公庫の創業融資がいいって聞くけど…具体的に何がいいんだろう?
このような漠然とした疑問を抱く方は少なくないのでは。
なかにはそんなに貯金できていないから創業融資を受ける方も珍しくありません。
しかし、貯金などで自己資金を準備していないと受けられない創業融資も存在します。
本記事では創業融資の受け方ともに、自己資金の理想の金額や貯金以外の準備の仕方を徹底解説していきます。
ぜひ知っておきたい、自己資金が少なくても審査対象となるケースにも注目です。
関連記事:【決定版】創業融資で資金不足を一発解決!最大3000万円融資も
公庫の創業融資はこうして受ける!
公庫の創業融資と一言にいっても、複数の種類が存在します。
なかでも創業初心者によく使われて、おすすめの「新創業融資制度」について詳しく解説していきます。
どうやって融資を受けるべきなのか悩んだらまずはここを読んでみましょう。
※新創業融資制度は2024年3月31日をもって終了しました。
おすすめなのは新創業融資制度
冒頭でも軽く触れたように、日本政策金融公庫の創業融資でおすすめなのは「新創業融資制度」です。
新創業融資制度がおすすめな理由は大きく分けて以下4つ。
- 原則無担保・無保証
- 3,000万円の高額融資が可能
- 金利は1~2%と低め
- 比較的審査に通りやすい
そもそも他の金融機関で1,000万円以上の高額融資を借りるのはかなり難しい話です。
金融機関からすれば返済してくれる確証のない一個人に高額の融資を渡すのはかなりのハイリスク。
しかし日本政策金融公庫の新創業融資制度なら、実績のない一個人への融資が手厚く、さらには無担保・無保証・低金利での融資が叶えられます。
かなり魅力的なので、まずは新創業融資制度の検討がおすすめです。
関連記事:新創業融資制度は無担保無保証・高額融資!新規開業者から人気No1
新創業融資制度の申込要件
申込要件は以下の通り。
対象者の要件 | 新しくこれから事業を始めるor事業を始めてから税務申告を2期終えていない方 |
自己資金の要件 | 創業資金総額の10分の1以上 |
定められている要件は表の内容で、対象者に係る要件と自己資金に係る要件の2種類です。
対象者としてはまだ事業を始めていない方も含まれるため、事業経験がないからと心配する必要はないでしょう。
自己資金については借入したい金額の10分の1を準備することを求められます。
特に自己資金の準備に関しては事前に行なっておく必要がありますので、要件は早めに確認した上で準備に努めるようにしましょう。
関連記事:自己資金0円からの創業融資!コロナ禍でも相談が多発する理由
新創業融資制度に申込むときの流れ
新創業融資制度に申込むなら、詳しい流れを知っておくとスムーズですよね。
申込むときの流れを順番に見ていきましょう。
① | 融資の相談を行なう | 支店に出向く・電話する・オンラインの3種類がある |
② | 必要書類を提出して申し込む | 直接支店で・郵送で・インターネットでの3つの方法がある |
③ | 面談審査を受ける | 支店もしくは申込人の事務所で行なわれる |
④ | 審査結果が通知される | 面談後1~2週間で電話や郵送による結果通知が行なわれる |
⑤ | 融資実行の手続きを行なう | 契約書類への署名捺印、返送 |
申込の流れは大まかに以上の5ステップです。
私の知り合いで日本政策金融公庫の創業融資を利用して創業した方がいますが、その方も5ステップで申込が済んだと話していました。
必要書類の準備は大変なようですが、公庫の担当が支援してくれたり、4章で詳しくご紹介するCEOパートナーといったサービスを用いて税理士を頼ったりすると、スムーズに運んだとのことでした。
一人で全部準備しようとせず、頼れる専門家は賢く頼るのが申込成功のコツとも言えそうですね。
関連記事:創業融資は複数申込OK!協調融資で2000万円融資が通った事例あり
公庫の創業融資は自己資金の10倍まで借りられる
日本政策金融公庫の創業融資には申込要件が定められており、自己資金は創業資金総額、つまり借入したい金額の10分の1以上は準備することとなっています。
詳しく見ていきましょう。
人気No.1制度の自己資金要件は10分の1
日本政策金融公庫の「新創業融資制度」には要件があり、要件に達していなければ融資を受けることが出来なくなってしまいます。
借入金額の10分の1は最低でも自己資金を準備する必要があるのです。
100万円の融資を希望するなら10万円の自己資金、1,000万円の融資を希望するなら100万円の自己資金ですね。
“10分の1”の表現だけ見ると少なくて簡単に感じなくもないですが、創業には高額な費用を必要とするケースが多く、準備したい自己資金額も自ずと高額になり簡単ではないのが現実かと個人的には考えます。
私の周りでも、公庫の創業融資に自己資金要件があることを知らず、自己資金の準備に苦労した方がいました。
融資の申込要件は早めに確認しておき、スムーズに融資実行まで運ぶようにしたいものです。
※新創業融資制度は2024年3月31日をもって終了しました。
関連記事:創業融資は自己資金なしでも大丈夫!7つの条件で自己資金要件が免除
安全なのは借りたい金額の3分の1
自己資金の要件は「創業資金総額の10分の1」と明記されていますが、実際には10分の1でなく3分の1は用意しておきたいものです。
自己資金の有無は審査時に外せない判断基準となり、10分の1の自己資金は用意されているのが当たり前で審査が進んでいきます。
そのため10分の1ギリギリでは必ず審査に通るとも言い難く、税理士の方の話や、専門家の話からも3分の1は用意できているのが理想とのこと。
10分の1でも簡単な額ではないのに、3分の1となるともっと高額な自己資金を準備しなければなりませんよね…。
ただ、現実問題、本気で創業を考えている方は要件など関係なく、努力してコツコツと貯金や資金集めを行なっているものです。
必要費用0で創業するのはほぼ不可能な話。
まったく自己資金を準備せず融資だけで資金調達を済まそうと考えている方は、本気で創業を考えているのか、今一度自分自身に問いかけてみてもいいかもしれませんよ。
関連記事:創業融資はいくらが妥当?自己資金の3倍が目安!3つの決め方を紹介
自己資金0で融資を受けるのは難しい
自己資金が要件として定められている以上、自己資金がまったくない状態で融資審査に通るのは非常に難しい話です。
要件を満たしていない上、自己資金をまったく準備していないとなれば、やる気がないと捉えられて審査通過からは遥かに遠い状況へとなってしまうでしょう。
またすべて融資で賄うことは返済負担が大きいなどリスクが高く、自身で準備できている資金が多ければ多いほど、安全に事業を始められるとも言えます。
要件を満たすためだけでなく、公庫へアピールするためにも、また結局は自身の創業が安全に成功するためにも自己資金はしっかり準備するようにしましょう。
関連記事:自己資金0円からの創業融資!コロナ禍でも相談が多発する理由
自己資金=貯金は間違い!
自己資金は貯金のことと認識している方が多いでしょう。
実は自己資金=貯金ではないのです。
貯金以外にも自己資金と呼べる調達方法がありますので、貯金がうまくいかずに悩んでいる方は必見です。
準備方法は貯金だけじゃない
自己資金の準備方法は貯金だけではありません。
次項から詳しく紹介していきますが、第三者から支援を受けたり、身内の貯金を自己資金として捉えたりなど、自身の貯金だけが自己資金となるわけではありません。
つまりは貯金が一銭もないからと創業融資を諦める必要はないのです。
関連記事:創業融資とは貯金が少ない開業者の味方。1,000万融資もOK
【一覧】貯金以外に自己資金として認められるケース
自己資金=貯金ではないとお話しましたが、貯金以外に自己資金として認められるのはどんな内容のお金でしょうか。
詳しく知るために、一覧からまとめて見ていきましょう。
内容 | 備考 | |
① | 身内から受け取ったお金 | 身内から受け取った(贈与された)お金は自己資金として認められます |
② | 配偶者の口座預金 | 夫や妻など、配偶者の口座にある貯金はいざと言うときに使えるという意味で、自己資金として認められます |
③ | 第三者から支援されたお金 | 企業や起業家、知人など、身内でない第三者からの支援金に関しても自己資金と認められます |
④ | 退職金 | 創業前に勤めていた会社から退職金が出る場合、自己資金として認められます |
⑤ | 生命保険を解約したお金 | 保険の解約時に発生する返戻金は自己資金として認められます |
⑥ | 資産を売却したお金 | 不動産や貴金属、自動車など、所持している資産を売却したときのお金は自己資金として認められます |
⑦ | 相続したお金 | 遺産相続で引き受けたお金は自己資金として認められます |
⑧ | 既に事業に使ったお金 | 創業済みの場合、創業時に使ったお金は自己資金として認められる可能性も |
意外にも多く、貯金以外にも自己資金の準備方法があると分かります。
受け取ったお金や保険・資産のために一度使ったお金が対象となりますので、それほど難しい内容ではないでしょう。
関連記事:新創業融資制度で申請が楽にできる人とできない人のたった1つの差
【一覧】自己資金が少なくても審査対象となるケース
自己資金と呼べる金額がまったくの0であれば、申込要件を満たさないため審査対象にすらならないでしょう。
しかし自己資金が要件を満たしていなかったとしても、審査対象として認められるケースが、多くはありませんが存在します。
こちらについても一覧で見ていきましょう。
① | 勤務中の企業と同業種で創業する場合 |
② | 自治体から特定創業支援等事業に認定された場合 |
③ | 認定支援機関の指導を受けて事業計画を作成する場合 ※認定支援機関・・・商工会、商工会議所、金融機関、税理士、公認会計士、弁護士、中小企業診断士など |
意外にも知っている人は少ない、3つの方法。
特に、①のように内容としては現職をそのまま引き継ぎ、創業による独立を行なうパターンは多いのではと考えられます。
自己資金はあったほうが審査に通りやすいと言い切れますが、少なくても審査対象として認められるケースは知っておくと得だと言えるでしょう。
関連記事:日本政策金融公庫の創業融資が選ばれる4つの理由!審査通過の裏技も
公庫の審査に通りやすくなる3つの方法
日本政策金融公庫の審査は他の金融機関と比べ、比較的通りやすいと言えます。
しかし通りやすいからと言って、審査対策を疎かにしてしまえばもちろん落ちてしまうことも。
ここでは公庫の審査に通りやすくなる方法を3つご紹介しますので、ぜひ申込前にご確認頂き、賢く活用していきましょう。
紹介する方法はすべて安全な方法ですので、ご安心の上でご活用ください。
CEOパートナーでプロの税理士を頼る
一番におすすめしたいのは、創業融資のプロである税理士と効率よくマッチングできる「CEOパートナー」というサービスです。
信頼できると判断した税理士事務所とのみ提携し、数多くの相談者の創業融資申込を成功まで運んでいます。
実績を活かし、相談者一人ひとりに適切な方法で審査通過率の高い申込を実現させています。
具体的なサポート内容は以下の通り。
- 融資制度の提案
- 事業計画の作成
- 申込書類の作成
- 面談対策
融資実行まで抜かりなく、手厚いサポートを行なっています。
税理士を頼るメリットとしては、創業に関するお金の問題、特に税務に詳しく、資金の節約につながるほか、税理士のサポートにより得することも多いと考えられます。
また創業時だけでなく、創業後も顧問税理士として引き続きサポートを依頼することが可能です。
専属の税理士がつくからこそ、一人ではなくプロと二人三脚での創業が叶うのです。
私も一度試しに問い合わせをしてみましたが、問い合わせ送信の5分後に電話がかかってきました。
スタッフの方と簡単に日時のすり合わせをしたあと、その時間に税理士さんから電話がかかってきて実際に相談するという流れです。
完全成功報酬型を取っていることから相談段階では一切費用を請求されないため、安心感のあるサービスだと素直に感じました。
非常にスムーズでスピード感のあるサービスですので、創業までそれほど時間をかけたくない方にもおすすめと言えます。
公式ホームページでサービス内容については詳しく説明されていますので、一度覗いてみてはいかがでしょうか。
関連記事:創業融資のコンサルは成功報酬制!手数料5%以上は違法
国や自治体の専門機関を頼る
ご存知の方も少なくはないかもしれませんが、国や地方自治体には創業者を支援する支援機関が多数存在しています。
代表的な専門機関は以下の通りです。
- 商工会/商工会議所
- 中小機構
- よろず支援拠点
- ワンストップ相談窓口『Plus One』
- 地方自治体の創業支援セミナー
それぞれの専門機関によって支援内容は異なるため、詳しくは各サービスのホームページを確認してみてください。
あなたにぴったりの支援内容がきっと見つかるはずです。
また、J-Net21の支援情報ヘッドラインを活用すれば、国や自治体の専門機関、その他実施されている支援情報をまとめて検索することが可能。
ぜひ併せて活用してみてくださいね。
関連記事:【起業の始め方2023】真似して簡単!成功者はこうして起業する
公庫独自のサポートを頼る
本記事で主に紹介していた日本政策金融公庫は、実は融資だけでなく独自に行なっている創業サポートが存在します。
サポート内容は大きく分けて3つ。
- 創業前支援・・・無料の電話相談やオンライン・来店相談、メルマガ、セミナー、創業の手引きなど各資料の提供
- 創業時支援・・・融資制度の提案および創業計画書の書き方指導
- 創業後支援・・・経営に役立つセミナー情報、ビジネスマッチング・商談会
支援名の通り、タイミングごとに適切なサポートを行なっています。
創業後まで一貫してサポートを受けられるため、途中で孤独を感じることもなく前向きに創業へと運ぶことができます。
親身に創業融資を提供している機関からの直接的なサポートとなるため、創業融資の審査への対策についても全面的に協力してくれることでしょう。
創業に必要な全行程へのサポートを一つの機関で完結させたい方におすすめです。
関連記事:創業融資は個人よりも専門家に支援してもらった方がいい3つの理由
まとめ
日本政策金融公庫の創業融資は創業初心者にとって非常にやさしく、どの金融機関と比較しても審査に通りやすいという特徴があります。
新創業融資制度のように、なんの実績もない一個人が原則無担保・無保証で、3,000万円までの高額融資を受けられるというのは他に存在しないと言っても過言ではありません。
CEOパートナーに試しに問い合わせたときに税理士さんに聞いてみたのですが、新たに創業を希望する方にはまず日本政策金融公庫の創業融資を勧めるようです。
数々の創業支援を行なってきた税理士さんだからこそ言えると思うのですが、公庫の審査に通過しなければ他の金融機関で創業融資を希望しても、審査通過は難しいだろうとのことでした。
それほど日本政策金融公庫は創業初心者にやさしいので、審査対策をしっかり行なってぜひとも融資を獲得したいものです。
公庫の創業融資は支援が充実しているほか、CEOパートナーの税理士さんや、国や自治体の専門機関のように情報に精通している専門家が案内しやすい融資制度であるため、安心して融資を活用したい方はぜひ検討してみてくださいね。
コメント
コメント一覧 (13件)
[…] 日本政策金融公庫の新創業融資制度では最高で3,000万円まで融資を受けることができます。 実際どれだけの金額で融資を受けられるかは、支店の方針や担当者の判断による部分もあるかと思いますが、少なくとも、本人のこれまでの職歴、自己資金の有無や信用情報の内容など、プラスとなり得るものが多ければ多いほど、希望金額に近づけられる可能性が広がります。 […]
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