創業融資の返済期間は最長20年!据置期間も併用して負担を減らそう

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「創業融資を受けたいけど返済期間中にきちんと返済できるか不安。。。返済負担はなるべくなくしたい」

創業融資を考えている方のなかで、返済について不安を抱く方も少なくないでしょう。

残念ながら、返済不要な創業融資はありません

それなら、せめて返済期間は長く取って、少しでも負担を減らしたいですよね

創業融資は申込時に返済期間の希望を出せます。返済期間の長さは融資ごとに異なり、日本政策金融公庫が最長20年と一番長く期間を設定できる融資となっています。

本記事では新しく創業予定の方から選ばれる代表的な創業融資3種「日本政策金融公庫」「地方自治体」「信用金庫」それぞれの返済期間をご紹介。

返済期間とともに検討すると無理のない返済につながる“据置期間”についても解説していきます!

返済期間や据置期間はご自身の返済計画に合わせて適切に設定したいものです。

本記事で業界や借入額に見合った期間設定をマスターし、返済に不安を抱くことなく安心して創業しましょう!

関連記事:創業融資は初めの6ヶ月は返済不要!困らない融資の借り方

目次

そもそも創業融資の返済期間とは?

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創業融資には必ず返済期間が設定されます。

そもそも創業融資の返済期間について、どのような仕組みでどのように設定されるのか、よく知らない方もいらっしゃるかと思います。

ここでは創業融資の返済期間における基本的な情報を解説していきますので、返済にぼんやりとした不安を抱く方はまずしっかり目を通していきましょう。

金融機関ごとに定められている

返済期間とはその名の通り、融資の返済にかかる期間を指しています。

期間は金融機関ごとに定められており、同じ金融機関の中でも融資の種類によって返済期間は異なります。

一般的に、金融機関側は最長で設定できる返済期間を提示しており、あくまでも目安であって、審査次第では必ずしも最長期間の設定が決まるわけではない点に注意が必要です。

返済期間の設定は融資申込時に希望を提示できます。期間の希望も出せますので適当な期間ではなく、資金計画に合わせた返済期間の希望を提示したいものです。

関連記事:創業融資の返済は3つの準備で苦労知らずに!借入前の計画作りが重要

返済期間は10~20年が一般的

一般的な返済期間は10~20年と言われています。

金融機関が提示する最長の返済期間が10~20年であることが多く、同時に長めに返済期間を希望する方が多いというのが実態です。

後ほど2章にて詳しく紹介しますが、日本政策金融公庫の創業融資は最長20年、制度融資は10年、信用金庫が7年前後とやはり10~20年の返済期間にて多くの創業者が対応していると分かります。

【業界別】借入額と返済期間を見てみよう

返済期間は借入額に見合った期間を設定するのがポイントです。

とは言っても、借入額に見合った返済期間ってどのくらい?とハテナが浮かびますよね。

ここでは実例をもとに、業界別に平均的な借入額と返済期間を一覧で見ていくことにしましょう。

業界借入額返済期間
1建設業500万~1,000万円10年
2情報通信業300万円5年
3運輸業600万~2,000万円10年
4卸売/小売業200万~1,000万円10年
5不動産業400万~1,000万円10年
6宿泊業500万~1,500万円10年
7飲食業100万~1,000万円10年
8美容業1,000万円~1,200万円10年
9教育業200万~500万円5年
10医療/福祉業1,500万~8,000万円15年

業界別とは言っても店舗の有無や法人・個人事業主など、創業の仕方によってどうしても幅がありますが基本的には上述の一覧が目安となるでしょう。

返済期間はおよそ10年の業界が多く、もちろんご自身の借入額や月々の返済可能額によるというのが大前提で、迷った場合は10年前後を申込時の希望として検討してみるとよいかもしれません。

関連記事:起業の初期費用とランニングコストを大解説!10万で事業を回そう

据置期間と返済期間の違い

返済期間について調べていると「据置期間」というワードもよく目にするかと思います。

据置期間とは、定めた期間中は元金、つまりは月々の返済額については返済の必要がなく、利息の支払いだけでよしとされる期間を言います。

一方で据置期間を設定したからと返済期間が延びるわけではなく返済期間の中に据置期間が含まれる仕組みとなっている点に注意しましょう。

据置期間の説明図

据置期間を設定する大きなメリットとしては、創業初期の返済負担を大幅に減らせるといったところにあります。

利息のみの返済でよいので、事業が軌道に乗るまでは返済への心配を最低限に抑えられるのです。

ただしデメリットとして、据置期間中に返済しなかった元金が後回しになり、据置期間後の残りの返済期間の支払い負担が大きくなってしまうことを把握しておかなければなりません。

据置期間を設定したからと返済額が減るわけではありませんので、据置期間なしにした場合と比べれば、通常の返済期間中の返済額は大きくなってしまいます。

ご自身の事業計画・資金計画と照らし合わせながら月々の返済額を適切に算出し、うまく据置期間を活用するようにしましょう。

関連記事:創業融資の据置期間は最大2年間!期間を伸ばす方法もご紹介

創業融資の返済期間をランキングでご紹介

トロフィーを握る手

返済期間への知識がある程度付いたところで、実際に創業融資別に返済期間を比較してみましょう。

期間の長さ順に、ランキング形式にてご紹介していきますので、返済期間を重視して創業融資を選びたい方はぜひ参考にしてみてください。

関連記事:創業融資3種をランキングで比較!日本政策金融公庫の審査に通るコツ

第1位 日本政策金融公庫【最長20年】

日本政策金融公庫では創業融資としてさまざまに制度を用意しています。

なかでも新規に創業する方からよく活用される、代表的な「新規開業資金」「女性、若者/シニア起業家支援資金」に関しては設備資金が20年以内、運転資金が7年以内と、設備資金については最長20年以内のかなり長めな期間設定となっています

返済期間が長い=融資限度額も高く、7,200万円となっています。

また、基本的には20年以内にて返済期間が設定され、計画通りに返済を進めることとなりますが例外的に、返済を延長できるパターンもあります。

当初の計画通りに返済を進めていても、最近の例で言うと新型コロナウイルスのように、誰も予測できなかった事態により経営状況が一気に傾く可能性だって否めませんよね。

とにかくこのままでは返済を続けていくことができない、といった状況に陥りそうなとき、早めに交渉すべきなのがリスケジュールです。

リスケジュールとは返済に猶予期間を設けることで、経営状況を立て直し再び計画的な返済を目指します。

日本政策金融公庫は他の金融機関から創業融資を借り入れるより比較的融通が利くと言えますので、返済が苦しくなりそうな予兆が見えた時点で気軽に相談するべきなのです。

ここからはおまけ情報となりますが、日本政策金融公庫の魅力は返済期間の長さだけではありません。

経営者保証免除特例制度といい、経営者個人への保証が不要となる制度が用意されています。

2022年4月に改定されるまでは、新規に日本政策金融公庫を利用する方は対象外だったのですが、改定後より、初めて日本政策金融公庫から融資を受ける方でも条件に当てはまれば制度が適用されることとなりました。

詳細については下記サイトが分かりやすく解説されていますので、ぜひ確認してみてください。

外部サイト:【2022年度版】経営者保証免除特例制度を解説!日本政策金融公庫の融資で代表者保証が免除される条件とは?

第2位 地方自治体【10年】

2番目に返済期間が長いのは地方自治体の準備する「制度融資」です。

制度融資の特徴は自治体によってさまざまですので一概には言えませんが、返済期間は10年前後としている自治体が大多数です。

例として、都内にて創業予定の個人や創業後間もない中小企業者に対して東京都が提供する、創業融資を挙げてみましょう。

融資限度額を3,500万円とし、設備資金は10年以内、運転資金は7年以内に設定されています。

日本政策金融公庫と比較すると設備資金の返済期間に関しては倍の差がありますね。

しかし見逃せないのが、制度融資の一番の魅力である、他機関では実現できない金利の低さです。

日本政策金融公庫では1~3%なのに対し、制度融資を活用すると自治体による補助により、個人の負担利率はなんと0.2~1%ほどになります。

また東京都の創業融資のように、信用保証料においても2/3が自治体によって補助されるところも。

返済期間の長さでは1位を取れませんが、金利の低さは他機関に比べ圧倒的に1位と言えるでしょう。

期間でなく、金利の低さで返済負担を軽減できるのが制度融資の特徴ですね。

関連記事:世田谷区の創業融資で起業しよう!負担金利はたったの0.1%とお得

第3位 信用金庫【7年】

民間金融機関のなかで唯一、創業時に頼れるのが信用金庫です。

創業前の実績のない個人に高額融資を積極的に行なってくれるのは信用金庫だけ。

そんな信用金庫の返済期間は、大体どこでも7年前後となっています。

例として横浜信用金庫の創業支援融資「創る」の返済期間を見てみると、7年以内との記載があります。

横浜信用金庫の融資限度額が500万円以内であるように、そもそも高額融資を行なっていないため、返済期間も短めであるのが信用金庫の特徴です。

それでも信用金庫を検討する価値のある理由として、日本政策金融公庫と信用金庫が融資希望者に対してともに融資を行なう“協調融資”の存在があります。

協調融資を活用することにより、一つの金融機関だけでは叶えられない高額融資が叶うというメリットがあります。

金融機関同士でリスクを分担することになるため、金融機関にとっては大胆な融資をしやすくなるのですね。

協調融資を活用した場合の返済期間はおよそ7年~10年以内です。

あくまでも信用金庫の返済期間がベースとなる点には注意しましょう。

関連記事:地元に根づく創業融資制度がここにある!まさに信用からなる信用金庫とは

返済期間を決めるときに意識したい4つのポイント

チェックリストを示すビジネスウーマン

返済期間が最終的に決まるのは金融機関側の審査次第ですが、申込者から希望の返済期間を設定することが可能です。

希望する期間が妥当であると、希望そのままに設定されることも。

なるべく希望に沿った返済期間に決まるためにも、また創業後の返済がスムーズに運ぶためにも、返済期間を決める際に意識すべき4つのポイントをご紹介していきます。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

関連記事:公庫の創業融資は自己資金の有無がカギ|審査通過しやすい3つの方法

なるべく長めに期間を設定する

創業後の返済負担を軽くするなら、単純ですが返済期間はなるべく長めに設定するが吉です。

返済期間を長く設定することで月々の返済額が減るため、毎月の資金繰りへの負担が少なくなると言えます。

ただし期間を長く設定することは返済まで年月を要するほか、利息を支払う回数が多くなる点は理解しておかなければなりません。

事業安定を取るなら、長期的に見て長く期間設定することで、創業初期の負担軽減にもつながります。

関連記事:【解決法はこれ!】起業したいのにお金がない。コスト0円起業も

キャッシュフローの範囲内に返済額を収める

キャッシュフローとは事業利益を得るために生じるお金の流れを言います。

【収入-支出】にて計算できますが、収入<支出となってしまう返済額の設定を行なうとキャッシュフローがうまくいかず、資金繰りに影響が出てしまいます。

月々の返済額を理想の金額とするために、返済期間の長短にて調整することがポイントとなってきます。

必ずしも創業前に計算したキャッシュフローの通りにいくとは限らないため、余裕を持って返済期間を割り出すのがポイントです。

関連記事:【起業の始め方2023】真似して簡単!成功者はこうして起業する

公庫の「事業資金用返済シミュレーション」を活用する

日本政策金融公庫の公式サイトには、ご自身で簡単に返済金額の試算ができる「事業資金用返済シミュレーション」が用意されています。

以下4つの項目を入力すると自動で返済金額が表示されます。

  • 借入希望金額
  • 返済方法
  • 返済期間
  • 金利

算出された金額を見て、月々の返済額として無理のない金額かどうか、検討しながら返済期間を調整していきましょう

シミュレーションはあくまでも目安ですので必ずシミュレーション通りにいくとは考えないほうがよいですが、一つの指標として、返済期間を簡単に検討する手段として活用するのがおすすめです。

関連記事:創業時の融資は低金利がいい!利率を下げる3つの方法

据置期間は半年間がおすすめ

返済期間を検討すると同時に、据置期間についてもどれくらいを目安に設定すればよいのか悩みどころではあるかと思います。

据置期間は返済期間の範囲内で決めることとなり、それぞれの創業融資によって設定できる期間は異なります。

日本政策金融公庫の「新規開業資金」や「女性、若者/シニア起業家支援資金」の据置期間は2年が最長となっており、なるべく長く据置期間を設定したい場合は2年の希望になりますね。

ただし、1章で据置期間についてご説明したように、期間を長く設定してしまうことで気が付けば多額の元金支払いが進んでいない状態となり、期間終了後の負担が重くのしかかってしまうこととなります。

一般的に、事業を始めてから軌道に乗ってくるのは3か月~半年経ったあたりと言われています。

もちろん事業計画から、ご自身の事業の場合、どのくらい経てば利益が見込めるかを見定めて据置期間を検討する必要はありますが、一般的な考えからも半年間の設定が妥当と言えるでしょう。

事業が軌道に乗るまでの最初の半年間は据置期間にて戦略的に返済負担を減らし、軌道に乗ってきた半年後からは元金の返済も始める、というのが低リスクで綺麗な流れではないでしょうか。

据置期間については返済期間のように、長ければ長いほど返済負担が減るわけではないので慎重に決めましょうね。

関連記事:起業は何から始める?成功に欠かせない4つの事前準備を徹底解説

返済期間を一人で決めるのは危険!頼れる専門機関3選

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初めての創業、そして初めての創業融資利用で、返済期間を決めるときに一人というのはかなり不安な状況ではないでしょうか。

計画を立てることや将来的な数値を予測するのが得意であれば心配いらないかもしれませんが、一人での創業準備に不安を抱く方がほとんどです。

返済期間は適切に決めなければ返済負担に影響するほか、場合によっては負担が大きすぎて返済できなくなるなど、リスクに直結する部分でもあります。

ここでおすすめしたいのが、返済期間は一人で決めるのではなく、専門機関を頼って決めるということ。

専門機関を頼ることで専門的な視点から事業内容や計画をもとに、返済期間や据置期間について一人ひとりに適切なアドバイスがもらえます。

返済期間で失敗したくない方は要チェックですよ。

関連記事:創業融資は自分でやると損!専門家に依頼した方が100%確実な理由

融資コンサルを頼るなら【CEOパートナー】

返済期間を決めるにあたって、融資コンサルサービスに依頼するといった手段があります。

個人的におすすめなのは、CEOパートナー株式会社が運営するサービス、【CEOパートナー】です。

CEOパートナーでは創業融資に詳しい税理士のみを紹介しており、申込を行なうと、当日中に税理士とマッチングが叶うという、非常に効率の良いサービスです。

CEOパートナーと提携している税理士事務所はどこも長きにわたって創業サポートを行なってきた実績があるため、返済期間の決め方に悩んだとしても、顧客のデータに基づき適切な期間をアドバイスしてもらえます。

CEOパートナーを頼る魅力は返済期間の決め方だけに留まりません

創業融資の申込時に提出が必要となる書類の中で、作成の難易度が一番高く、重要度においても一番高いと言われる「創業計画書(事業計画書)」の作成を大きくサポートしてもらえます。

書類作成だけでなく、面談対策にも強みを持っているのが特徴です。

また創業後も、CEOパートナーで出会った税理士に引き続き顧問を依頼することも可能です。

長期的に見て心配のない融資コンサルサービスを選びたいなら、CEOパートナーが断然おすすめですよ。

 CEOパートナー|公式サイト

関連記事:創業融資の相談はCEOパートナー!実績のある相談所3選

国や自治体設置の専門機関を頼る

実は全国各地のあらゆる場所に、創業を支援するための専門機関が存在します。

代表的な専門機関は以下の5つ。

いずれも創業前~創業後において手厚いサポートを行なっている専門機関ばかりですので、返済期間の決め方に留まらず、さまざまな相談内容に柔軟に対応してもらえます。

5つの機関すべてが無料で相談できますので、気になる機関をぜひチェックしてみてください。

各機関の詳細については次の関連記事にてご紹介しています。

関連記事:起業の悩みは無料で相談しよう!0円で賢くお悩み解決、賢く起業!

関連記事:公庫の創業融資は自己資金の有無がカギ|審査通過しやすい3つの方法

税理士や会計士と創業後の資金計画を練る

初めにご紹介したCEOパートナーで税理士とマッチングする方法がおすすめですが、もちろんご自身で税理士を探し、返済期間について相談することも可能です。

税理士だけでなく、公認会計士の方も創業サポートを強みに活動している場合があります。

税理士や会計士のサポートを受けながら資金計画を練ることで、自身の事業内容に適した返済期間が見えてくるでしょう。

自力で税理士や会計士を探すときに気を付けたいのが、詐欺です。

知っておいてほしいのが、創業サポートを謳ってお金をだまし取ろうと近寄ってくる詐欺師は実際に存在します。

SNSを活動拠点として、税理士や会計士を名乗り個人で活動している方には十分に注意したほうがよいでしょう。

うまい話に乗せられるのではなく、インターネットで個人名を検索してみたり、税理士登録や会計士登録を調べたりして、本当に信用できる人なのか、情報収集して納得できてから頼るようにしてください。

家族や友人、仕事仲間など、第三者に確認してもらうことも大切です。

関連記事:創業融資の詐欺はこうして見抜け!4つ当てはまれば悪徳コンサル確定

関連記事:起業セミナーが実は詐欺!?洗脳されて被害額100万を失った大学生の話

まとめ

創業融資の返済期間はなんとなくで決めていいものではなく、事業計画や資金計画を細かく練った上で、適切な返済期間が見えてくると言えます。

なるべく負担を少なく返済していきたいのであれば長めに返済期間を設定するのがベストですが、据置期間については長ければ長いほどいいものではありませんので、より慎重に検討しましょう。

返済期間の決め方に少しでも迷いが生じたら、4章でご紹介した専門機関まで気軽に相談してみてくださいね。

返済期間だけでなく、創業に関して迷ったことは一人で無理に丸め込まず、専門知識に精通した第三者を味方につけて取り掛かるのが賢い方法ですよ。

 CEOパートナー|公式サイト

関連記事:創業融資は代行に頼もう!自力で申込むより100%審査に通りやすい

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この記事を書いた人

Webライター歴3年、現在は個人事業主として活動しています。独立を目指す方に私の経験で何か役立つものがあればと考え、主に起業に関する記事を書いています。趣味はK-POPとSFアクション映画と猫の動画を見ること。

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