連記事:生存率81%!5社に1社が起業5年後に倒産…生き残る為の3つの術! […]
[…] 立て直しに奮闘していましたが会社を設立して1年も経たずに倒産という結果になってしまいました。 Nさんは会社の立て直し時に高利なお金を借りてしまったので多額の借金を背負うことになりました。 それだけではありません。 資金繰りに奮闘していて社内の管理ができてなく、その結果雇っていた従業員が取引先に対して損害を与えてしまっていたことが発覚しました。 幸いにも古くからの付き合いだったので大事にはならずに済みましたが、取引先で発生した損害は経営者であったNさんが責任を負う必要があります。 結果としてNさんには立て直しのために借りたお金や、取引先との損害賠償といった負債だけが残りました。 関連記事:生存率81%!5社に1社が起業5年後に倒産…生き残る為の3つの術! […]
[…] 関連記事:生存率81%!5社に1社が起業5年後に倒産…生き残る為の3つの術! […]
[…] 関連記事:生存率81%!5社に1社が起業5年後に倒産…生き残る為の3つの術! […]
[…] 関連記事:生存率81%!5社に1社が起業5年後に倒産…生き残る為の3つの術! […]
[…] 関連記事:生存率81%!5社に1社が起業5年後に倒産…生き残る為の3つの術! […]
[…] あわせて読みたい 起業後66%が倒産?創業5年後の生存率を高める方法とは 日本で起業し生存できる確率は他国に比べると比にならないほど高いと言えます。しかし5年で81.7%というこ […]
[…] あわせて読みたい 起業後66%が倒産?創業5年後の生存率を高める方法とは 日本で起業し生存できる確率は他国に比べると比にならないほど高いと言えます。しかし5年で81.7%というこ […]